第7話異世界士官候補生東京観光幕引(前編)

グロースは三度目の東京観光を満喫していた。

スカイツリーに登り

浅草を堪能

横浜にも遠出をした。

東京観光も残り後2日を切ろうとしていた。

今回は5人

グロース ウルソム サバロフ シーラ イニエチェリ

で東京観光を満喫

1週間の滞在のうち5日間無事平穏に過ごせたことを心から感謝していた。

ウルソム

「今回は何事も起こらず無事に終わりそうだね。」

サバロフ

「何せトラブルメーカー2人がいないからな。」

イニエチェリ

「マリニキさんとベルンさんですか、たしかに2人のうち

どちらかがいると必ずトラブルに巻き込まれますからね。」


グロース

「まったくだ、

だが我々にとっては迷惑な話だよ。」

と、グロースはため息をつく。

サバロフ

「ところで今日はどうするんだグロース?」

グロース

「新宿に行こうと思っている。」

ウルソム

「ほう、いいねえ、

あの活気はたまらないよ。」

イニエチェリ

「歌舞伎町って場所は治安が悪いとお聞きします。」

グロース

「大丈夫だ今回は新宿区の神楽坂って場所に向かおうと思う。」

シーラ

「神楽坂ですか?

私は聞いたことがありません。」

グロース

「マイナーな町だからな、下町情緒あふれる街だって聞く。

観光スポットではないローカルな場所なんだ。」


シーラ

「そういうのは私好みです。」

サバロフ

「いいぜ、神楽坂に案内して貰うことにするよ。」

グロース

「そうと決まれば早速出発するかの。」

5人はホテルを飛び出して神楽坂に向かった。

東京神楽坂は新旧入り乱れる下町情緒あふれる場所である。


老舗や流行を取り入れたセレクトショップなどが軒を連ねている。

そのほかにも古い風俗の残る建物が多い。

5人はこの下町情緒あふれる光景を見て大いに盛り上がった。

シーラ

「これぞジャパニーズトラディショナルの真骨頂。」

イニエチェリ

「これはいい経験ですね。

日本観光に来た甲斐がありました。」

ウルソム

「うんうん、京都にいるみたいだ。」

イニエチェリ

「たしかに京都も裏路地や細道ばかりでこのような場所であるとお聞きしました。」

グロース

「京都か次は東京ではなく京都に行ってみたいものだ。

、今度日本に来るときは堪能することにしよう。」

サバロフ

「しかしここは本当に静かだな。」

ウルソム

「そうだね、観光客がほとんどいないみたいだ。」

グロース

「異世界人や外国人が少ないってことだ。」

イニエチェリ

「地元の人しかいない感じがしますね。」

シーラ

「なんだか安心しますね。」

ウルソム

「そうだな、

この落ち着いた雰囲気はいいね。」

5人は下町の雰囲気の中神楽坂を楽しんだ。

すると前方におかしな服装をした3人の男の子を目にした。

1人は太ってやや大柄で髪は金髪

もう一人はごく普通の日本の小学生って感じの男の子

最後の一人は痩せておりぼっちゃんがりで眼鏡をかけている。

彼らはおかしな格好をしていたぶかぶかのずぼんをはき

上半身裸だがサスペンダーだけはつけている。

あまりにもおかしい格好をしていたので

グロースたちは大笑いしてしまった。


ウルソム

「あの子たち面白い格好しているねうける。」

グロース

「ウルソム、笑うなんて失礼だぞそれにしても面白。」

サバロフ

「この子たちを見ているだけでも神楽坂に来た価値があるってもんだ。」

シーラ

「ふふふ、たしかに面白い。」

イニエチェリ

「あんな服を着てるなんて変人ですよ。」

3人の男の子はこちらを見た。

すると

太った男の子が

「あんたたち、何笑っているんだよ。」

といいグロースたちに駈け寄って来た。

「おい、聞いてんのかよ!」

「あ、ああ、すまない、お前たちのおかしな服装があまりにもおかしかったもんだから

思わず笑ってしまった。」

太った男の子

「何がおかしいんだ?

俺たちの基準ではこの格好が普通だ。」

サバロフ

「前々から思っていたんだけどなんで俺たちこいつらの言葉理解できるんだ。

なんで俺たちこいつらと会話できるんだ。」

イニエチェリ

「それは私が魔法をかけているからですよ。

彼らは日本語を話していますが、魔法によって私たちにはウィラリア語に聞こえます。

私たちの話すウィラリア語は彼らには日本語に聞こえます。」

シーラ

「イニエチェリの魔法は便利だな。」


ウルソム

「確かにこれなら観光がやりやすくなりますね。」

サバロフ

「しかし魔法ってすごいね。」

グロース

「しかし俺たちはあいつらを笑ってしまったのだ、

謝らないとだめだな。」

グロースは3人に駆け寄り

「本当にすまない許してこれ」と謝罪。

太った男の子

「そういうならこのゆうきさまが許してやる。」

やせた男の子

「このじゅんさまも許してやる、まぁこのサスペンダーとズボンは俺のお父さんが買ってくれた

特注品だからな。」


ごく普通の子は恥ずかしそうに

「僕も許すよ。」

ゆうき

「俺たちは予言の戦士ごっこしているんだ、予言の戦士として東京を守りいずれ世界を守る、いまは予言の召喚士を探す場面を再現しているんだ。」

じゅん

「まぁ召喚戦士ショーリンってアニメのワンシーンなんだけどね。」

ごく普通の少年

「僕は乗り気じゃないけど二人に付き合わされて、その、」

ゆうきはごく普通の少年のあまたを小突いた

ひゅうき

「おい! おまえしゃべりすぎだぞ!!」

ごく普通の子は

「いてぇー」

と言って頭を押さえた。

ゆうき

「痛いかぁー、その程度で済むと思わなかったらな。」

ごく普通の少年

「うう、ひどいよゆうき君。」

サバロフ

「そこまでにしておけ、今度そのような真似をしたら承知しないぞ。」

イニエチェリはゆうきの手首をつかんで

「悪いことしちゃだめ。」

と言った。

ゆうきは照れながら

「わかったよ。

おい二人とも行くぞ。」

そしてゆうきと二人の少年は走り去った。

イニエチェリ

「ちょっと! どこいくのよ。」

グロース

「まぁいいじゃないか?」


サバロフ

「あいつらって何者だろう? 変な奴らだ。」

ウルソム

「そうだね。

あいつらとはもう二度と会うことはないね。」

シーラ

「そうだといいですね。」

グロース

「少なくとも運命みたいなものは感じなかったな。」

イニエチェリ

「今回の観光で出会った人の中ではとりわけ変でしたけど。」

シーラ

「そうね、運命の戦士、予言の少年言葉聞いたことがあるような。」

サバロフ

「俺も夢か何かでそんな言葉を聞いたことがあるぞ

運命の戦士を束ねる召喚士の少年が世界を救うと。」

ウルソム

「二人はこのまえ一緒に東京観光をしたみたいだね。」

シーラ

「ええそうですが。巨大パンダ退治してベルンに振り回されたこと以外は

特にこれといって何もなかったけどね。」

サバロフ

「不思議なのは予言の戦士を束ねる召喚士の少年の夢をシーラと俺が見たこと、東京観光にてそんなこと語った人なんていないし、どうしてなんだろう。」

東京の少年が召喚士となって東京を救い世界を救うと言う予言はリサがしたものであるが、彼らは謎の4人によってリサと関わったことリサの存在について忘却させられているのでリサが語った予言の話も忘れている。

イニエチェリ

「わからないけど私は何か胸騒ぎがしますよ、嫌な感じが。」

グロース

「気のせいだといいな。」

シーラ

「そうですね、気のせいだといいですけれど。」

ウルソム

「残り2日間思う存分堪能しようよ。」

イニエチェリ

「ええそうしましょうか。」

グロース

「そうだ、せっかく下町なんだから日本茶でも飲もうじゃないか。」

イニエチェリ

「ええ賛成しましょう。」

イニエチェリはカフェを探し始め

「あそこに行きましょう。」

イニエチェリは指さした。

抹茶カフェグロース

「あそこに行こうか。」

イニエチェリ

「行きましょう。」


一同は抹茶カフェが目玉のオオバンカフェ


カフェにたどり着いたグロースたちは席に腰を据えた。

カフェの店員

「いらっしゃいませ、

注文はお決まりですか?」

イニエチェリ

「抹茶カフェと神楽坂ビーフシチュー人数分ください。」

カフェの店員

「はい、抹茶カフェと神楽坂ビーフシチューでお間違いないですか?」

イニエチェリ

「お願いします。」

カフェの店員

「ではお持ちします。」

と、注文を済ました。

ウルソム

「やっぱりこういう店は落ち着くなあ。」

サバロフ

「だなー。」

シーラ

「まったくだね。」

グロース

「そういえばこの観光が終わってしばらくしたら俺たち2年生に進級だな。」

イニエチェリ

「そうなったら上級生になるのね、私たち。」

ウルソム

「なんだか感慨深いものがあるね。」

シーラ

「私も2年生になったら上級生になるのね、楽しみだわ。」

サバロフ

「上級生として後輩をコデル平原流にかわいがるとしよう。」

シーラ

「それはやめてあげて。」

カフェの外は8月真っただ中の晴天炎天下である。


カフェの店員

「抹茶カフェと神楽坂ビーフシチューをお持ちしました。

どうぞお召し上がりください。」

カフェの店員は一気に5人分の神楽坂ビーフシチューを運びテーブルに並べていく

そして全員分揃うと

「どうぞお召し上がりください。」

そう言い去って行った。


4人は神楽坂ビーフシチューをすすった。

グロース

「うまいね、これが神楽坂の伝統料理なのかね。」

イニエチェリ

「抹茶は日本の伝統料理ですがビーフシチューは日本ではなく西洋世界から来た舶来料理です。」

ウルソム

「神楽坂は面白い場所だね

抹茶とビーフシチューなんて組み合わせはないだろう。

でもそれがいいんだよね。」

サバロフ

「神楽坂に来て良かったぜ、

このビーフシチューと抹茶最高にマッチしている。」

イニエチェリ

「和洋折衷って概念だそうです。

日本人は日本のいい部分と西洋のいい部分をこうやって組み合わせて素晴らしい文化を創り上げてきました。」


グロース

「和洋折衷か

これからはウィラリアと日本文化も組み合わせた素晴らしいものが誕生するといいな。」

グロースたちが会計を済ませて店を出た矢先

近所で大火事が起きた。

白髪交じりの中年の男が金を大きく打ち鳴らす。

「大変だ!!

消防車呼んでくれ!!水をかけて鎮火させろ!!」

グロース

「どうするみんな。」

サバロフ

「助けたいよね。

でも俺たち何をしたらいいのかわからないよ。」

シーラ

「ええそうよ、とにかく火を消すのよ!!」

グロースは白髪交じりの中年男にたいして

「私たちが何とかします。」

白髪中年男

「おお、頼む!!

中には子供もいるんだ。

でも君たちどうやって」

サバロフ

「任せてください。」

ウルソム

「大船に乗ったつもりでいてください。」

中年男は

「おお、君たちありがとう。」

と、言うのだった

サバロフが大きくジャンプ、槍を取り出して扇風機のごとく大回転

サバロフ

「暴風を呼び起こせシュテルケヴィント」

槍から突風を発生させ燃え盛る民家に放つ。

突風は炎を吹き飛ばした。

中年男

「おおすごいぞ、君たちありがとう。」

と、喜んだ。

グロースも大きくジャンプ

民家の炎は鎮火、その中から一人の少女を確認した。

焼き焦げた柱や建材に囲まれ身動きが取れなくなっていた。

焦げた柱が少女に向かって倒れた

その瞬間

シーラが柱を持っていた大剣で柱を打ち砕く。

中年男

「ありがとう。」

少女

「ありがとうお姉さん。」

シーラ

「どういたしまして。」

中年男は

「君たちはどこの方だい?

見た感じウィラリアって場所から来たように見えるんだけど。」

グロース

「はい私たちはウィラリア出身です、東京には所属の士官学校から許可をもらい

観光に来ています。」

中年男

「そうだったんだね。

最近外国人以外に異世界人が増えてきていますからね。

でも助かりました。」

サバロフ

「いえいえ困った時はお互い様ですよ、

困っている人を見過ごすことなんてできないから助けるのが当然でしょう。」

少女は中年男にかけより

「ぱぱ~」と叫んで抱き付いた。

中年男

「お~よしよし無事だったか」

「うん」

少女はうなずいた。

中年男

「ありがとう君たち、お礼のしようがないよ。」

グロース

「お礼なんかいいんですよ。

困ってる人を助けるのが当たり前のことです。」

中年男

「ウィラリアから来たというかよそから来たものに言うのも失礼だけど

これだけは警告しておく。」

グロース

「警告、何のことでしょう。」

中年男

「この神楽坂は一見何の変哲もない閑静な住宅街だけど、昔から妖気の強い土地で有名だ。

ここ最近、その妖気と言う者も強烈になっているという話でいろんな怪奇現象が立て続けに起きている

今回の私の家の火事もその一つではないかと思っている。」


イニエチェリ

「妖怪でも出るんですか?」

中年男

「詳しいことはわからない、君たちも気を付けるんだよ。」

イニエチェリ

「東京があるこの世界ってウィラリアと違って魔物やそういった類の存在はいないものであると信じていました。

もしかしたらひっそりと存在しているのかもしれませんね。」

ウルソム

「それもあるしれないけど、たぶん大半はウィラリア人がひっそりとそういった現象を起こしているんじゃないかな。」



シーラ

「たしかに、エルフやホビットやドワーフなんかも東京に結構いるからな。考えられないこともない。」

中年男

「とにかく、

気を付けて帰って欲しい。」

イニエチェリ

「そうですね気を付ければいいですね。」

中年男と別れ引き続き神楽坂散歩を楽しんだグロースたち


サバロフ

「それにしても今日あった火事は不思議な火事だったね。」

グロース

「確かにそうだな。神楽坂は古い街ゆえに妖気が強烈なのかもしれない。」

工事現場を通りかかったとき

イニエチェリは急に気分を悪さと頭痛を訴えた。

「グロースさん、頭痛いそして気分もちょっと悪い。」

グロース

「どうしたんだイニエチェリ大丈夫か? 顔色が真っ青だ。」

イニエチェリ

「いえ私は大丈夫です。」

ウルソム

「僕もちょっと気分良くないな。」

サバロフ

「この工事現場にもまた妖気が漂っているか何かじゃないのかな?」

シーラ

「でもさっき中年男に言われたように、このあたりは昔から妖気が強くこういったことがたびたび起きているとしか考えられないね。」

グロースは工事現場の札をスマホで撮影して

その札の内容を翻訳した

(建設予定地、スペクタードリーム社)

イニエチェリ

「スペクタードリーム社ですか? 聞いたことありません。」

グロース

「ああ、東京にはよく知らない企業も多いからなあ。

この会社については今度調べてみることにするよ。」

シーラは工事現場を後にして

「早くこの場所を離れた方がよさそうだ。」

グロース

「そうだね。」

早々に5人は工事現場を去った。

すると前から顔見知りであろう男がこちらに向かってきた

ウルソム

「あの大柄な男性って。」

グロースは冷や汗をかいて

「間違いない、山崎宗厳だ。」

(山崎宗厳も神楽坂に来ていたのか、あいつにはスパイ疑惑があるからな

先ほどのイニエチェリの頭痛とも関係がありそうだ。)

サバロフ

「山崎宗厳って日本出身だったな里帰りか何かだろう。」

グロースは怪しまれてはいけないと思い

軽く山崎宗厳に挨拶をした

グロース

「やぁ山崎、奇遇だなそれにしても日本の夏は暑いな汗べっとりだよ。」

山崎宗厳

「グロース君、楽しそうだね、日本の夏は暑いからね、長時間炎天下に居たら熱中症で頭痛や気分の悪さを引き超すよその時は日影や室内に移動して水分補給するといいよ。」

グロースは

「わかった。覚えておくよ」

山崎宗厳は

「君たちがここにいるということはまた東京観光かい、本当に東京好きだねえ。」

グロース

「ああ今回は校長先生の計らいで夏季休暇中に特別で観光ビザやら滞在許可証を発行してもらったんだ今俺たちはこの神楽坂を散策しているところさ。」

山崎宗厳

「なるほど、じゃあ僕と一緒に同行してもいいかな。」

サバロフ

「山崎なら構わないぜ。」

ウルソム

「日本人が同行すると心強いし。」

シーラ

「渡りに舟ってとこだな、そうだろグロース。」

グロースは乗り気のしない顔で

「皆がそういうならいいけど。」

と、答えた

シーラ

「そう、なら山崎一緒にいきましょう。」

山崎宗厳

「わかった。」

こうして山崎宗厳が同行することとなった。


グロースは山崎宗厳が同行することになっても

彼に対して半信半疑の態度を取り続けていた。

グロース

(山崎宗厳に会う前に起きた火事そしてイニエチェリの頭痛、おそらく山崎が一枚かんでいるに違いない、友好的に一緒にいる間、山崎の動向1つ1つを徹底的にチェックしておかないといけないな。)


山崎宗厳はイニエチェリたちの頭痛を心配したのだろうか

山崎宗厳

「炎天下の街中に居続けては体に良くない目の前のバーに入らないか?」

サバロフ

「いいねー、賛成だ。」

サバロフは即答。

ウルソム

「僕も賛成だよ、バーなんて滅多に入れないし。」

イニエチェリ

「いいですね。バーなんて初めてです。」

グロース

「そうだな、酒は飲めないが入ると仕様。」

サバロフ

「コデル平原の民は日中でも酒を浴びるほど飲むぞ付き合えよ。」

サバロフは乗り気である。

そしてグロースたちはバーに入った。

バーにはダーツやビリヤードなどの娯楽が満載だった。

さらに珍しいことにエアホッケーが設置されている。

汗だくびっしょりだった体は室内のエアコンですっかり乾いた。

イニエチェリ

「このエアコンって便利ですね。ウィラリアでも欲しいですよ。」

山崎宗厳

「そうだね、ウィラリアってこちらほど温暖化が進んでいないからエアコン必要ないんじゃないかな。」

シーラ

「この世界の地球温暖化は深刻だと聞く、何せエネルギーやら温室効果ガスやらを輩出しすぎが原因で地球の温度が急上昇であると。」

グロース

「だがうちらも他人事ではないなウィラリアの各地で工場ができているし環境汚染も社会問題として取り上げられている最中だ。」

イニエチェリ

「わたしたちの世界の方はこっちの世界の温暖化問題を参考にしてさっそうと課題解決にとりかからないといけませんよね。」

山崎宗厳はカクテルを何杯も飲み始めた。

サバロフも負けじとカクテルを何杯もいただく

サバロフ

「山崎お前、けっこういけるほうだな。」

山崎宗厳

「生まれ故郷の鹿児島の酒の強さはこんなものじゃないこんなの砂糖水も同然だ。」

サバロフ

「俺はまだ大丈夫だが、このペースで呑んでいて大丈夫なのか。」

山崎宗厳

「平気平気、そういう君こそ大丈夫か。」

サバロフ

「コデル平原の酒に比べたら水も同然。」

サバロフはさらにカクテルを飲み続ける。


残りのメンバーはソフトドリンクを飲み続けている

イニエチェリ

「やっぱり昼間にお酒は良くないですよ。」

グロース

「まぁ最近のウィラリアは浄水やろ過技術発達して普通に水が飲めるようになったからな、

昔はみんな水を飲むようにビールを飲んでいたからな。」


ウルソム

「僕、これしたい。」

ウルソムが指さしたのはエアホッケー

シーラ

「おおなんと珍しいゲームだ山崎さん、このゲームのことについてご存じかな?」

山崎宗厳

「それはエアホッケーっていってな、2対2でボールを打ち合うスポーツなんだ、ルールは簡単

ボールが相手のゴールに入ったり相手に触れれば点数が1点加算される。

15ポイント先取で勝利となる。」

サバロフ

「面白そうなルールだな、早速やりたい。」

山崎宗厳

「これ以上説明しても何だからやりながら教えるよ。」

まず山崎宗厳VSサバロフでの勝負が行われた

サバロフは初心者ゆえボールが自分のゴールに入ってしまう

サバロフ

「くそー。」

山崎宗厳は次々に点を入れる

二人の試合を見ている間にグロースたちはエアホッケーについて次第に理解を深めた。

イニエチェリ

「シンプルなゲームですね次私がやります。」

サバロフは乾杯して悔しそうに

サバロフ

「イニエチェリ敵を取ってくれ。」といった。

イニエチェリ

「わかったわ。」

イニエチェリが山崎宗厳の前に立った

イニエチェリ

「次は私の番ね。よろしくお願いします。」

山崎宗厳

「こちらこそよろしく。」

そして試合は始まった。

山崎宗厳は開始早々からイニエチェリの攻めあぐねた

山崎宗厳

「やるな君は。」

イニエチェリ

「まだまだこれからですよ!!」

試合終盤は互角になった

しかし最後の最後でイニエチェリが勝利。

山崎宗厳

「よく頑張ったね、

いい動きだったよ。」

イニエチェリ

「ありがとうございます。

次の相手は誰ですか?」

シーラが名乗りを上げた

「私が出よう。」

シーラのVSイニエチェリ

試合開始と同時にシーラが先制

イニエチェリも応戦するがシーラは強かった

10分もしないうちに試合は終了

シーラが勝ってしまった

イニエチェリ

「参りました。」

シーラ

「楽しかったよ、ありがとう。」

グロース

(さすがはシーラだな。

2人はエアホッケーの才能あるかも。)

シーラはグロースを指さし

「次の相手はお主だグロース。」

グロースは

「了解、やってやるさ。」

2人の試合が始まろうとしたとき

山崎宗厳は酔っ払い具合を訴え始めた。

山崎宗厳

「ごめんグロース君、今日のところは勘弁してくれ

僕はちょっと体調が優れないようだ。」


グロース

「山崎大丈夫か、送ってあげようか?」

(酒に強いって言っていたのに怪しい、俺が探っているの気付かれたか?)

山崎宗厳

「すまないねえ、みんなありがとう。でもいいよ」

といって山崎はバーを出てみんなの前から立ち去った。

グロース

(あやしいなつけてみよう。)

シーラ

「そういえば本日、神楽坂で神楽坂心霊祭って祭が開催されるそうだよ。」

イニエチェリ

「幽霊とかお化けが出るとか。」

ウルソム

「興味あるね。」

サバロフ

「おそらく鎮魂祭や慰霊祭みたいなものだろう興味あるな。」

イニエチェリ

「行く価値ありそうですね早速行ってみましょう。」

ウルソム

「東京最後の夜だしね、最高の締めくくりになりそうだ。」

グロース

(山崎を追跡してあいつを問い詰めなければ!!)

シーラは

「まずは神楽坂の祭りの場所について検索するとしよう。」

と、言ってスマホを取り出した

シーラ

「場所はここから徒歩で数分だそうだ。」

一同は神楽坂駅前の祭り会場へと向かった。

途中とある人物と出会った

show tubeで超有名、カリスマ的人物である

シーラ

「あれってもしかしてシンキンじゃ。」

サバロフ

「シンキンってのは分からないけど。」

イニエチェリ

「本当だシンキンさんだ。」

サングラスをかけて笑みを浮かべている。

ボイパが得意の日本屈指のshowtuberである。

ショーチューブで動画配信を行っている。

ゲストか招待されたかはわからないがどうやら祭に参加していることは確かだ

さらにスカイピースを目撃。

イニエチェリ

「ほかにも日本で屈指の有名showtuberや芸能人がたくさん参加していますよ。」

強面で190センチほどのガタイの言い大男の初老の男がグロースたちとすれちがった。

イニエチェリ

「あの人、すごいこわい感じがしました。」

サバロフ

「この辺一帯を取り仕切っているヤクザか何かじゃないかな。」

ウルソム

「たぶんそのはず。」

シーラは

「とにかく祭を楽しもう。」

祭り会場はたくさんの屋台やゲーム機などがひしめいていた

イニエチェリは

「すごいですね、ゲームとか食べ物とか色々あります。」

シーラは

「とりあえずゲームを体験したい。」

シーラは射的場を指さした。

射的場では銃ではなくて迎撃ミサイルをもって景品を撃つ仕組みだそうだ。

シーラは1000円を払ってミサイルを手にとり、景品めがけて発射した。

シーラの放ったミサイルは景品の箱に命中した。

的屋

「はいお嬢さん、景品のゾンビ人形。」

シーラ

「ありがとう。」

サバロフ

「シーラ腕良いな。よい狙撃手になれるのでは。」

シーラ

「射撃なぞ剣術のサポートにすぎぬ、私は今後剣一筋で生きていくおつもりだ。

余計なお世辞はいらぬ。」

ウルソム

「シーラって相変わらずお堅いね、それよりもこれしようよ。」

ウルソムが指さしたのはもぐらたたき

ちと違うゾンビ叩きである。

ウルソム

「僕はこっちのゾンビを叩きたいです。」

グロース

「俺もやってみようかな。」

サバロフ

「ゾンビを叩きまくろうぜ。」

イニエチェリ

「あたしもやってみたいです。」

みんな順番順番でゾンビ叩きを思う存分堪能した。


ゾンビを叩く度に緑色の臭い汁液体飛び散ったりして不快な思いもした。

ウルソム

「この祭り、どことなくホラー要素が強いね。」

イニエチェリ

「グロースさんも山崎さんのこと気にしていましたよね。」

グロース

「気になるのは仕方ないさ、だっていきなり帰るっていいだすんだから。」

(山崎のことを探さないとさっきみたいな事件がまた起こりそうだ。)

シーラ

「グロース君、そんなに気にすることはあるまい

祭を存分に楽しもう。」

グロース

(みんな俺の考えを分かっているのだろうか。)

と、考えていると

グロース

(山崎を追跡したほうがいい。)

シーラ

「グロース君、何か言いたいことがあるのか?」

グロース

「やっぱり山崎のことが気になる、ちょっと探してくる。」

グロースは山崎を追跡するために山崎が去っていた方へと向かった。

グロースはお面の屋台と盆栽の屋台と見て

グロース

(たしか、カーダシアン教授、お面が欲しいって言っていたな。

美少女アニメのお面が特にほしいとかほしくないとか、それにフギン先輩は盆栽を初めて、豆の木を植えたようだけど、どうもしっくりこないって言っていたな、本物の盆栽一度見てみたいって言ってたな。

今は二人のことを考えている余裕ないや山崎を探さないと。)

シーラ

「山崎と一緒になって何をしようとしているのだろうかまぁいいや

今はとりあえず祭を楽しむとしよう。」

毎年恒例のケーキ投げ大会が始まった

パイ投げ大会のケーキ版である

ケーキをひたすら顔に投げ合うエンターテイメントである。

シーラたちはこの行事に参加した。

シーラはもちろん、他の4人も参加

シーラは顔面キャッチしまくった。

ケーキまみれになるシーラ

サバロフ

「さすがだなシーラ、俺も負けてらんないぜ。」

サバロフは顔面キャッチに励む

サバロフ

「くらえシーラ。」

シーラ以外、多くのギャラリーが思う存分にケーキ投げを堪能する

見回してみるとドワーフやエルフや異世界人や外国人も混じっている。

妖怪も混じっているという噂もちらほら聞く。

パプアニューギニアのマッドマンの仮面を被ったグループがシーラ達の死角をついてケーキを投げつけた。

シーラはもうすでにケーキまみれ

マッドマンを確認するや否やケーキで反撃。

マッドマンも返り討ちに

マッドマン

「ぎゃーー。」

マッドマンは顔面に大量のケーキをぶつけられた。

シーラ

「なんだかおかしな雰囲気な祭りだよ、でも最後の夜最高にいい思い出ができた。」

イニエチェリ

「来年度もまた行きたいですね。」

ウルソム

「絶対に行こう絶対に。」

皆一堂に大笑いしている。

グロースは彼らから離れて、ひたすら山崎を探りに探っていた

グロース

(山崎なかなか見当たらないな、おかしいな。)

周りの参加者はコスプレしているものが少なくなかった、猫妖怪やら妖狐や吸血鬼など様々なコスプレをしていた。こうなると本当の妖怪か妖怪の仮装なのか見分けがつかない。

場内はそれだけ混沌としていた。

とその時、ある1人の仮面の男がグロースの前に立ちはだかった。

ジェイソンの仮面をしている

ジェイソン仮面

「グロース君、どうしたんだい?

祭りを楽しんでいるのか?」

グロースは嫌な感じがした。

「今、人を探している最中だ。」

ジェイソン仮面

「どんな人かな?僕も一緒に探すよ。」

グロースは

「別にいいよ。一人で探すよ。」

(山崎がスパイであることは捕縛しない限り誰にも言えない。)

ジェイソン仮面

「僕は君を助けたいんだよ、協力したいんだ、君を救いたいんだ。

心の底から助けたいそう思っている愛しているだよ。」

グロース

(何だこいつ気持ち悪いな適当に振り切ってさっさと山崎を探そう。)

グロース

「悪いが、遠慮しておこう。」

ジェイソン仮面

「そうかい、失礼したな私も立ち去るとしよう。」

ジェイソン仮面

「それと一言だけ言っておく。」


ジェイソン仮面

「あまりビスリルの学生や教師陣を疑ったりしない方がいい

君がそうしたところで事態は何も変わらないよ。」

と、言ってジェイソン仮面は立ち去った。

グロース

(もしかしてあいつ山崎なんじゃ。)

グロース

「おい待てお前、山....」

ジェイソン仮面はいつの間にか消え去っていた

グロース

「あと一歩だったのに残念無念だ。」

グロース

は山崎のことを捜索し続ける

(山崎はこの中にいるはずなんだ。)

と、思っていたそのとき後ろから数人の男女が

グロース

「誰だ!」

グロースは驚いた、そこにはあまりにもおぞましい姿が映し出されていた。

ケーキにまみれ珍奇な顔をしたシーラ達である。

シーラ

「グロース探したぞ、みんなとはぐれて何をしていた。」

サバロフ

「今日のグロースおかしいぞ、山崎と出会ってからずっとだ、この際、何があったか話してもらおう。」

ウルソム

「僕たちの絆を信じられないの。」

イニエチェリ

「お願いしますグロースさん。」

グロースは必死で笑いをこらえ珍奇な顔をした彼らに自分の胸中を語った。

グロース

「実は、ビスリルにスパイがいるって話をこの前、アイルさんって女性捜査官から聞いたんだ。」

ウルソム

「アイルさんってこの前、ゴメス達を逮捕した女性捜査官だね。」


グロースは

「山崎に東京の話などをするときあいついつも俯いたりするんだよな。」

サバロフ

「それってただ単に 内気なだけだろ日本人ならよくあることだ。」


シーラ

「それに山崎はバース王国と日本の友好交換留学生、おそらくスパイであるとは考えにくい。」

ウルソム

「山崎君は友達だよ、おそらく他の誰かがスパイだと思う。」

グロース

「そう思いたい、だがさっきジェイソンの仮面をした男が話しかけてきたんだ。」

サバロフとシーラは驚いた

シーラ

「ジェイソンの仮面?」

サバロフ

「もしかして4人いなかったか。」

グロース

「1人だけだったよ、君を救いたい愛しているってわけわからないことを言ってきた。」

サバロフ

「ジェイソンの仮面の正体を知っているぞ。」

シーラ

「私もだ。」

サバロフとシーラ達は前回の東京観光で起きた事件そしてジェイソン仮面の面々と会った時のことをありのまま話した。

グロース

「残りの1人の正体が不明ってか。」

サバロフ

「そうなると残りの一人が

山崎の可能性が高いと思う、あいつは明らかに怪しいぞ。」

イニエチェリ

「サバロフさん、それは無いんじゃないかと。

でも協商連合傘下、フレック公国はたしか日本人が数多く移住している場所。、

協商連合に協力的な日本人も多いのは確かです。」

シーラ

「手分けして探した方がいいな

ジェイソン仮面の男を目撃したというなら私たちも放っておけない。」

ウルソム

「手分けして探した方が効率いいし手間も省けるし。」

イニエチェリ

「私も賛成します。」


5人は各方面に散らばり山崎を探すことにした。

5分後、シーラはジェイソン仮面の男を見つけたと思ったが

ジェイソン仮面の男は人陰に隠れたのですぐに見失った。

とその瞬間、大きな爆発音がした。

シーラ

(なんだあれは。)

近くの病因が爆発炎上していた。

シーラ

「何があったのだ。」

と、あたりを見回す

シーラ

「火事だーーー!!」

手分けしていや山崎を探してた残りのメンバーがシーラの元に駈け寄って来た

グロース

「病院が爆発した、山崎をもっと早く発見していればそうはならなかったのに。」

ウルソム

「残念極まりないよ。

どうする、警察を呼ぶか?」

サバロフ

「警察呼んだところで、警察があの連中を取り押さえることができるとは到底思えない。」

グロース

「警察はあてにならないけどアイルさんなら当てになるんじゃ。」

ウルソム

「この前の女子捜査官だね、さっそく連絡って連絡先知ってるの?」

グロース

「しまった連絡先聞いておけばよかった。」

サバロフ

「それにあれだけ派手に爆発が起きたら警察は病院に駆けつけるはず

病因の爆発などの原因は彼らに任せて俺たちは山崎を探すと仕様。」

ウルソム

「そうだね、あれ。」

ウルソムは異変に気付いた

ウルソム

「イニエチェリがいないけどどうしたんだろう?」

サバロフ

「きっとまだ山崎を探している最中でどこか近くにいるはず。」

パトカーのサイレンが鳴り響いた。

爆発現場に急行しているのだろう。


4手に分かれて捜査を開始した、

しばらくすると

急に坊主のコスプレをした男がグロースに襲い掛かって来た。

彼だけではないサーベルタイガーの仮装をした何者かまた襲い掛かって来た。

サーベルタイガーコスプレ野郎は爪をむき出しにして

グロースめがけて爪の一撃

「覚悟しろグロース。」

グロースはとっさにサバロフを守った。

サバロフの左手からは血が流れている。

グロース

「サバロフ大丈夫か!!」

サバロフ

「大丈夫大丈夫。

それよりあいつらをやっつけようぜ。」

グロースは剣をもってサーベルタイガーに応戦

サバロフも同時に援護に応じるが

僧侶に呪術をかけられ動こうにも動けない

僧侶

「君の相手は私ですよといってももうじき殺しますけどね。」

グロース

(念仏系の呪術だな、サーベルタイガーを倒して救助に向かわないと。)

とはいってもサーベルタイガーの力はほぼグロースと互角

サーベルタイガー

「名門ビスリルの士官学校候補生といって期待はしたけどこの程度の実力とは残念だ。」

グロースはサーベルタイガーめがけて斬撃

サーベルタイガーは剣で防御した

サーベルタイガー

「甘いですよグロース君、この程度の実力で私を倒せるわけがないでしょう。」

グロース

(くそーあいつ強いぞ。)

グロースは閃いた

「これだ。」

グロースはサーベルタイガーの攻撃に抵抗して打ち返すのではなくサーベルタイガーの斬撃に沿うかのように

攻撃を繰り広げた

グロース

「相手の流れに逆らわずに流れに沿って攻撃防御。」

サーベルタイガー

「これはまずい、やりづらい。」

グロースはサーベルタイガーの爪を打ち払いサーベルタイガーに剣劇を浴びせた。

サーベルタイガー

「ぎゃーーーー。」

サーベルタイガーはそのまま倒れた。

サバロフ

「グロースのおかげで俺も開眼した。」

僧侶

「開眼なんてもの数年、数十年の修行を経てするもの1年程度士官学校に通った程度でできるものでない。

そろそろ死ね。」

僧侶が脇差を手にしてサバロフを突き刺そうとした

僧侶は驚いた

僧侶

「これは」

サバロフはナイフを間一髪のところでかわした。

さらにサバロフの足元を見ると

サバロフの脚が動いている。

僧侶

(なぜ動けるのか)

僧侶は疑問に思うも

僧侶は呪文を唱えた。

しかしサバロフの動きは止められない。

サバロフ

「お前はさっき人の動きたいと言う意思、したいという意思、欲求などを束縛するとなえていたんだ。動きたいと言う意思がつよければつよいほどお前の呪文は効果抜群、動かなくていいや、動けなくていいやって思う

体を無意識に委ねたらいいってわけだ。」

僧侶

「馬鹿な、馬鹿な、そんなことが。」

サバロフ

「だいたい無意識や本能は危険にさらされたら自動的に防衛本能が働くんだぜ。」

僧侶はさきほどの呪文を唱えた

「納得いかない。」

しかしサバロフは平気

サバロフ

「無意識や本能は目の前の敵が殺そうとしたときにな」

といいサバロフは槍を僧侶に思いっきり突き刺した。

僧侶

「ぐは。」

僧侶はうつぶせになって倒れた

僧侶とサーベルタイガーを同時に倒した瞬間、拍手がなりひびいた。

グロースたちはあたりを見渡すと

多くのギャラリーが取り囲んでいた

ギャラリー

「それにしても面白いショーだったよ。」

ギャラリー

「こんな迫力のある演舞みたことない。」

ギャラリー

「ああ、本当にすごい今年の祭参加して本当に良かった。」


グロース

(真剣勝負をショーだと勘違いしているこれまた幸運。)

サバロフ

(みんな祭のイベントだと勘違いしているな。)


一方シーラもまた刺客に襲われていた。

グリフォンの仮面を被った男に絡まれている

グリフォン仮面

「わが名はホマ、お前にはここで死んでもらう。」

シーラ

「ジェイソン仮面の手の物だな今は死ぬわけにはいかないんでな

先を急がせてもらうよ。」

ホマ

「お前に恨みはないが仕事なんでな、悪いがここで死ね。」

シーラは剣を構え

ホマに斬りかかった

しかしホマは素早い動きでシーラの攻撃をかわした。

シーラ

「速い。」ホマ

「士官候補生風情が我のスピードについてこれるわけなかろう

終わりだ。」

と、言った瞬間シーラはその場から消えた。

シーラはグリフォン仮面の背後に回っており

グリフォン仮面のするどい拳をシーラの背面に浴びせた。

シーラ

「なかなかやるな。」

シーラは再度、ホマに剣撃を浴びせるが

ホマは難なくかわす

シーラ

「やみくもに攻めてもだめだ。」

シーラは剣を天に掲げた。


ホマは大笑いして

「何だ降参のポーズか?」

シーラは

「降参じゃない、これは剣撃の一種だ

天に祈りを捧げることで神から力を与えられる。」

と、言うや否や天に掲げていた剣を地面につけた。

シーラ

「ロプノール家奥義一式ラムセッシュレス」

シーラは剣は辺り一面にまばゆいほどに光輝いた

ホマは目がくらんだ。

「まぶしい。」

シーラ

「チャンス。」

シーラは剣を大きく大回転させた。

シーラ

「ロプノール家奥義二式ラムトルナード」

シーラの剣がホマの胴体に命中

ホマはそのまま倒れ込んだ。

シーラ

「手の内2個も見せてしまった。」

一方ウルソムは雪男と戦っていた。

ウルソム

「真夏に雪男、ちょっとありがたいかも。」

雪男

「わが名はゲシュテバ、ここがお前の終焉の地だ。」

ウルソム

「ウィラリアに帰ったら進級控えているから遠慮しとくよ。」

雪男

「何を言っているかわからん、だがここでお前を殺す。」

ウルソム

「中二病的な発言をしている君に言われたくないよ。」

と、いうと雪男がいきなり襲いかかって来た。

ウルソムは突進してきたゲシュテバの体をキャッチ

さらに互いの手と手を組み合い、力比べ状態となる。


ウルソム

「意外と力持ちなんだな。

でも僕だってパワーはあるんだぜ。」

ゲシュテバ

「そういうお前は非力だな。」

ゲシュテバのほうが力が上なのかウルソムはどんどん押されていく。

ゲシュテバ

「そろそろ終わらせてやるぜ。」

ウルソムは

「まだだ、まだ終わってはいない。」

ウルソムはなんとか踏ん張り何とか踏ん張る

ゲシュテバ

(なんだこいつは。)

と、思っているといきなりゲシュテバが投げられた。

ウルソムはゲシュテバの力を利用、

柔らの力で投げつけたのである。

ゲシュテバ

「なにっ!?」

ウルソムはさらに畳み掛けるべく、

ゲシュテバめがけて飛び蹴りをかまそうとしたが、

ゲシュテバにキャッチされた

ゲシュテバ

(この俺が人間ごときに投げられるなんて、信じられん。)

ゲシュテバはお返しにとウルソムの足首をつかんだまま、

ウルソムを持ち上げ地面にたたきつけた。

ウルソム

「ぐはっ。」

ウルソムは吐血

ゲシュテバは倒れたウルソムにとどめを刺そうとする

ゲシュテバの口から吹雪が吐き出された

ウルソム

「冷たい、臭い。」

ウルソムの体は一部、凍っている。

ゲシュテバ

「これでおしまいだ。」

ゲシュテバは臭く冷たい息を再度、吐き出した。

ゲシュテバ

「俺に逆らったらどうなるかがわかっただろ。」

しかしウルソムは凍結されていなかった。

ウルソムは来ていたシャツを脱いで盾にしていたのである。

シャツはゲシュテバの吹雪の息で硬く凍り付いていた。

ウルソム

「さてと次は僕からの番かな。」

ウルソムは凍結したシャツを凶器として活用

シャツの板状の刃と化していた。

ウルソムはシャツでゲシュテバに切りつけた。

ウルソム

「必殺ディアブロシュレッダー(魔物の千切り)」


ゲシュテバ

「ぎゃーーー。」

ゲシュテバは体を切られ倒れてしまい、

血を流してそのまま倒れた。

ウルソムは

「やれやれ、何とか勝てたけど服が無いな。」


4人とも刺客をかたずけたようだ。

祭の会場の中央に設置されたライブ会場

ただいまシンキンがボイパを演じている。

グロースたちの大立ち回りよりも観客はシンキンのボイパに注目。

グロース

「思ったよりも目立たなくてよかった。さあ捜索開始。」

と思うや否や着信音

謎の声

「やぁグロース君、派手にやっちゃてるね、もしかして僕のこと探してるのかな?」

電話の主は声を変えているようだ。

グロース

「お前は山崎だなどこにいる。」

謎の声

「山崎であるかどうかは確かめればよい、それとイニエチェリの行方も知りたいだろ。」

グロース

「お前もしかしてイニエチェリを拉致したのか?」

謎の声

「拉致とは人聞きが悪い、任意同行してもらったまでだ、もし彼女の身の上が心配であるなら地図を送るからそこまで来たまえでは。」

グロース

「待て、話はまだ終わっていない。」

(くそー山崎、これ以上野放しにしたら被害甚大。)


スマホのメッセージには謎の声の人物の所在が描かれた地図が添付されていた。

グロース

(ナビで示された場所、かなり山奥だな。)

場所は軽井沢、浅間山をさしていた。

時刻は23時を回っていた。


サバロフ

「あの山崎って男かなりやばいんじゃないかって思ってきたんだけど。」

シーラ

「確かに山崎にまつわる事案がすべて犯罪性帯びてきているな。」

ウルソム

「まさかとは思うけど爆発事件や誘拐事件まで起きるとは。」

グロース

「とにかく軽井沢に向かう。」

しかしスムーズに事はすすむはずもなく隙を見たのだろうか刺客第二波がグロースたちを取り囲む

刺客の数は10数人ほどいる。

相変わらず騎士やおばけや妖怪、魔物の仮装をしている。

刺客A

「グロースたちよ、簡単にそこまで行けると思うなよ。」

刺客B

「先ほどの相手は前座、強さも数も俺たちの方が上。」

刺客C

「どうせお前たちはここで倒れることになる。」

刺客D

「明日の朝日を拝むことは諦めな。」

刺客E

「闇と共に沈め。」


グロース

「さすがに10人以上を相手にするのはきついよな。」

サバロフ

「先ほどの相手でもあの強さ、そんな相手が10人以上、これはちとやばいな。」


その時である、グロースやサバロフたちにとってよく知る顔が勢ぞろい

刺客の背後にはドワーフたちがいた。

グロース

「ドワーフたちどうしてここに。」

火のドワーフ

「グロース君、奇遇だね我々も祭りを見に来ていたのだが、その最中に君たちの危機を察した。」

風のドワーフ

「神楽坂祭には毎年参加することになっているんだ、有名showtuberとかいるし他の縁日にはないパフォーマンスや楽しいイベント多いしここは異世界人も外国人も関係なく参加できる。それに祭に喧嘩は付きものだって聞くしもういうことなしだ。」

土のドワーフ

「助太刀いたす。」

刺客F

「助っ人が5人増えただけで戦局が有利になると思うな。」

ウルソム

「あれって」

シーラ

「そうだな彼らは。」

刺客たちの後ろにはカウギとダックマンがいた。

カウギ

「グロースたち、助けに来たぜ。」

ダックマン

「手伝わせていただきます。」

カウギ

「無料でやらせてもらうぜ。」

ダックマン

(この人、無償奉仕アピールしてやがる。)

カウギ

「腕が鳴るね、サバロフ、コデル平原の相撲コンビネーション炸裂させたいね。」

刺客G

「まだまだ我々の方が優勢、いきがるなよ。」

サバロフ

「あれってベルンを振り回した女。」

シーラ

「あの人は女じゃないでしょ。」

浴衣を着た大柄女性がいた

テイラー

「久しぶり、今までの贖罪のため、戦わせてもらうわ。」

サバロフ

「まぁ助っ人は多い方がいいと聞くありがとう。」

テイラー

「そっけないお礼、まぁいいわ。」


バイクが会場内に入って来た

グロースは驚いた

バース王国特別捜査隊のアイルが赴いてきたのである

アイル

「久しぶりだなグロース、ややこしいことになっているな。」

グロース

「アイルさん、もしかして今回の事件の捜査と調査のためにここに?」

アイル

「神楽坂での病院の爆発、ウィラリア人が絡んでいると察知してな、するとどうだ

お前たちがいるかぎり私の読みは的中した。」

グロース

「実はイニエチェリが拉致されました。」

グロースはスマホの地図を見せた。

アイル

「これは浅間山。」

グロース

「どうかしたのですか?」

アイル

「50年ぐらい前、ここで立てこもり事件が起きた。」

グロース

「何ですって。」

アイル

「あさま山荘立てこもり事件、おそましい事件があってな。

犯人がここに立てこもっているとなるとちょっと難儀だとグロース君。」

グロースは

「ええ、そうみたいです。」

アイル

「私からも協力させて貰うよ。」

アイルは無理やりグロースをバイクの後ろ座席に乗せた。

アイル

「私の両肩以外に触れるな

他の部分に触れたらわいせつ罪で即逮捕だ。」


グロース

「アイルさん、僕を信じてください。」

アイルの運転するバイクは猛スピードで発射した。

グロースはあまりにも早いがため

つかまっているのがやっとだ。


グロースは

「アイルさん、そんなに早く飛ばすと転びます。」

アイル

「がまんしろ。」

グロース

「でもこんなにとばしたら何かのはずみが起きたりしたら肩以外の部分触るかもしれませんよ。わいせつ罪いやですよ。」

アイル

「それは困るな。」

アイルはスピードをちょっとだけちょっとだけ落とした。

一方、サバロフたちはそのまま残り刺客たちの相手

ドワーフやカウギやダックマン、テイラーの力を借りてはいるが

人数的に不利、戦力としても刺客側に軍配があがる。


刺客

「どうしたどうしましたか?

先ほどまでの威勢はどこに消えた?」

刺客たちは次々とおそいかかる。

サバロフ

「みんなの力を借りても勝利は難しいな。」

シーラ

「最後まであきらめるな全力で戦い抜くぞ。」


「そうですぜ。」


大立ち回りをするサバロフと刺客たちの前に現れたのは

この辺一帯を取り仕切る尾下組の組長の尾下豪太郎、その人であった。

尾下豪太郎は羽織を脱いで半裸で袴の姿になった

尾下豪太郎

「あっしらも助太刀いたしやす。ウィラリア人の皆さま。」

尾下豪太郎の後ろから子分らしきものがうじゃうじゃ湧いてきた。

20人か30人ほどいる。

サバロフ

「あなた、いったい何者ですか。」

尾下豪太郎

「尾下豪太郎と申します。このあたりを差配しております。」

サバロフ

(ヤクザの人か。)

尾下豪太郎

「あっしもこの祭り好きでして

いつも毎年、興行と警備などを担っていましてな、騒ぎときたので

駆けつけてきた次第でして。」

サバロフ

「なるほど。」

尾下豪太郎

「それでは皆様、お手伝いいたしましょうか?」

サバロフ

「よろしくお願いします。」

刺客たち

「いくら援軍が入ったところで

我らが負けるわけがなかろう。」

尾下豪太郎

「うちの子分は人間じゃない種族もいますぜそう簡単に倒せますかね。」

シーラ

「神楽坂やはり妖怪の巣窟だったか。」

尾下豪太郎

「そこのお嬢さんなにか言いましたかな?」

シーラ

「いいえあなたがたの助太刀ありがたいと存じております。」

尾下豪太郎と部下たちの加勢に寄り刺客たちは次々に倒れて行った。

ウルソム

「助かった本当に助かった。」

ライブ会場ではシンキンがこちらの大立ち回りを機転を利かして実況

シンキン

「ボンボンブンブンチャッチャ、今神楽坂新名物、仮装大立ち回りが実演中、

皆さま、目に焼き付けてください。」


「おおー」

「やっぱりこの祭り、毎年盛り上がる。」

「うん、そうだね」

「僕もこの祭り毎年見に来るようにするよ。」

「いい思い出になりそうだよ。」

「まるで本当の喧嘩を見ているようだ。」

当然、サバロフたちは本当の死闘をしている。

大立ち回りが佳境を迎える頃、時刻は0時を回ろうとしていた。


一方グロースたちは浅間山に向かっている。

時刻は午前2時近くになろうとしていた。

真っ暗闇の中

アイル

「もうすぐ到着するよ。」

アイルたちは無事に目的地へついた。

グローススマホを取り出し

「ナビの地点と重なっている。」

あたり一面、山景色、軽井沢の別荘地からかなり離れた場所らしい。

アイル

「ここが例の場所。」

建物はどうやら今は使われていない、コンクリートで建てられたところを見ると

何かの施設だろう。

アイル

「どうやらこの建物の中に犯人がいるらしい。」

グロース

「わかりました。」

アイル

「一応、私も警察だから言っておくが

イニエチェリがを誘拐した犯人はゴメス一派以上に危険な存在だろう。」

グロース

「わかってます。」

アイル

「ならいい。」

2人は建物の中に入った

中は埃っぽいが明かりをつけ

2人は奥に進んでいく

アイル

「おかしい、誰もいない。」

グロース

「確かに誰もいませんね、

まさか罠でしょうか。」

アイル

「その可能性も高い、しかし案ずるな地元の警察と機動隊には

連絡は入れておいた。」

アイル

「とにかく奥に行こう、

おそらくこの奥にイニエチェリがいるはず。」

アイルとグロースは建物の中を探索していった。

しばらく歩いた先

アイル

「この先から音が聞こえるな、グロース君、たのみがある。

もし犯人の間に入る時、君一人だけで入ってくれないか?」

グロース

「どうしてですか?」

アイル

「私は特別捜査隊そして警察の関係者

犯人を刺激する可能性がある。

しかし何かあったときのため君たちを守れる場所には待機する。」

グロースはうなずいた

2人は音を立てないように進んで行く。

アイルはあるものに目が留まった

アイル

「これは」

そこには1ねん1くみとかかれた表札があった。

アイル

「どうやらここは廃校のようだな。」

グロース

「廃校?」

アイル

「日本では限界集落問題が深刻化しており過疎化が進んだ地域は廃校問題が発生している。

このあたりも過疎化の波にさらされているらしいな。」

グロース

「過疎化ですか僕も少し日本について勉強したことがあります。

日本は少子高齢化に悩まされている国であることを。」


アイル

「そうだ、日本の人口減少は深刻でそれに伴う国力低下が問題視されている。

よって日本人の多くは日本の将来に悲観的なのさ。」


グロース

「そうでしたか、山崎宗厳もまた日本の将来に憂いて今回の大惨事を起こしたのかもしれませんね。」

アイル

「おそらくそうなんだろうね。

あさま山荘事件の首謀者も国を憂う気持ちで事件を起こしたからね。

山崎宗厳も鬱屈した気持ちがあったのだろう。」


2人は建物の奥へと進んだ。

音楽倉庫か音楽室を操作

そこには楽器が林立する部屋にはイニエチェリと2人の男を確認した

イニエチェリは鎖で両手を拘束されている。

ジェイソン仮面とフードを被った男がいた

彼らはまだこちらに気付いていない。

アイル

「犯人と人質を確認した、ここから先はお前ひとりで行け。」

グロース

「わかりました。」


グロースは一人音楽室の前に入る。

グロース

「グロースが、イニエチェリを返してもらうためお前たちの言う通りここまでやってきた。」

ジェイソン仮面

「さすがグロース君、君は本当に誠実だここまで来てくれると思ったよ。」

フードの男

「ひさしぶりだなグロース君。」

グロース

「あなたは確か?」

フードの男

「挨拶は後だ。

君は士官学校でずっと、探していたんだろ。」

ジェイソン仮面

「今回の神楽坂の病因の爆破、ビスリル士官学校で諜報活動に関わったのは俺だけどね。」

ジェイソン仮面は仮面を脱いだ

そこにはグロースがよく知る顔があった。







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