第5話異世界士官候補生、東京観光迷走劇(前編)

グロースは東京からこちらの世界に帰った直後、アルキヌス教頭に東京で得た協商連合が現在進行形で行っている計画について報告した。

グロース

「以上報告したことが僕が現地で得た協商連合の情報と計画です。」

アルキヌス教頭

「お役目ご苦労、でもね、内容が抽象て過ぎるのだよ抽象的、もっと具体的な内容じゃないとこっちも円滑に動けない。報告するなら報告するもっとこちらが知りたい情報を報告なさい。」

グロース

「僕たちが得た情報はこれぐらいで。」

アルキヌス教頭

「あなたがたが得た情報はもうすでにバース王国の中枢部では周知の事実、もっと具体的で正確な情報がないと我々も動けないのです。それにこんな情報、諸国でもすでに既知の内容。」

グロースは報告することによって一種のストロークを求めていた。

しかし皮肉と嫌味の連続。

続けてアルキヌス教頭は

「あなたがたは滞在期間1週間のうち初日と二日目だけ奮闘していますが、残りの期間は観光三昧じゃないですか。これではただの物見雄山そのものじゃないですか、あ~あ実に公費がもったいない。」

この言葉はグロースの神経を逆撫でし、激怒させるのに十分だった。

グロースは内心

(このクソジジイ!いい加減にしろ!!

おれ達がどんな思いで死闘を繰り広げたと思っているんだ。)

アルキヌス教頭

「あなたがたが苦戦した協商連合のごろつき、ビスリル士官学校の生徒に例えたらだいたい2年生の平均男性士官レベルってとこですね。努力賞物ですね。」

その言葉を聞いたグロース達は激怒し今にもアルキヌス教頭を殴り付けそうな表情をした。

アルキヌス教頭の嫌味は続く

「そんなあなた達だから、不鮮明であいまいな報告しかできない。

今度からは具体的に、そして詳細にご報告下さいね。」

突然、大柄な初老で頭がピカピカの屈強そうな男が二人の前に現れた

「アルキヌス教頭、言いたいことを言うのはそこまでにしたまえ。」

大柄で筋肉質の体格のせいか非常に威圧感のある声質でしゃべった。

そうビスリル士官学校校長ブラズニル.ビスリルである。

ブラズニル校長

「グロース殿、今回の任務ご苦労様。」

グロース

「いえ、お褒めいただき光栄です。」

ブラズニル校長

「今回の任務、実戦さながらの死闘の連続、そこで得た男女によるチームワーク

とてもとても素晴らしい、十分すぎるほどの素晴らしい成果、素晴らしい。」

アルキヌス教頭とは違い、士官候補生のグロースをほめたたえる。

続いてブラズニル校長はアルキヌス教頭の横に行きアルキヌスを睨み付ける。

ブラズニル校長はそのまま立ち去った。

立ち去り際に

「悪くないものだな男女によるチームワーク、また今後、こういった企画があれば何なりと申すがよい。」

ブラズニル校長からこの一言が聞けただけでも、グロースは今回の任務を十分に達成したといえる。

アルキヌス教頭

「グロース君、君もこれ以上ここに用はないはずだすぐに立ち去り給え。」

グロースは内心怒りに打ち震え

(こいつ絶対に倒す)

その想いが胸に刻まれる。

グロース達が部屋から出る時に、グロースは最後に

「アルキヌス教頭、今後ともよろしくお願いします。」

そう言って立ち去った。

外ではウルソムとサバロフとコナンとベルンが待機していた。

グロースは

「みんなお待たせ」

と声をかける。

コナン

「どうだった?」

グロース

「教頭は最悪だ、予想通りの嫌味を言われたよ。」

サバロフ

「そうかい、あのジジイが嫌味を言いまくったんだろう、君たちは頑張ったんだしそれでいいじゃないか。」

コナン

「それよりこれからどうする?」

ウルソム

「そうだね、とりあえずは寮に戻ろうか。」


グロース達は、寮に戻った。

寮に戻る途中シーラとフリッピーと鉢合わせた。

シーラは

「あなた達よく頑張ったわね、教頭に嫌味言われたんでしょ。」

フリッピー

「ウルソムとグロースよく頑張ったマリニキのおもりもしてくれたし。」

グロース

「たしかにマリニキは厄介だったな、トラブルのもとになるし。」

コナン

「今度はサバロフとベルンとシーラとフリッピーと俺で東京観光するけどマリニキがいないから、無事に過ごせるよ。」

フリッピー

「私たちが東京観光する日近い、何とかしないと?」

ウルソム

「たしか男3人、女2人で東京観光するんだね。男一人余るね。」

サバロフ

「恋愛するわけじゃないから。」

ベルン

「そうだ恋愛するわけじゃないから気にしないよ。」

コナン

「別に恋愛なんて期待していないよ。」

サバロフ

「そうだそうだよ恋愛なんて期待していないから大丈夫。」

といいつつも3人を見ているとどことなく恋愛や恋仲に発展していることを気にしているように見えた。

ウルソム

「そもそも士官学校の軍事演習の一環だからね恋愛なんて期待しない気にするほうがおかしいよ。」

ウルソムの言葉で皆は安心した。

翌日、山崎宗厳がグロースに一声かけてきた。

山崎宗厳

「最近、グロースどことなく水臭いぞ、どうしたんだ。」

グロース

「いやちょっとな。」

山崎宗厳

「なんだ?」

グロースは山崎宗厳をスパイとして疑い始めていた。

同時にアルキヌス教頭のこともスパイとして疑い始めていた。

グロース

(俺の推測ではこの二人のどちらかがスパイに違いない、教頭には嫌味と皮肉のさんざん、言われたがあの男のや何か隠し事をカモフラージュするためにわざと嫌味を言っているに違いない。)

山崎宗厳

「グロース最近どことなくおかしいぞ何か悩んでいるのか?」

グロース

「いや何もないよ。」

山崎宗厳

「ならいいんだが。」

こうして山崎宗厳とグロースは別れた。

次はカーダシアン教官と出会った

カーダシアン教授

「やあ士官候補生のグロース君、東京観光どうだった?」

グロース

「いろいろ大変でしたよ、戦いをしたりツンデレ女子のお世話をしたりピエロの人力車に東京中無理やり連れまわされたりでほんとう終始振り回されていましたよ。」

カーダシアン教授

「はははそれは災難だね。」

グロース

(カーダシアン教授ってかつて士官候補生時代に教官時代のアルキヌス教頭に師事していたことがあるよな。)

グロースは

(この二人は密通しているんじゃないか?)

と考え始めた。

カーダシアン教授

「何か気になることでもあるのか?グロース君。」

グロース

「いえ特には。」

カーダシアン教授

「まあ、悩みがあるなら相談してね。」

といってカーダシアン教授は立ち去った。

続いてハルト教官が現れた。

「やあグロース君、最近凝っている物があってな聞いてくれるか?」

グロースは

「ぜひ聞かせていただきます。」

ハルト教官はフィギュア人形と糸を見せつけた

グロース

「何ですかそれ?」

ハルト教官

「糸で人形を操るパペットってあるだろ、あれを見て、思いついたんだ。」

「フィギュア人形版傀儡術を開発中なんだ。」

グロースは内心

(この人、ちょっとやばいかも。こんな天真爛漫な人がスパイであるわけないよな。)

ハルト教官は続けて

「これを改良すれば、戦場で人形を使って敵の注意を逸らすことができるだろ?

すごいアイディアだと思わないか?」

グロースは冷や汗をかきながら

「実にすごいアイディアですね。」

ハルト教官

「そうだろ、あと君が調達してくれたフィギュアよかったぞ今度行った時もお願いできるか?」

グロース

「はいわかりました。」

ハルト教官は

「じゃあな。」

と立ち去った。

しばらくしたらフギン先輩が現れた。

フギン先輩

「やあグロース君。」

グロース

「お疲れ様です。フギン先輩。」

フギン先輩

「ところでグロース君最近変わったことはないかい?」

グロース

「東京観光から帰って以来、訓練と座学漬けの日々ですよ。」

フギン先輩は

「そうか、何か困ったこととかないかい?」

グロース

「そうですね困ったことは今のところありませんけど。」

フギン先輩

「グロース君聞いてくれよ最近、俺、外出日とかにビスリル士官学校近くのタイ人が経営するタイマッサージの店に通っててさそこの店員が麻黒美女でさタイプなんだよな。」

グロース

「タイマッサージですか。僕は行ったことありませんよ。」

(フギン先輩、肌黒いからな麻黒の女性は好みだろ。)

フギン先輩

「今度、行くよ。お前も来なよ。楽しいぞ。」

グロースは内心

(天真爛漫で純粋無垢な人だな。)

「はい、行ってみます。」

フギン先輩

「フリスビーやブーメランにも凝っているんだ。

軍事に直結するいい趣味だと思わないか?」

グロース

(フリスビーやブーメランは東京がある世界にあるものだったよな。ウィラリアって知らないうちにあっちの世界の文化とか浸透しているよな。)

グロースはフギン先輩に対して

「そうですね。軍人ならば必ず必要になりそうなものですね。」

と切り返した。

フギン先輩は

「そうだろ、そうだろ。

グロース君も是非フリスビーやブーメランを楽しみな。

また何か困ったら言ってくれよ。

じゃーなー」

グロースは天真爛漫でどことなく能天気なフギン先輩を見て

(この人もスパイではないだろうな。

スパイ候補はアルキヌス教頭、山崎宗厳、カーダシアン教授だな。

俺は今日からこの3人をマークする。)

そう決意した。


1週間後、今度はシーラ達が東京男女共同演習に行くことになった

メンバーは

女子 シーラ、フリッピー

男子 サバロフ ベルン コナンである。

マリニキがいない分、段取りも順調に進み、異世界ゲートも難なくくぐり東京駅にたどり着いた。


フリッピー

「みんな知ってる?」

コナン

「なにを?」

フリッピー

「浦安ヌートリアアイランドの地下にヌーディストのゲリラがいるって噂。」

シーラ

「そんなの噂でしょ。

そんな噂本当だったらとっくに発見されているわ。」

サバロフ

「俺もそういう噂は聞いたことないぞ。」

フリッピー

「地上のヌートリアアイランドはただのカモフラージュのテーマパーク、本体は地下のゲリラ組織、彼らは世界征服を企む組織に反抗の狼煙をあげているらしいよ。」

コナン

「そんなの単なる噂だろう。」

ベルン

「きっと、ただの妄想だよ。」

フリッピー

「そんなことよりみんな今日行く場所はどこにするの?」

シーラ

「それならもうじきガイドが来るからエスコートしてくれるはずだ。」

コナン

「ダックマンみたいな男かな。」

サバロフ

「ダックマンは仕事が多忙ゆえ今回のガイドは降りたそうだ。」

そうこうしているうちにガイドが現れた

身長は140センチほどで紫色のショートカットそしてつぶらな瞳をした少女が現れた。

少女はさっそく皆に自己紹介

「はじめましてヌーティリアス.リサナウトと申します。」

皆は一同

(もしかしてこの子、さっき言ってヌートリアアイランド地下の関係者)

と感じた。

フリッピーの都市伝説を何かしら気にしているようだ。

リサナウト

「滞在期間中はガイドとして皆様をエスコートさせていただきます。

私のことはリサって呼んでください。」

コナン

「よろしく。」

サバロフ

「よろしく頼む。」

ベルン

「こちらこそよろしく。」

リサ

「では上野に直行します。」

上野まではリサのガイドで電車で行くことになった。

サバロフ

「この電車って乗り物便利だな。」

ベルン

「ウィラリアではまだまだ導入できないだろうな。」

シーラ

「ウィラリアでも鉄道あったら便利だろうね。」

リサ

「もうすぐ上野つきますよ。」

ベルン

「広いなここ。」

彼らが向かった先はアメ横商店街

リサ

「ここは日本以外の国の人々が多く集まる場所。」


サバロフ

「へえ~なるほどな。」

ベルンは

「ここって日本以外の国の人が多く来る場所だってさ。」

リサ

「ちなみにウィラリア人も最近、多いですね、店を出している人もちらほら見かけます。」

当たりはエキゾチックな風景を醸し出している。

リサ

「ここにあるお店はどれも珍しいものが揃っていますよ、見て回るといいでしょう。」

フリッピー

「ねえ、ここにある店はどれも珍しくて面白そうだね。」

リサ

「ええ、いろんなところを見て回ったほうがいいわ。」

シーラ達の目の前に小柄な東南アジア出身の女性たちが歩いている。

どうやらフィリピンかタイ、インドネシアあたりの出身でパブや水商売

などの出稼ぎ労働者のようだ。

すれ違い様に彼女たちは

「あの大柄な独特な体格の野蛮人連中ウィラリア人じゃない?」

「ああウィラリア人よきっと。」

「あいつら最悪よね、私たちからいろんなもの横取りして。」

「そうよ、見ているだけで汚らわしいさっさと離れましょう。」

というようなことを言いまくった。

サバロフ

「さっきの小柄な女性たち、言葉はよくわからないけど、何となく僕たちに対して快くないことを言ってそうなんだけど。何かしたかな僕たち。」

ベルン

「たしかにこっちのウィラリア人は日本以外に世界各地に訪問滞在しているからな、善良な奴ばかりじゃなく、悪い奴も少なくないって聞いたからな。」

フリッピー

「私たちこの前の東京観光でいいウィラリア人と悪いウィラリア人に出会った。」

シーラ

「カウギさんって人いい人だったな。」

サバロフ

「カウギさん?」

シーラは

「そうです、あの人良い人だったし、むちゃくちゃ助かった。

サバロフと同じコデル大平原出身だって聞いたよ。」

サバロフは思い出を思い出していた。

(カウギってもしかして相撲で僕を痛めつけるほどかわいがったあのカウギじゃ)

サバロフはごまかすように

「そうか、カウギさんか。僕も会いたいなって思っていたんだ。。」

フリッピー

「あの人、いい人。」

サバロフ

「たしかにいい人なんだけどな

巨大ウルフ討伐などの魔獣退治に無理やり、強制参加させられたりしてさんざん振り回されたからな。」

シーラ

「前、日本で相撲取りになりたいってたしか言ってましたね。」

リサ

「でもウィラリア人はこっちの世界の人間とは違う種族、身体能力なども違いますからね。」

ベルン

「確かにそうだ。」

リサ

「あなたたちもウィラリア人は相当の身体能力。

ウィラリア人の方がこっちのより筋力体力、敏捷性、反応速度が圧倒的に優れています。」

シーラ

「インチキ芸能リサ

「もし野球に例えたら平均的なウィラリア人は普通に220km/hの直球を投げれるでしょう。

こちらの世界の最高のプロ野球選手は160km/hの速度が限度。」

コナン

「ウィラリアって凄いんだ。」

ベルン

「たしかに凄いな。体力面はね。」

リサ

「続けて平均的なウィラリア人は100メートルをだいたい5秒前後で走ることができます

こちらでは100m走10秒を切ったら英雄扱いです。」

サバロフ

「この前の身体測定たしかに、僕は4秒台で走れたからね。

それでも遅いと思っているよ。」

シーラ

「私なんて4秒を切ろうとしているところだ。」

フリッピー

「私はまだまだ6秒台。」

コナン

「シーラって女子なのに男子のスピードやパワーを凌駕しているよな。」

ベルン

「たしかに。手合わせしたいものだけどたぶん負けそうだ。」

フリッピー

「シーラは男勝りだからね。」

リサ

「ウィラリア人はパンチングマシーンをすることを禁じられています。」

サバロフ

「それは本当かゲームセンターでパンチを使用と思っていたところなのに。」

ベルン

「パンチングマシーンで思う存分、日ごろのストレス発散したかったのに、

どうしてなんだい?」

リサ

「そうですね。

前述したようにウィラリア人の身体能力が高すぎゆえ、よってパンチングマシーンのパンチを壊す人が続出したからだそうです。推定計測値平均900キログラムと言われています。」

コナン

「それって大きい数値なのか?」

リサ

「こっちの世界のトップクラスの格闘家でも500~700キログラムだそうです。

おそらくあななたちは鍛え抜かれた士官候補生1トン以上のパンチ力をはじき出すことでしょう。」

シーラ

(あのチビ(ニケティス)は1トン以上のパンチを繰り出していたのか?)

リサ

「私たちウィラリア人がアスリートになれないのも優れた身体能力故。こちらの世界でアスリートになることを夢見る者の種族、生物的な違いでなれない悲劇。」

コナン

「なるほどな、倍以上の身体能力を持つウィラリア人がこっちの世界でアスリートになるのは無理ってことだもんな。」

リサ

「身体と使う競技の選手になれないだけであり、肉体労働者や警備員や軍隊としてなら重宝されています。」


サバロフ

「カウギさんもこういった仕事しているんだろうな。」

コナン

「この話は切り上げてゲーセン行こう、ゲーセン。」

リサ

「わかりました案内します。」

一行は上野のゲーセンに行った。


ゲーセンに入ってフリッピーはUFOキャッチャーを指さした。

「ねえあれやってみなよ。」

ベルン

「何をだ?」

フリッピー

「これね。」

サバロフ

「へえ~、このゲーム初めてやるな。」

リサ

「これはUFOキャッチャーと言うもので景品が入っている人形や箱をクレーンでつかんで取ります。」

コナン

「なるほど。」

ベルン

「なるほど、やってみようかな。」

ベルンがゲームを始めた

ブース内にはパンダやキリンなどの動物園の人気者の動物の人形が詰め込まれている。

ベルン

「難しいな。」

シーラが

「私やってみるよ。」

ベルンは

「いいよ、俺がやり続けるよ。」

フリッピー

「私もゲームに参加する。」

ベルン

「この人形取ったら変わってやるよ。」

フリッピーとベルンの間に角が立とうとしていた。

ベルンは何としてもターゲットのパンダの人形が欲しいようだ。

だがシーラが割り込んできた。

「ベルン、お主、一体何回失敗、いやチャレンジしたんだ?」

ベルン

「30回ぐらいかな?」

シーラ

「ならもう十分だ交代しろ。」

ベルンはしぶしぶシーラに譲った。

シーラは

「ふっ!」

と気合を入れて、

ベルンが失敗したところにクレーンを移動させ、ベルンが取れなかった人形をゲットした。

シーラ

「はいベルン。」

ベルン

「やったありがとう。シーラ恩に着る、君がクレーンゲームの才能があることは分かった。」

サバロフ

「すごい、さすがシーラ、一個も失敗せずにゲットしたな。」

ベルンは

「シーラのクレーンゲームセンスがすごいよ。」

コナン

「シーラ次はこれとってくれるかな?ってなんちゃって。」

コナンはコインをシーラに差し出した。

シーラは

「いいよ。」

といってコナンが選んだクマの人形を取った。

リサ

「すごいすごい。

シーラさんは天才です、一個の失敗もなく人形をゲットしました。」

シーラは

「これくらい普通だよ。」

ベルン

(俺なんか30回チャレンジしてできなかったのに、シーラは一回で全部ゲットしてしまった。)

ベルンはどこのなく面白くない気分を感じていた

そして皆から徐々に距離を取り周りのゲーム筐体を見て回った。

シーラ

「ベルン、どうしたんだ?何か機嫌悪そうだったけど?」

コナン

「さあ、シーラにやきもち焼いているんじゃない。あいつ30回チャレンジして全然とれなかったけど

シーラはクレーンを動かす度に人形ゲットしているからな。」

リサ

「嫉妬でしょうか。」

コナン

「かもね。

ベルンとシーラって性別こそ違えど共通点が多いからな。」

フリッピー

「まず身長がだいたい同じ、そして名門の子爵の出で剣の達人、年齢も同じ、髪型は違うけど髪の色も同じ、もしかして二人はドッペルゲンガー?」

サバロフ

「さすがにドッペルゲンガーではないな。

共通点が多いだけで別人であることは確か。」

シーラ

「そうだ、ベルンと私では出身地も違うぞ、

それに私の方が誕生日が早いから姉さんだ。」

フリッピー

「姉さん?」

シーラは恥ずかしそうに

「勘違いする出ない、誕生日が早いからそう申しただけだ。」

サバロフ

(シーラが男性ならベルンの良きライバルになっていただろうな。)

サバロフ

「次は隣のポーカーコロシアムってポーカーゲームのマシーンで遊ばないか?」

フリッピー

「面白そう賛成。」

コナン

「ポーカーコロシアム面白そうだなぜひやろう。」

シーラ

「そうだな、それはさておきベルンはどこにいった。」

ベルンは皆から大いに離れていた。そして片隅にあるパンチングマシーンを眺めていた。

同時にベルンはシーラに対してさきほどの件で確執を抱えている

(シーラって凄いな。

あんなに簡単に景品のぬいぐるみをゲットできるなんて

俺はあんなクレーンゲームが出来ないんだよ。

くそっ!悔しいぜ。)

ベルンは拳をグッと握り

(あのパンチングマシーンで力試しにやってやる。)

そう決心した。

しかし、なぜかわからないけどウィラリアの言語でウィラリア人はパンチングマシーン

の使用をお断りさせていただきます。

と書かれている。

ベルン

「なんでだ、でもお金入れたら問題ないだろ。」

ベルンはコインを入れた

始めるとパンチングマシーンの画面には

「身分証をスキャンします。」と表示されている

ベルン

(身分証?)

と一瞬、疑問に思ったがすぐに自分の学生証(ウィラリア士官学校発行の身分証明書)を取り出した。

そして身分証のスキャンをされる

すると、

パンチングマシーンの画面にはウィラリアの主要言語で

「身分証を拝見したところあなたはゲームをプレイする資格を満たしていません。申し訳ありませんがお引き取りお願いします。」

と表示されていた。

ゲーム画面は終了し投入したお金は返金された。

ベルンは

「くそ!」

と言ってゲーム機を叩き壊そうとしたが

ベルンは貴族、ここは思いとどまった。

ベルンはパンチングマシーンのそばに飾られていた写真を眺めた。

おかっぱ頭の男性がパンチングマシーンを思いっきり壊している光景である。

写真の下には日本語

「ウィラリア人は私たちよりも並外れた身体能力を持っています。このウィラリア人男性がパンチングマシーンで遊んだ際、強力なパンチをもって破壊しました。以降、メーカー側とゲームセンター側で協議が行われ、協議の結果、パンチングマシーンにID識別機能を導入してウィラリア人がゲームプレイできないように処置を施しました。」

ベルンは日本語を読めなかったがスマホのアプリでこの文章を読み取りそれから読んだ。

「ウィラリア人はスポーツだけじゃなくてパンチングマシーンでも遊べないのかよ差別じゃないのか?」

ベルンは不満げにそうこぼす

ベルンはいつしかゲーセンの外に一人で出て行った。

一方、残りのメンバーはポーカーコロシアムに没頭していた。

ベルン抜きでポーカーコロシアムのゲームを

サバロフ

「なかなか勝てないな。」

シーラ

「そうだな。」

フリッピー

「遊びは説度が大切。」

コナン

「まあそういうもんだろ。」

リサ

「今日はここまでにしましょう。

そういえばベルンさんは見当たりませんが?」

コナン

「あいつはいつのまにか姿を消していたな。」

フリッピー

「私あの人を捜してみる。」

フリッピーはベルンを探しにゲーセンを離れていった。

一方、ベルンは上野からかなり離れ湯島の方まで歩いていた。

ベルンは歩きながら考えていた

(なんで俺があんな風に扱われなくちゃいけないんだ、

シーラはあんな簡単に景品をゲットできたんだぞ。

それにパンチングマシーンでストレス解消もできない面白くない。)

ベルンは湯島の飲み屋街に迷い込んでいた。

日も暮れていたせいか

アメ横とは違い夜の街の独特のにおいがする。

するとベルンに大柄なおかっぱの女性がウィラリア語で話しかけてきた。

身長は2メートル近い

「おいそこの坊ちゃん。

うち来てみないかい?」

ベルンは

(この女性?どこかで見たことあるぞ、そうだゲーセンの写真のおかっぱ頭の男そっくり。

でもなんで女性?)

ベルン

「まぁ同じちょうどいい、あんたの店に行くよ。」

女性

「本当かい、私はテイラージョストル、うちはバーやってるんだ、酒の味は極上きっと気に入るよ。」

テイラージョストルは

ベルンの腕を掴み強引に店に入店させた。

店の中は意外に小ぎれいである。

大柄、小柄、色黒、色白な女性たちが各テーブルで客を接待している。

「さあ、座っておくれ。

今日はお客さん1人だけだからゆっくり飲むといい。」

ベルンは席に座り強引にテイラージョストルが隣に座った

テイラージョストル

「本日は私があなたを徹底的に接待するわ。

とりあえず何飲む?」

ベルンはウィラリア語で

「ウイスキーをロックで頼む。」

と注文した。

テイラージョストルは端末をいじりウィルキーロックを注文

「はいよーウイスキーね、ロックね。」

店員がウィスキーのロックを差し出した

白河というブランドだそうだ。

ベルンは早速飲み始めた

「ウィラリアのよりも甘味がつよいなでも悪くない。

テイラーさん俺は、地元ではツヴァイハンダーというウィスキーが好きだったんだ

子どものころからよく晩酌していたものだ。」

テイラージョストル

「そうなの、ウィラリアは子供酒をんベルンさんってウィラリアのバース王国出身って分かるわ。

でバース王国のどこ出身なの?」

ベルンは

「ああ、俺はバース王国辺境スイジーン出身なんだ。」

テイラージョストル

「そうなんだ故郷の話を聞かせてもらえないかしら?」

ベルンは酔いが回ってきたのだろうか意気揚々に

「別にいいけど、スイジーンは田舎だ、俺の生家はスイジーンを収める伯爵家の出だ。」

テイラージョストル

「結構、伯爵家の御子息なの?」

ベルン

「そう。スイジーンもいいところがあってなウィスキーの醸造が盛んでさ、名産品になっているほどだ。

ウィスキーってのはいいものを製造すればいいってものじゃないビン詰めまでがウィスキーづくりだ。」

テイラージョストル

「ベルンさんは普段は何しているの?」

ベルン

「ビスリル士官学校の士官候補生1年生だ。」

テイラージョストル

「ビスリル士官学校って貴族や超優秀な奨学生しか入れない超名門じゃない?」

ベルン

「そうだ、超名門士官学校さ最近では留学生やこの世界の日本人も入学しだしているんだ。」

テイラージョストル

「そうなのね、でもなんで日本の東京に?」

ベルン

「ああ、士官学校の演習の一環だ社会勉強って奴かな?」

テイラージョストル

「(ふ~ん)

噂に聞いた話なんだけど、ビスリル士官学校について私知ってることがあるんだ。」

ベルン

(知っていること?スパイ、陰謀論、国家転覆計画?とか何かか?)

ベルン

「ぜひそのことについて知りたい。まずはこの白河ってウィスキー今後はボトルごと注文する。」

テイラージョストル

「ありがとう嬉しいよ、じゃあ話すね、あの士官学校には性転換した士官候補生がまぎれているって話よ

しかもその士官候補生はカツラを被っている、面白い話でしょ。」

ベルンは内心安心した

(士官学校がスパイ使って国家転覆企んでいる組織じゃなくてよかった一安心

それにしても性転換してカツラ被っている士官候補生はどう考えてもあいつしかいないな?)

ベルンはウィスキーをあおりながら

(シーラがカツラ被って性別を偽って士官学校に入学してるって知っていたらあいつどうなるかな?)

ベルンは酩酊する中、近くに見える、別の客が気になったそして

左斜め上の別の席には2人の男性がいた。

中年男性は落ち着いた風貌である。

小柄で麻黒い女性の接待を受けている。

ベルンは左斜め上を指さして

「テイラー、あの斜め上の席に座っているのってウィラリア人じゃ?」

テイラー

「ご名答ベルン、あの人はウィラリア人の勇者と賢者。

この世界で今は何かの研究をしているそうよ。

接待をしているのはガーリーちゃんってフィリピン人女性」

ベルン

「ご隠居がてら留学か何かかな?」

テイラー

「そうね、そうみたい。ってベルンどこに行くの。」

ベルンは勇者と賢者の元に向かった

フィリピン人女性のガーリーちゃんは急に近づいてきたベルンに対して

「何ですかあなた急に近づいてきて。」

と威嚇しはじめる

ベルンは勇者と賢者である二人に対して迎合の姿勢で

「お二人はウィラリアの勇者様と賢者様でお間違いないでしょうか?」

勇者

「いかにも私はウィラリアでは名の知れた者、勇者グレンマーレですが?」

賢者

「同じく私もウィラリアでは名の知れた賢者のイライジャですが?」

ベルン

「グレンマーレにイライジャって吸血鬼の魔王ダーニッシュを打倒したあの二人?」

グレンマーレ

「はい、そうです。」

イライジャ

「あのときは大変だった。」

ベルン

「20年以上前のリッフォン帝国、魔王軍と帝国軍との激戦が繰り広げられたことはウィラリアでは有名な話。」

イライジャ

「過去の武勇伝が聞きたいそうですね。」

ベルン

「ぜひ聞きたいです。」

ベルンはテイラー、彼らと席を一緒に飲み明かしたいと頼み込んだ。

テイラーは

「ウィラリアのお客さんを連れてきたんだから、しょうがないわ。」

ガーリー

「そこまで言うなら構いませんよ。」

テイラーはしぶしぶ承諾した

ガーリーはテイラーと一緒に接待することをどことなく嫌がっていた。

イライジャとグレンマーレは石工の町を救った話や、冥府タルタルから来た冥府の騎士との戦闘

硫黄の生命体との死闘、そして魔王ダーニッシュ討伐の話を自慢げに話した。

ベルンは興味津々で彼らの話に聞き入った。

ガーリーとテイラーは話の輪に入れず、互いににらみ合っていた。

二人はどことなく仲が悪そうだった。

店を出る時がやってきた3人はすでに泥酔状態だった。

テイラーが請求書を見せつけた。

「ねえベルン君これ全部払えるかな?」

ベルン

「ああ問題ない。

テイラーさん支払いをお願いします。」

テイラーは

「毎度ありまた来てね。」

3人分含めて20万円ほど支払っていた。

当然ミニぼったくりである。

だがベルンは酒を飲みに来ただけであり

ウィラリアの勇者と賢者と知り合いになれたことで満足していた

グレンマーレ

「ベルン君は面白いな、

もしよければ私たちも一緒にいてもらってもいいかな。」

ベルン

「ぜひお願いしたい、俺一人じゃ退屈です。」

イライジャ

「なら私の泊まっているホテルに行こうか?」

ベルンは

「いいんですか、ありがとうございます。」

彼らと同行しようとしたが、目の前にはシーラ達が立ちはだかっていた。

シーラ

「ベルンどこに行ってた?

心配したんだぜ。」

フリッピー

「探したぞー、お前は本当に面倒だ。」

コナン

「ベルン見つかったよ良かった。」

リサ

「もう夜11時ですよ。」

サバロフ

「ベルン、今日はもう遅い、予約している宿に向かうぞ。」

ベルン

「今日だけは英雄さんたちと一緒に居たい。」

リサ

「駄目です。」

ベルン

「ガイドが仕切るんじゃない。」

シーラは

「ベルン、今日のガイドは私だ。」

コナンは業を煮やしてベルンの腕をつかみ

コナン

「いや、だめだって、みんな宿に戻るぞ。」

ベルンが

「くそ!」

しぶしぶベルンは皆とホテルに戻ることにした。

コナンは

「ベルンは俺らと一緒にいるより、あの人といたいみたいだな。

勇者と賢者と巡り合えるなんて滅多にないからな。」

ホテルにたどり着いて男女別々で客室に入った一行

ベルンはコナンに尋ねた

「どうして湯島に俺がいるって分かった。」

コナン

「時間はかかったけど、ウィラリア人は目立つからな、手がかりを探れば案外簡単だったよ。」

ベルン

「そうか、俺あの人たちについて行きたかったよ。」

コナン

「そう言うなよ、それと何だけどさもうあの店には行くな。」

ベルン

「なんで?あんなすごい人たちに出会ったんだから行きたくなるだろ。」

コナン

「あの店はまずおかまバーだ。」

ベルン

「あの店で働いていた女性は男が女に成り済まして働いていたのか

テイラーちゃんも男?」

コナン

「そうだテイラーは男だよ、接待している女性もみんな男だ。」

ベルン

「男娼?」

コナン

「そうだ。」

ベルン

「ショックだ、でもあの店はシーラが働くにはちょうどいい場所かも。」

コナン

「テイラーってのは男だけじゃなくてこの世界で数多くの問題を起こしているらしい。」

ベルン

「どういうことで?」

コナン

「何でもゲーセンのパンチングマシーン、ウィラリア人が使用禁止になったのもあのテイラーが遠因だ。」

ベルンは

「そうなのか、テイラーはあの写真の男ってこと?」

コナン

「そうだテイラーは男パンチングマシーンを壊した張本人だ、他にも市民プールでペットのチョウザメと一緒に泳いで一般客に迷惑、いや恐怖に陥れたり街路樹に木の活性化とうたって聖水?を振りまいたり、有望なラグビー選手を女装の世界に誘い込み、そいつはラグビーを棄てて完全に女装の世界に入り浸ったし、歓楽街に飼育していた無数のゴキブリを放ち歓楽街をむちゃくちゃにしたりしていたりととんでもない悪党だ。」

ベルンは身震いした

「そうだったのか。」

コナン

「ああ、だからもうあのバーに行くな、わかったな。」

ベルン

「わかった。」

コナン

「(やれやれこいつは大丈夫かな)

とにかく今日はもう休もうな。」

ベルン

「そうだな、おやすみなさい。」

コナン

「おやすみ。」

一方、シーラとフリッピーは今日の出来事について語り合った

フリッピー

「ベルンの捜査意外に簡単だった。」

シーラ

「そうじゃな、人づてに奴の特徴を話してどこに行ったかを聞いたら時間は多少かかったが簡単に見つかったな。」

フリッピー

「人に物を訪ねることができたのもこれのおかげ」

フリッピーはスマホの翻訳アプリを見せた。

シーラは

「便利な物だなこれがあればこっちの世界に人ともスマホを通じて話ができる。」

フリッピー

「スマホに”青い髪で身長195センチでいかつい顔したおっさん知りませんか?”って日本語に翻訳した

文章見せたら相手もスマホ使ってウィラリア語で翻訳した文章見せてくれた。」

シーラは

「さすがスマホ様様だな、ウィラリアは水道や鉄道は普及していないがスマホだけは急速に普及しているからな。

ハイテクの飛び級って言うそうだ。」

フリッピー

「ウィラリアでも水道普及してほしい水汲み嫌だしトイレも穴でするの辛い、ウォシュレットや蛇口すごい便利。」

シーラは

「まあそのうち、普及するさ、それにしてもアメ横での捜査は時間かかったな。」

フリッピー

「みんなアメ横のエスニック料理や海鮮料理を買い食いしながら捜査するから。」

シーラ

「そういうお主も手に一杯トルネポテトを抱えていただろう。」

フリッピー

「美味しいから仕方ない。それはみんな同じで食べ物たくさん抱えて食べながら捜索していた。」

シーラ

「私は食べ物を食べてないぞ

スムージーやタピオカジュース飲んだ程度だ。」

フリッピー

「シーラ、何杯も飲んでいたお腹大丈夫?」

シーラは

「大丈夫だ問題ない。それよりもだな、話を聞いているうちに上野付近で無数の蝙蝠が空を覆う夜、アイスホッケーの仮面をした数人の男性が街を練り歩くなど人形が巨大化して動いたなど不気味で怖い話もたくさん聞いたな。」

フリッピーは

「ホラー映画のほら話だよ、たぶんからかわれている。」

シーラは

「ああ、そうか、フリッピー、まぁウィラリア人の無知に付け込んで面白半分でからかわれたんだろうな。

ベルンも見つかったことだし今日は寝るとしよう。」

フリッピー

「シーラおやすみなさい。」

シーラは

「おやすみなさい、フリッピー。」

シーラとフリッピーコナン

「まずい寝付けない、窓の外でも見よう。」

窓の外には無数の蝙蝠が空一面を覆うように飛んでいた。

ベルン

「何あの数?

たしか昼間、通行人の話によると吸血鬼が合体して吸血魔人になるって話を聞いたぞ。」

コナンは

「空は吸血鬼だらけだから地上でも見て落ち着こう。」

道路にはジェイソンの仮面をした複数の男女が街を歩いていた。

コナン

「あれってこっちの世界のホラー映画のキャラクターがかぶっている仮面だよな。」

コナン

「たぶん今、俺は夢を見ているに違いないこれは夢だ。」

コナンはカーテンを閉めてそのままベットに戻り仰向けになって目を閉じた

コナン

「夢だ夢だ夢だ。」

ベルンとサバロフは爆睡中である。


夜が明けた。

コナンはあれから一睡もできなかった。

ベルンは二日酔いである。

コナン

「(くそ寝れなかったよ。)

ベルンは二日酔いか、大丈夫か?」

ベルン

「ぐっすり寝てスッキリ、二日酔いの症状が治りかけている。

(まだまだ頭痛い、気分悪い、吐きそうだ、でもみんなの前で弱音吐けない。)」

サバロフ

「昨日の夜はいろいろあったけど楽しかったな。

さて朝食をとって上野に戻るぞ。」

コナン

「ホテルビュッフェでもいただくとするかな。」

突然シーラが驚きの表情で男性陣に駆け寄って来た

シーラ

「大変です皆さん。」

サバロフ

「どうしたんだ?」

コナン

「どうしたの?

そんなに慌てて?」

フリッピー

「大変大変大変大変大変、大変なことがあります。」

コナン

「いったいどうしたの?」

シーラは

「とにかくついてきてください。」

一行はシーラについて行った

そして目にした光景はとある張り紙

「相撲取りとプロレスラーとウィラリア人は当モーニングビュッフェのご利用お控えさせていただきます。」

ベルン

「なんでだよー!」

シーラ

「私も食べたかったのに!

サバロフ

「おかしい、ウィラリア人は大柄だからよく食べるから利用できないってか」

ベルン

「朝飯食わないとなぁ

どうしよう、何か食える店見つけて行こう。」

ホテルを出るとリサが出迎えてくれた

リサ

「おはようございます皆さん今日はどちらに向かわれます。」

サバロフ

「おはよう。

リサ、今からみんなで上野で朝食を取ろうとしたところなんだ。」

リサ

「わかりました。

今日は上野に戻るんですね、じゃあ、私も同行します。」

リサ

「では皆様のご期待に添えるよう最適で特上の店をエスコートいたします。」

一行はリサに同行した

やってきた先は24時間営業のラーメン屋である。

リサ

「この店は絶品です。」

コナン

「この店は朝からラーメン?」

リサ

「このラーメン屋さんのチャーシューに絶品なのです。

このチャーシューは朝の4時から焼き上げてお皿に盛りつけるんです。

そしてお客様の前に出してくれます。もう絶品で。」

シーラ

(たぶんこの子、ここのラーメン大好きでラーメン食べたさで私たちを連れて来たんだわ。)

サバロフ

「朝からラーメンね悪くない悪くない。」

リサ

「さあ、どうぞ中に入ってください。」

リサは笑顔で先頭に立って店のドアを開け店内に入った。

リサ

「さあ、お入り下さい。」

リサは先頭に立ってドアを開けた。

頑固そうな店主が出迎えた。

店主

「いらっしゃいませ。」

リサは

「6人ですが空いてます。」

店主

「見れば分かるだろ空いているよ、早く座りな。」

店主は傲岸不遜な態度である。

リサ

「(ふ~ん)

それではみなさんで席に着いてください。」

リサは愛想笑いを浮かべたまま先頭に立ってテーブルに着く

リサはどことなく楽しそうな気分である。

リサが

「みなさん、席に座って下さい。」

リサに促されるままベルン達6人は席に付いた。

店主

「で注文は?」

リサ

「チャーシューラーメン2杯、コロッケラーメンの2杯、メンチカツラーメン2杯、餃子30個、野菜炒めの12人前お願いします。」

店主

「ずいぶんたくさん頼むねぇ。」


リサ

「6人ですから。」

リサのオーダーを聞き終わった店主はカウンターの奥で調理を開始した。

ベルン

「店主どことなく怖そうな感じだね。」

コナン

「もしかしてリサとこの店主もテイラーってやつも蝙蝠や仮面の集団とかかわりがあるのでは?」

シーラ

「ないこともない。」

フリッピー

「絡んでいる確率は極めて高い。」

リサひたすら笑顔でこちらを眺めている。

そうこうしている内にラーメンや餃子などが次々にやってきた。

ベルン

「うまそうだな。」

シーラ

「本当美味しそうだ。」

5人がテーブルに並んだラーメン餃子をつぎつぎに頂いた。

サバロフ

「こんな美味しいもの生まれて初めてかも。」


リサ

「皆さん、チャーシューラーメン美味しいですね。」

ベルン

「うん美味しい、この肉の厚みと脂みがとにかくおいしい。」

リサ

「ですよね。」

コナン

「本当に美味いよ、ありがとう。」

リサ

「いえいえ、どういたしまして。」

皆、瞬く間にテーブルに並んだ料理を食べきった

ベルン

「ごちそうさまでした。」

リサ

「はい、ありがとうございました。」

店主は伝票を差し出した。

シーラは

「ここは私が出すと仕様。」

コナン

「ありがとうシーラ。ベルン、ここは男立てて代わりに支払ったらどうだい?」

ベルンはむくれ顔で

「シーラが払うって言うからそれでいいや。」

シーラは伝票を持って席を立った

リサ

「ありがとうございます。」

店主

「またのご来店待ってるぜ。」

ベルン達一行はラーメン屋で食事を終えた。

シーラ

「思ったより安いし腹膨れたし下手にビュッフェ行くよりよかったかも

リサ、いい店を紹介してくれてありがとう。」

リサ

「いいえどういたしまして。」

コナン

「店主は仏頂面だったけどね、味はすごいよかったや。」

リサ

「どういたしましてあの店、外国人やウィラリア人がいない隠れスポットなんです。隠れた銘店なんですよ。

さてお次は上野動物園に案内しようかと思います。」

ベルン

「上野動物園かぁ楽しみだなぁ。」

コナン

「ベルンって動物好きだね。」

ベルン

「そうじゃないよ貴族騎士たるもの馬や動物を手なづけ知らないとさ乗馬でも戦闘でも恥かくだろ社会勉強だよ社会勉強。」

コナン

(こいつは動物好きを世間体とか貴族の教育とか言って誤魔化しているんだ)

リサ

「さあ皆さん行きましょう上野動物園へ。」

リサの案内で一行は上野動物園へ行った


リサ

「まず最初に案内する一番の目玉はこのライオン。」

一同はライオンの檻を眺めた。

ベルンは

「ライオンすごいなでも羽がついていないよ。」

サバロフ

「ウィラリアのウィングビーストに見た目が似ているなこの動物。」

コナン

「でもこの中にいる一匹、動けないのかな歩きたそうにみえて歩けなさそうだよ。」

ベルン

「あれはたぶん怪我して動けなくなったやつだろ。」

サバロフ

「そうとも思えないぜ、怪我している様子ない。」

フリッピー

「ライオンのつま先を見て、何かが塗られた痕跡がある。」

シーラ

「あれはとりもちか接着剤だな私が早速取り除くとしよう。」

リサ

「待ってください。

ライオンには触れません。」

シーラ

「なんでだよ。」

リサ

「ライオンの爪と牙が鋭く危険だからです。」

シーラ

「それでも放っておけない、それに士官候補生とはいえ演習で魔獣退治もしている

あの程度のサイズの動物と触れ合う程度朝飯前。」

リサ

「私に任せてください。」

シーラ

「リサ殿こそ危険ですぞ。」

リサ

「ソワンマン(癒し手)」

呪文を唱えた直後、暴走集団のヘルスエンゼルスみたいなファッションと風貌をした男が救急箱を持って現れた。

彼は半透明の幻獣であり。

さっそくライオンのつま先の接着剤を取り除いてくれた。

ライオンのつま先に塗りたくられていたとりもちは溶け落ちた。

そして幻獣は

「ハバナイスデイ」といって立ち去った。

ベルン

「人は見かけによらずだなとにかく凄い魔法。」

コナン

「人じゃなくて幻獣だけどね。。」

リサ

「ソワンマンは状態異常や怪我やちょっとした風邪を癒してくれる心優しい幻獣なんですよ。」

シーラ

「女子候補生に限っては近日、治療魔法の演習が行われる、私はもっともっと戦闘訓練をしたんだけどな。

男子候補生はどうなんだ。」

コナン

「2年からやるとは聞いているけどね。」


サバロフ

「女子士官候補生は炊事や救護などの援護系の演習メインなんだね。

男子候補生は戦闘メインだからね、こういった演習は後回しなんじゃないかな。」

ベルン

(シーラ、戦闘訓練もっとしたいってごまかしやがって、やっぱりあいつ男性から女性になったな性転換したな。

理由は分からないが男性でいることが嫌だから性転換したな、よくわからないけども援護系治療系のスキル覚えて嫁入りとか

あれこれ考えているんだろうな。)


シーラは

「ベルンどうした、ぼうっとして。」

ベルン

「ごめん少し考え事をしていたよ。

それよりも次、案内してくれリサ。」

リサ

「次はキリンをご案内します。」

一行はキリンの檻をのぞいた

サバロフ

「コデル大平原北にの首の長い動物に似ているな、たしかゴラフって名前だったな。

ゴラフは青色だったな。

でもこのキリンは黄色いな。」

リサ

「キリンはアフリカのサバンナの動物です、コデル大平原北と違って暑い場所です。」

ベルン

「木のそばにいるキリンの様子がおかしいぞ。」

フリッピー

「キリンの首にワイヤーか縄が巻き付いている。」

シーラ

「解決してやる。」

リサ

「シーラさん落ち着いてください、あわてないでください。」

シーラ

「しかし放っておけない貴族魂ノブレスオブリージュの血が騒ぐのだ。」

リサ

「私に任せてください。」

またまた呪文を唱えた

リサ

「クリーズペルセ(危機突破)」

召喚魔法を唱え、次に出てきたのは

ヤクザの女房風の女性の幻獣

和服みたいなものを身にまとっていた。

彼女は手刀でキリンの首に巻かれていた縄をスパスパ切断した。


彼女は

「シーユーアゲイン」とつぶやいて消えた

ベルン

「今のは何だ。」

リサ

「クリーズペルセは救助レスキューを得意とする幻獣です。手刀を駆使して縄をほどいたり障害物を切り裂いたりして救助活動してくれる幻獣です。」

コナン

「とにかくいかつい見た目の幻獣多いね、

一体君はどれだけの幻獣を召喚できるんだ。」

リサ

「それは言えません、数えたことがありません。」

サバロフ

「それだけ数が多いってことかガイド出来て日本語出来て召喚魔法できる有能だな。」

リサ

「どうもありがとうございます、実用化はまだですが幻獣や死者を現世に召喚するアイテムが開発中だって聞きます。」

コナン

(それはやばい、幻獣はともかく死者召喚って

いやそんなこと考えたって仕方がない、今はこの動物園を満喫しないと。)

リサ

「知り合いの預言者に聞いた話、東京に暮らす少年がそのアイテムを活用して数百体の死者と魔獣と幻獣を呼びだす伝説の召喚士になって死者や幻獣と力を合わせて東京を守り抜き、世界も救うって預言されたそうです。」

サバロフ

「そんな予言って何百年かかるか判らないし、未来がどうなるかなんて誰にも分からないだろ。

今はこの動物園を楽しもうぜ。」

リサ

「そうですね、私たちにはまず無関係の話だろうし楽しみましょう。

次はパンダを見に行きましょう。」

一行はパンダを見た

フリッピー

「熊だな、毛むくじゃらの、毛深いな、黒白の毛が逆立っているように見える、毛並みがいいのか悪いのかよくわからないな、熊みたい。」

ベルン

「ここは前の動物はいたずら被害受けてなさそうだな。」

フリッピー

「その形跡なし。」

コナン

「それにしてもパンダかわいいよな。」

ベルン

「うんとてもかわいい。」

シーラ

「動物好きだなベルン。」

パンダの前で半裸でボディービルパンツをした外国人男性がいた。

身長は180センチ届かないぐらいで長髪で中南米系の風貌だ。

彼はパンダの檻の前で

「パンダ可愛いよパンダ。」

と、つぶやき筋肉を披露した。

「僕の名前はボルハンケント、ボディービルしたてでしょぼいからだだけどいつか立派な筋肉になったらまた見せてあげる。」

彼はそう言うとパンダの檻のそばを離れた。

ベルン

「(あんな外国人が日本にいたんだな)

それにしてもパンダはかわいいなぁ。」

リサ

「ウィラリア人も多いですが外国人観光客も多いですからね、特に変な奴も結構いますからね。」

コナン

(あんな変質者に絡まれないか心配だな

まぁ観光客が変質者ばかりとは限らないけど)

フリッピー

「みんな見てこれこれ」

フリッピーはみんなにスマホの動画を見せた

動画サイトのチックタックの上野動物園の動画である

そこには見覚えのある男?が写っていた。


ベルン

「こいつは昨夜のあの」

コナン

「ああそうだ。」

女装家のテイラジョストルが動物園の動物にいたずらする動画が映し出されていた。

アップロードの時刻を見ると今現在からそれほど時間がたっていない。

コナン

「見つけ出して懲らしめる必要があるな。」

サバロフ

「そこまで遠くに行ってなさそうだ。さっそく探し出そう。」


フリッピー

「ちょっと待って、一番端のパンダさんなんか様子がおかしい。」

パンダは胸の苦しみを訴え地べたを這いずり回っていた。

シーラは

「これは毒を盛られたかもしれない、解毒魔法って習ったかな?」

リサ

「解毒魔法ならあります早速使ってみます。」

リサが解毒魔法を使うために呪文を唱えようとすると

フリッピーが

「ちょっと待って毒ではなさそう。」

サイドそのパンダを見てみると

パンダはさっきよりも大きくなっていた。

コナン

「たぶんあのテイラジョストルとかいうやつの仕業だろ。見つけたらただじゃおかない。」

ベルン

「見つけたら昨日の分も含めてたっぷり大人の男のお仕置きをしてやる待ってろテイラー。」

シーラ

「全力で探すぞ。」

フリッピー

「彼女...」

コナン

「あいつの三人称は彼だ。」

フリッピー

「彼を探す前にしなければいけないことあるかも。」

先ほどのパンダを見るとパンダは檻を突き破るほどの大きさになっていた

パンダの巨大化を驚きのあまり眺めている内にパンダは檻を突き破った。

パンダの体長はゆうに18メートルほどある。

パンダはそのままどこかに走り去った。

ベルン

「まずいことになってる、早くあの男を捕まえなきゃ、きっとこの事態の解決策を知ってるんだ。」

リサ

「はい」

シーラ

「パンダを食い止める班とテイラーを探す班に分かれよう。」

ベルン

「テイラーを探す班に志願する。」

フリッピー

「私もテイラーを探す。」

シーラ

「では私はパンダを食い止める班になろう。」

サバロフ

「俺もそちらに廻る。」

コナン

「俺もそっちに行こう。ベルン、シーラが化け物退治の任務に志願したぞ変わってやってはどうだ。」

ベルン

「うるさい、俺は昨夜の因縁を解決したいんだ。」

コナン

(こいつはあの女装家にお仕置きしたいだけだな。)


ベルンはコナンとリサと一緒にテイラー探しに走った。

ベルン

「まぁ巨大パンダ退治には切り札がある。

そう勇者グランマーレさんと賢者イライジャさんに頼めばいちころさ

あんなの魔王ダーニッシュからしたら石ころどうぜんだろ。」

ベルンは早速、スマホで彼らにメッセージを送った。

各連絡先に

(おはようございますグレンマーレさん、昨夜はお世話になりました、実は上野動物園でパンダが巨大化して暴走して大変な騒ぎになっています。大至急駆けつけていただければ非常に助かります。)

続いて

(おはようございますイライジャさん、昨夜はお世話になりました上の動物公園でパンダが巨大化して暴走して大騒ぎ、おそらく我々だけでは食い止めることは不可能、ぜひあなた方の助けが必要です謝礼はずみます。)

ベルン

「これで何とかなる待っていろよテイラー。」

フリッピー

「これ見て、テイラーまた新しい動画あげた。」

ペンギンがいたずらされている動画である。



ペンギンにされたいたずら

数羽のペンギンは頭に袋をかぶせられていた。

思うように身動きが取れていない。

ベルン

「あの野郎、見つけたらただじゃおかない。」

フリッピー

「見てあそこ!!」

一方

上野動物園のとある建物の上にジェイソンの仮面を被った男女が4人ほど混乱する動物園内を見て

微笑んでいた。

ジェイソン仮面A

「実験は成功だな。」

ジェイソン仮面B

「この実験が成功したら大儲けできる。」

ジェイソン仮面C

「我々は闇落ちした存在、世界を混沌に変える存在。」

ジェイソン仮面D

「今回はその前夜祭にすぎぬ。」

そして皆、大喜びでハイタッチした



















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