第3話 もうやめたい
———正直に言おう。
「異世界、舐めてたわ!! ハハはハハはハハは!!」
うん、舐め腐ってたって認める。
完膚なきまでに僅か1日でそれを思い知らされた。
全てが終わった夜。
俺は、口から魂を吐き出し、ぼーっとシャンデリアをかれこれ30分以上見つめていたのだが……何か何も面白くないのに壊れたように笑っていた。
あぁ、シャンデリア綺麗だな……粉々に砕きたい。
というか、なあにが神童だ。
そんなこと言ったゴミは何処だ、ぶっ殺してやる。
何故、俺がこれほど荒れているのか。
まず……と言うか全ての始まりはランニングだ。
ランニングって俺、てっきり1人でやるもんだと思ってたんだ。
スマホあるから時間だって測れるし。
そこに———はい、出ましたシュバルツ。
コイツのせいで俺は散々な目に合った。
『レイン様、ランニングとは、常に自分を追い込まなければなりません。そこに、甘えがあってはいけません』
『いや俺5歳、引き篭もり。ランニング久し振り』
『ですので———これからは私と一緒に走りましょうか。勿論遅れたら10分追加です』
『あ、耳が付いていらっしゃらない人種なんだ。それとも俺の声だけ遮断するフィルターでも付けてる??』
てな会話———会話? あれはもはや一方通行だったよな———があった後、いざ始まったら……あのくそジジイ、全く手加減しねぇの。
普通に走り出しやがるの。
こっち5歳やぞ?
クソジジ———テメェの10分の1以下しか生きてないんやぞ?
———誰が200メートルくらいのトラックを1分で1周出来るんだよ馬鹿が!!
頭おかしいんじゃないの!?
俺、碌に鍛えてない5歳。
シュバルツ、ドチャクソ鍛えた57歳。
ああ月とスッポン、天と地の差やね。
何ならスッポンと地が素足で逃げ出すよ。
は、何言ってんだ俺?
まぁええか。
まぁそんなことがあり……勿論開始5分も経たずに1周遅れになった。
それが永遠に続いて、結局倍くらいの時間ランニングしてた気がする。
しかもそれだけじゃなか他にも……。
「……あれ? 思い出したらイライラしてきたんだけど。あぁ、そう言えば動画をスレ民達に送らなきゃいけなかったな」
あぁそうだ。
ついでにそこで愚痴でも吐こう。
適度にイライラを解消しなかったら、いつか俺、シュバルツぶっ殺しそうだもん。
俺は取り敢えず両親にシュバルツの暴挙を余すことなく伝えることを誓い、スマホを取り出した。
104:転生者
もうやめたい
105:名無しの一般人
wwwwww
106:名無しの一般人
イッチwwwww
107:名無しの一般人
字から悲壮感が滲み出てんなww
108:名無しの一般人
短いながら、全ての感情が凝縮されてる
イッチ、文才ある?
109:名無しの一般人
>>108
あの異世界において1番いらない才能で草
110:名無しの一般人
一応訊くけど……何があったんや?ww
111:転生者
最初の筋トレまでは良かったねん
回復ポーションあるし
魔力切れも苦しいけど気絶するしまぁええねん
でも、ランニングと石避けは、あかん
あれは鬼畜の所業や
石、1個も避けれんかったなぁ……
112:名無しの一般人
wwwww
113:名無しの一般人
全部当たったのかww
114:名無しの一般人
絶対痛くて草
115:転生者
痛いなんてもんじゃない
執事……シュバルツっていうんやけど、アイツ、オーガに出会って生きて帰れるんやで?
ソイツの石、普通に死ぬ
116:名無しの一般人
オーガに対抗できるなんかほぼ一国最強並で草
117:名無しの一般人
イッチ、良く生き残ったな……
118:名無しの一般人
動画は?
119:転生者
どうぞ
https://※※※※※※※※※※※※
120:名無しの一般人
ちゃんと律儀に撮ってるの草
良い子ちゃんかよ
121:名無しの一般人
いやイッチは良い子ちゃんだろ
122:名無しの一般人
……良い子ちゃん、なのか?
123:名無しの一般人
>>122
あれ、どした?ww
124:名無しの一般人
>>122
言いたいことはよーく分かったぞ
125:名無しの一般人
うん、全然良い子ちゃんじゃないなww
寧ろ暴言ばっか吐いてるww
126:転生者
いや吐くやろ!
ワイ5歳やで!?
誰がプロ野球なんかより断然早い石を避けられるんや!!
127:名無しの一般人
wwwww
まぁイッチがキレるのも分かるww
128:名無しの一般人
あれは確かに家畜やわwwww
地球だったら普通に捕まるレベルやなww
129:名無しの一般人
てか良くイッチ生き残ってたな
ワイだったら確実に死んでるわ
130:転生者
まぁこれでもワイ、神童なんで
神の童と書いて、神童なんで
今の所全く神童の片鱗ないけど
131:名無しの一般人
自分から言うんかいwwwww
132:名無しの一般人
てかイッチ、本当に転生したんだな
133:名無しの一般人
あ、確かに
134:名無しの一般人
そう言えばそうだな
135:転生者
え?
皆んな何見てきたん??
頭おかしいんちゃいますか?
136:名無しの一般人
お、化けの皮が早速剥がれてきたな
やっぱりスレ使う奴はどうせこんな奴らばっかなんだよ!!
137:名無しの一般人
真理で草
—————————————————————————
ここまで読んで下さり、ありがとうございます。
モチベで執筆スピード変わるので、続きが読みたいと思って下さったら、是非☆☆☆とフォロー宜しくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます