第9話 4日目 小判缶お届けですわ〜?
「コッケコッコー!!」
ニワトリさんの目覚ましで、トモが起き上がる。
横を見るとクイーンの姿が見えない事に気付く。
「クイーン?」
(ふう。クイーンが居ないと車椅子に乗るのも一苦労ですわ。さて、何処に行ったのかしら?)
どうにかベットから車椅子に移動してから、リビングを覗く。庭の方も見てみるがニワトリさんたちが散歩しており、ゴブリンたちがその後ろをニワトリの真似をしながら歩いているようだ。
「コッコ」
「ゴッブ」
「ゴッブブ」
「ふふ」
クイーンは外に居るのかと思い、取り敢えず身支度を初めた。
「大変だったですわ」
着替えや髪を整えるのを一人でやるのは久しぶりだったので、一苦労だった。
[プライベートモードが終了します]
『お!始まったな!』
『今日はあの日だな』
『あの日?』
『あー昨日の夜にな、クイーンちゃんが小判缶注文してたんだよ』
『え?あの高級猫缶を?』
『そうそう。そしてなんと!お嬢はのお父さんは猫に小判社社長さんだ!!』
『えー!!』
『待て、お嬢が此処にいてニュースで両親が死んだって事は、猫に小判社の後継ぎがいないじゃないか!!大丈夫なのか?』
『副社長が後を継ぐって発表してましたよ』
『良かったわーこれでうちの子も喜ぶわ』
リビングでニワトリさんたちを見ていると、人?の声とクイーンの元気な声が聞こえた。
「お届け物だにゃ!!」
「にゃん!!」
(あら。玄関に居たのね)
玄関を開けると、知らない白猫がクイーンに襲われていた。
「この!離すにゃ!」
「にゃ!!にゃん」
(早く!あの缶詰くれにゃ!!)
『あらあら、激しいわね』
『昨日の晩からずっと待ってたからな』
「こら。クイーン。離して上げるですわー」
「にゃーん」
「助かったにゃ。さて、此方お届けの金の小判缶百個セットですにゃ。お題は一万五千ズーにゃ」
「ズー……ちょっと待ってですわー」
トモは金庫にズーを取りに行った。トモはゲーム初心者の為、アイテムBOXがある事を知らない。なので、視聴者から貰った投げ銭。トモは変なコインが何時も置いてあるみたいに思ってる。何故か毎晩家の前にあるお家の金庫に閉まってある。
「ふう。はいですわ」
「確かににゃ!またご利用下さいにゃ!それでは!」
白猫は招き猫像を残して何処かへと消えていった。
「にゃん?!」
「わーお!忍者にゃん子ですわ!!」
『運営!!hey運営!!』
『はいはーい』
『さっきの白猫は?!』
『あー猫に小判社との提携契約を結んだ時の配達用に用意したAIですね』
『そんかのがあったのか!』
『じゃあ、その経路を探せばお嬢の場所が!』
『いやーそれが分からないんですよ。履歴が、残る設定の筈なんですが……』
『えー……何それ怖い』
「んにゃんにゃ!」
「ふふ。クイーンは良く食べますわね。美味しいですわ?」
「にゃん!!」
コメント欄が騒がしいなか、当事者であるトモはクイーンの食べっぷりを見ながら、紅茶を嗜んでいた。
(さて、わたくしも朝ごはんを食べてから菜園に行こうかしら)
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