第7話 3日目 煩いですわー

「コッケコッコー!」

「な、何事ですわ?」

「んにゃ?」


 トモたちは、何かの音で目を覚ました。

 外では先ほどの音で起きたゴブリンたちが何やら騒いでいた。


[プライベートモードが終了します]

『おは?!お、お嬢。何という格好を!!』

『バンされちゃ』

『モザイク処理をします』

『さっきよりこっちの方がエロく感じるのは何でだろう?』

『見える見えない、見えないほうが想像が膨らむからな』

『これだから男は』


 黒色のキャミソール&タップパンツにサテンガウンを羽織った姿で家を飛び出すトモ。布面積が少ないので、肌色が多く。男は盛り上がり、女は心配する。運営が急いでモザイク処理をする。朝から忙しないトモのデスゲーム配信。


「青鬼くん!黄鬼くん!どうしたんです……わ!?」

「ごぶぶ」

「ごぶ!」


 ゴブリンたちの足元にいる生物を見て固まるトモ。


「ニワトリですわ〜」

「コケ!」


[ニワトリの木が新しい作物に指定されました。ニワトリの木から採取出来る物、ニワトリ、卵、ニワトリの餌]

 ニワトリたちが大合唱を始める。


「う、煩いですわー」

「にゃ!!」

「ッコ?!」


 耳を塞いでるトモを見て、クイーンがニワトリたちを睨みつけると、固まってゴブリンたちの背後に隠れ震える。


「えーと」

(わたくし鶏肉が欲しかったのですわ。成功したのは宜しいことですわ。ですが、わたくしがこの子たちを絞めて捌くのですの?いや、それは無理ですわ)


 どうしたものかと思っていると、トモと視線があったニワトリさんが、金の卵を産んだ。


「か、輝いてますわ?!」

「ニャ?!ニャニャニャン」


『こ!この光は!!』

『確定演出だわ!!』

『zooのただ一つの課金要素』

『な、何故。ただのニワトリから!!』

『お嬢!早く割るんだ!!』


「割れば良いのかしら?」

「コケ」


 何故か頷くニワトリたち。ニワトリの目の前で車椅子に打つけて割り始めた。さて、何が出るのか。全員で目を瞑る。


[テッテレー【お肉栽培キットEX】ー]

 トモたちの目の前に六人くらいが並んで食べれそうな丸いテーブル。真ん中には木があり、テーブルには炭と網がセットされていた。


『お肉って栽培するものか?』

『何でもありだな』

『常識に囚われてはいけないって事ね!』


 コメント欄もテンションが上がっていた。


「何か出ましたわ!!」

「にゃん!!」


 クイーンはお肉と聞いてテンションが上がっている。ゴブリンたちは、興味深そうにテーブルを触っている。トモのお膝元に説明書が現れる。


「これは?説明書ですわ。何々」


【お肉栽培キットEX】

 使用回数:無制限

 同時利用人数:六人

 効果:この栽培キットは設置すると、時間経過と共にお肉がランダムで栽培され、自動で収納される。炭に火を入れると、網の上に選択ウインドウが現れ、選択すると一人前ずつ網に並べられる。

 またEX級の為、この網は食べ終わるか任意で新しい網に変わり、稀に和牛などの高級肉が栽培される。


「良かったわね。クイーン。これでいくらでもお肉が食べられるわ」

「にゃーん!!」

「二人もお肉を食べるわ!!」

「ごぶ!」

「ごぶぶ!!」


 この後は朝から晩まで焼肉パーティーが開催され、初回特典で黒毛和牛が栽培されクイーンや、視聴者は涎を垂らした。


『もう我慢できんぞ!俺は焼肉食いに行ってくる!』

『わ、私も財布が軽くたっていいわ!』

『うまそ……』


 焼けていく肉に目が行って、頭上の木からお肉がぶら下がっている様子は気にならなかった視聴者たちであった。


[高筋肉肉類を沢山食べました。筋力が二十九増えました。]


 トモ

 レベル1

 HP:10/10(+ボーナス3)

 MP:10/10(+ボーナス55)

 筋力:3(+ボーナス29)

 魔力:10

 防御力:5

 敏捷:-100


 スキル

 ・【菜園管理】レベル3


 魔法

 ・なし


 称号

 ・【ゴブリンの友人】


 友達手帳

 ・一本角の青鬼くん

 ・二本角の黄鬼くん


 家畜

 ・ニワトリ沢山


 持ち物

 ・【お肉栽培キットEX】


 クイーン

 レベル?

 HP:910/910(+ボーナス10)

 MP:1023/1023

 筋力:833(+ボーナス1,129)

 魔力:0

 防御力:2222

 敏捷:1800


 スキル

 ・【介護補助】レベルEX

 ・【自己犠牲】レベル1

 ・【危機感知】レベル7

 ・【闘争本能】レベル2


 魔法

 ・なし


 称号

 ・【トモの守護者】

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