第3話異世界士官候補生、東京観光男女共同演習(前編)

陰キャのイニエチェリが企画書を書いていた

東京観光男女共同で行う

今度はトラブルに巻き込まれないだろう

つよき身勝手少女のマリニキが現れた企画書の内容をチェックしていく

企画書は順調に進んで行き

いよいよ最終ページに到達した

「はい、最終ページですね。

この内容でお願いします。

では、早速実行に移して頂けますか?」

「ええ、任せてください」

イニエチェリに企画書を提出された

マリニキがチェックしたのは数回

何度もダメ出しをしてようやく完成した。

今回の旅はトラブルが無事に終わるといいな

という願いを込め

『旅先でトラブルが無事に終わる』

士官学校の食堂は和食や洋食や中華などがあってバリエーションが豊富

様々な国の料理も出てきて美味しい。

食堂では多くの士官と兵達が食べていて賑やかな感じだった

イニエチェリが

「やっと、今日で任務を終えられます!」

と嬉しそうに話した

マリニキも

「そうですね。」

と答えた

食堂には二人の他に数人の取り巻きがいた。

シーラそしてフリッピーも先に食堂で食事をしていた。

マリニキとイニエチェリは二人の混じって食事をした。

シーラは

「来月また東京に行けるのね」

と嬉しそうに話した

フリッピーは

「やっと、あの世界に行けるぞ。」

と嬉しそうにしていた

シーラは

「東京の料理は楽しみね、特にタピオカやバーサーカーバーガーなどは楽しみだ。」

フリッピーは

「白黒の熊みたいなパンダと言う動物がいる。」

マリニキは

「ああ、パンダね。」

「あれはとても可愛く優しい動物で

この前、パンダのぬいぐるみを買ったのよ。

パンダのぬいぐるみが私の癒しになってくれるわ。」

シーラは

「パンダのぬいぐるみが癒し?」

フリッピーは

「それ欲しいと」と言った。

マリニキは

「駄目よ。

ぬいぐるみは私のだから。

私のものだったら誰にもあげないわ。

今度、自分で買いなさい。」

シーラは

「それは、可哀想。」

フリッピーも

「それは、かわいそう。」

イニエチェリはずっと黙っている。

マリニキは食事を終えたイニエチェリに食器の片づけを命じた。

「イニエチェリ、片づけはあなたに任せるわ。」

イニエチェリは黙って片づけをした。

食事を終えた後、食堂のカウンターまでイニエチェリを引き連れて行った。

男子士官候補生の休憩時間が来たので教室に戻った。

食堂のカウンターには、男子士官候補生が集まっていた。

男子士官候補生と女子士官候補生は時間差休憩を取っている。

食堂のカウンターにはグロースとウルソムとサバロフがいた。

カウンターで全身鎧の給仕係を会話をしている。

全身鎧の給仕係にグロースは東京での感想を話した。

グロース

「東京はとても未来的で洗練された都市でした。」

全身鎧の給仕はかつて板前として料亭で修行をしていたそうだ。

「板前だったんですか?

東京の料亭で修行していたんだ。」

グロースは驚いた。

「そうなんですよ。」

「今度、東京に行ったときは料亭に行きましょうよ。」

全身鎧の給仕係

「私はあまり良い思い出が無いんですよね。」

グロースは

「良い思い出がない?」

全身鎧の給仕係

「板前の仕事がきつくてね、板前としての実力が足りなかったんですよ。

だから、辞めてこちらに帰ってきました。」

グロース

「そうなんだ。」

全身鎧の給仕係

「でも、東京の料亭で修行したから色々な料理の経験を積むことができた。

だから、今ではこうして士官学校で働いているわけです。」

グロースは

「へえ、でも板前の修業無駄じゃないと思います。現にいつもおいしい料理を提供しているじゃないですか。」

全身鎧の給仕

「ありがとうございます。

でも、やっぱり良い思い出は無いんですよね。」

全身鎧の給仕にグロースは

「でも、東京の料亭に行ってみたいです。」

と伝えた。

「そうですか?」

グロース、につづいてサバロフとウルソムは寿司を頂いた。

本日の寿司のネタは地雷ヒトデやレインボージェリーフィッシュや吸血トンボである。

どれもこれも美味である。

「これ、すごく美味しいな。」

サバロフが

「そうだね、これは最高だよ。」

ウルソムは

「地雷ヒトデなんて滅多に食べれないよごちそうだよ。」

グロースは

「このネタは何?」

全身鎧の給仕

「レインボジェリーフィッシュです。協商組合所属のハンターが東方で狩った魔獣です。」

グロース

「そうか。」

サバロフ

「グロースは東京で面白い物を見なかったかい?」

「いや、特に無いですね。板前修業に追われて余裕がありませんでした。」

ウルソム

「僕たちは東京観光の時にドワーフさんたちと一緒に秋葉原に行ったり各地廻ったりしたんだよ。

アニメ鑑賞したり酒盛りしたりしてそりゃ楽しかったな。。」

ウルソム

「僕は酒を飲んだり歌ったりして楽しかった。」

思い出話に盛り上がっている間に次の授業が始まった。


ハルト教授の基礎軍事訓練である。

ハルト教官はマッチョでとにかく暑苦しく熱血的で厳しい教官だ

今日も男子士官候補生は筋トレに励んだ。

「よーし、みんな気合入れて筋トレするぞー

筋肉を付けることが、軍人としての素質になるからなー

みんな頑張って筋トレするぞ。」

男子士官候補生達は必死に筋トレした。

サバロフは

「うわー、きついなー

筋トレはきつい大平原出身の僕でもきつい。」

ウルソム

「僕も同感だよ。へとへとだよ。」

グロース

「そうだな。

この訓練は辛いけど

これを乗り越えないと

この学校を卒業できないからな。」

サバロフ

「その通りだ。」

ハルト教授は

「よーし、みんな頑張って立派な筋肉をつけるんだぞ。

みんな頑張れば、将来

立派な軍人になれるからな。」

と言いハルト教授は憧れのボディービルダーの絵を生徒たちに見せた。

アメリカの黒人のボディービルダーチャンピオンの写真である。

「これが理想の軍人の姿だ。」

サバロフ

「あれが理想の軍人の姿なんだ。」

ハルト教授

ああ、その通りだ。

この筋肉を見て、、、、

この素晴らしい筋肉を見て素晴らしい軍人になることを目指せ。

それが諸君たちの目標の一つだ。」

生徒たちは

「はい、わかりました。」

と返事をした。

「よーし、それでは授業終了だ。」

とハルト教授は締めくくった。

「じゃあ、みんなお疲れ様でした。」

生徒たちは

「はい、お疲れさまでした。」

と言って訓練場を出た。

グロースはハルト教授に声をかけられた。

「グロース、今日は良い動きだったぞ。」

グロース

「ありがとうございます。

でも、まだまだですね。」

ハルト教授

「まあ、そう言うな。

お前は努力家だからな

いずれは立派な軍人になれるだろう。」

グロース

「はい。ありがとうございます。」

ハルト教授は続いて

「グロース、もし東京に行くことになったらフィギュア買ってくれないか?」

と聞いた。

グロース

「は?

フィギュアは好きですが、

何ですか、それ。」

ハルト教授

「ああ、すまんすまん。

実は、私はフィギュアが好きでね

フィギュアが欲しくてな。

生粋のアニメフィギュアコレクターなんだよ。」

グロース

「はあ、そうですか。」

ハルト教授

「実はね

東京土産に是非ともフィギュアを

欲しいんだ。」

グロース

「うーん、どうですかね。」

ハルト教授

「頼む、お願いだ。」

とハルト教授は頼み込む

ハルト教授の頼みをしぶしぶ聞いたグロース

今回は秋葉原に行く予定はなかった。

「はあ、分かりました。

買ってきますよ。」

ハルト教授

「本当か、ありがとう

楽しみにしているよ。」

ハルト教授

「ところでグロース

お前さんはフィギュア何を持ってんだ?」

グロース

「フィギュアですか?

持ってませんが。」

ハルト教授

「持ってないとは何て事だ。

お前さんも集めてみたらどうだ。」

グロース

「いえ、結構です。

そんなものに興味はありません。」

ハルト教授

「そう言わず

是非、集めてみたらどうだい?」

グロースは

「うーん、それは遠慮しておきます。」「ああ、僕もドワーフたちと秋葉原に行ったけど、アニメ観たりして面白かったな。」

ウルソム

「僕は酒を飲んだり歌ったりして楽しかった。」

そうこうしている間に次の授業が始まった。

ハルト教授の基礎軍事訓練である。

ハルト教官はマッチョでとにかく暑苦しく熱血的で厳しい教官だ

今日も男子士官候補生は筋トレに励んだ。

「よーし、みんな気合入れて筋トレするぞー

筋肉を付けることが、軍人としての素質になるからなー

みんな頑張って筋トレするぞ。」

男子士官候補生達は必死に筋トレした。

サバロフは

「うわー、きついなー

筋トレはきつい大平原出身の僕でもきつい。」

ウルソム

「僕も同感だよ。へとへとだよ。」

グロース

「そうだな。

この訓練は辛いけど

これを乗り越えないと

この学校を卒業できないからな。」

サバロフ

「その通りだ。」

ハルト教授は

「よーし、みんな頑張って立派な筋肉をつけるんだぞ。

みんな頑張れば、将来

立派な軍人になれるからな。」

と言いハルト教授は憧れのボディービルダーの絵を生徒たちに見せた。

アメリカの黒人のボディービルダーチャンピオンの写真である。

「これが理想の軍人の姿だ。」

サバロフ

「あれが理想の軍人の姿なんだ。」

ハルト教授

ああ、その通りだ。

この筋肉を見て、、、、

この素晴らしい筋肉を見て素晴らしい軍人になることを目指せ。

それが諸君たちの目標の一つだ。」

生徒たちは

「はい、わかりました。」

と返事をした。

「よーし、それでは授業終了だ。」

とハルト教授は締めくくった。

「じゃあ、みんなお疲れ様でした。」

生徒たちは

「はい、お疲れさまでした。」

と言って訓練場を出た。

グロースはハルト教授に声をかけられた。

「グロース、今日は良い動きだったぞ。」

グロース

「ありがとうございます。

でも、まだまだですね。」

ハルト教授

「まあ、そう言うな。

お前は努力家だからな

いずれは立派な軍人になれるだろう。」

グロース

「はい。ありがとうございます。」

ハルト教授は続いて

「グロース、もし東京に行くことになったらフィギュア買ってくれないか?」

と聞いた。

グロース

「は?

フィギュアは好きですが、

何ですか、それ。」

ハルト教授

「ああ、すまんすまん。

実は、私はフィギュアが好きでね

フィギュアが欲しくてな。

生粋のアニメフィギュアコレクターなんだよ。」

グロース

「はあ、そうですか。」

ハルト教授

「実はね

東京土産に是非ともフィギュアを

欲しいんだ。」

グロース

「うーん、どうですかね。」

ハルト教授

「頼む、お願いだ。」

とハルト教授は頼み込む

ハルト教授の頼みをしぶしぶ聞いたグロース

今回は秋葉原に行く予定はなかった。

「はあ、分かりました。

買ってきますよ。」

ハルト教授

「本当か、ありがとう

楽しみにしているよ。」

ハルト教授

「ところでグロース

お前さんはフィギュア何を持ってんだ?」

グロース

「フィギュアですか?

持ってませんが。」

ハルト教授

「持ってないとは何て事だ。

お前さんも集めてみたらどうだ。」

グロース

「いえ、結構です。

そんなものに興味はありません。」

ハルト教授

「そう言わず

是非、集めてみたらどうだい?」

グロースは

「うーん、それは遠慮しておきます。」

女子生徒と男子生徒の交流は基本的に禁じられている。

しかし、一部の生徒は男女を問わず、

交友関係を持つことがある。

恋仲に発展することも時々ある。

そのチャンスがグロースに訪れようとしていた。


次の休み時間、時間差休憩の合間を挟んで

グロースとある女子生徒が近づいてきた。

女子生徒

「グロース、話があるの

一緒に来てくれる?」

グロース

「うん?

どうしたんだ

一体。」

女子生徒

「いいから、ついて来て。」

グロース

「分かった、いいよ。」

と女子生徒はグロースを連れて行った。

女子生徒は人気のない場所にグロースを連れこむと名前を名乗った。

女子生徒は眼鏡をかけて三つ編みをしている。

イニエチェリであった。

女子生徒

「初めまして、グロースさんイニエチェリと申します。」

グロース

「君は確か

イニエチェリじゃないか

僕に何か用なのかな。」

イニエチェリ

「ええ、あなたにどうしても会いたくて。」

グロース

「え? 俺に?」

イニエチェリ

「私はあなたが気になって仕方がなかった。」

グロース

「こちらも気になって仕方なかった?」

グロースはその場しのぎでごまかした。

グロースは

「あ、そうなんだ。」

とごまかした。

イニエチェリ

「あの、もしよければこの手紙読んでいただけないでしょうか?」

とイニエチェリは切り出した。

グロース

「え? 僕とデートするの?」

イニエチェリは顔を真っ赤にして

「手紙を読んでからにしてください。」

陰で見ていたシーラとフリッピーがニタニタしていた。

その夜、宿舎でグロースは手紙を開いた。

その手紙の内容はこうであっ「東京観光男女共同演習」の企画書に書かれていた内容と同じものだった。

グロースはその手紙に

「イニエチェリ、ありがとう

君の気持ちはとても嬉しい。」

東京観光男女共同演習の内容は以下の通りである。

・男子生徒は女子生徒とペアを組んで東京観光をする。

・東京観光が終われば女子生徒は男子生徒に帰国する。

・男子生徒は女子生徒のサポートを見る。

・男子生徒は女子生徒の間のチームワークと連携w。


東京観光男女共同演習は特例を以って生徒会と理事会を通して承認されている。

グロースはウルソムとサバロフと共にこの企画の内容について話し合った。

ウルソム

「これは、大変なことだぞ

女子とデートできるチャンスだぞ。」

サバロフ

「確かに大変だけど

これって女子とデートできるチャンスだよな。」

グロースは

「イニエチェリのことは知っているよな

彼女は真面目で努力家で

僕達のこと応援している存在だ。

でみんな神聖な演習をどうしてデートにつなげるんだよ。」

サバロフ

「グロースの言うことも分かるが

でも、これはデートのチャンスだろ

せっかくのデートのチャンス

逃したくないじゃないか。」

ウルソム

「確かにその通りだよね

せっかくの機会なのに

この機会を無駄にしたくないよね。」

グロース

「それは分かっている。今回の東京観光は前のとは違って男女共同で行う代物だ。

理事会公認と会って士官学校の名に恥じない行動をする必要がある。」

サバロフ

「そうだな。」

グロース

「ということで、僕はこの機会を利用してイニエチェリと仲良くなりたい。

だから、みんな仲良くしてくれよ。」

サバロフ

「分かったぞグロース

僕も全力で協力するよ。」

ウルソム

「僕はマリニキのことがちょっと気になるな。」

グロースは

「シーラなら問題ないと思うけど

マリニキについては

あんまり近づかない方が良いと思うな。」

ウルソム

「そうだね、分かった。」

サバロフ

「では、この件はこれで決定だな

みんなで仲良くしよう。」

サバロフは

「よし、今日も気合と根性と信仰心を以って訓練に励むぞ。」

と気合いを入れた


別の日、マリニキが休みの合間を縫ってグロースとサバロフのもとにやってきた。


マリニキは

「あなたたち企画書は読んだの?」

グロース

「読んだよ。」

サバロフ

「読んだよ。」

マリニキ

「じゃあ、分かっているわね

今回の旅は前回のトラブルは起こさせないわ

今回はお互いの関係を深めるための旅よ。」

グロース

「分かりました。」

サバロフ

「よーくわかりました。マリニキさん。」

マリニキ

「サバロフと言いましたわね、今回の東京観光男女共同演習、あなたは参加しない。」

サバロフ

「へ? 何でですか。」

マリニキ

「あなたは今回の東京観光男女共同演習は別のメンバー別の日に行ってもらうは。」

続いてマリニキはグロースたちに2通の書類を見せた。

グロース

「これは。」

その書類には東京観光男女共同演習の参加メンバーの割り振りが書かれていた。

グロースは

「どうして、サバロフが僕とイニエチェリとは別で行くように書かれてるんですか。」

マリニキ

「彼は私と一緒で別のメンバー別日で行ってもらうの。」

グロース

「何故なんですか、理由を説明してください。」

マリニキ

「演習において最大の成果を出せるようにこちらは人選しました。」

グロースは

「どうして、こんなことが。

マリニキさん。」

マリニキは

「今回の旅はこれまでの旅の失敗を繰り返すことなく成功させなくてはならないのよ。」

グロース

「今回の旅は確かに公認、失敗は許されない、ハルト教官からも買い付けを頼まれているからな。」

マリニキは

「そう、だから失敗は出来ないの

今回は特に失敗は許されないのよ。」

マリニキは

「だから、この企画書の内容は絶対に守り抜くわよ

そして、今回の旅を成功させるわ

失敗は許されないのよ。」

そう言って、マリニキは去った。

グロースは改めて企画書に書かれているメンバーの構成を見た。

グロースが

「マリニキさんは何故サバロフが僕とイニエチェリのパートナーになったのが不満なのだろうか?」

と首をかしげた時である

窓からフリッピーが忍び寄って話しかけてきた。

フリッピー

「このメンバー構成はマリニキが一方的に決めつけてきたもの。」

「彼女は今回のメンバーを事前に決めていた。」

とフリッピーは話した。

グロース

「そうなのか?」

フリッピー

「ああ、そうだ。」

グロース

「それは、どういうことなんだ。」

フリッピー

「どうもこうも、マリニキの企画した東京観光男女共同演習は表向きは演習だけど本当は学校内恋愛したいだけ。」

グロース

「そんなことのために企画したのか?」

フリッピー

「そう、そういうことさ

彼女は学校内で相手を探してるんだよ

だから、今回の東京観光男女共同演習を企画した。

企画書を書いたのは全部イニエチェリなんだけど。」

グロース

「そうなのか!」

続いてグロースが質問

「今度の東京観光男女共同演習の参加メンバーは俺とウルソムと女子側はイニエチェリとマリニキになっているのもそういうことなのか?」

フリッピー

「そうなるかな。」

続けて

「マリニキは今回の参加メンバーの割り振りをイニエチェリに書かせた。」

グロースは

「君は次の東京観光男女共同演習に参加するみたいだね。」

企画書のメンバー構成はこうなっている。

男子メンバー

サバロフ コナン ベルン

女子メンバー

シーラ フリッピー

男子メンバーの方が1人多い。

女子メンバーは3名。

シーラとマリニキとイニエチェリである。

サバロフはマリニキと共に別のメンバーで東京観光を行うようだ。


フリッピー

「まあ、僕はシーラが好きだからねよかったと思っている。」

グロース

「君たちが仲がいいのは遠目で見てもわかる。マリニキとは無理に付き合わされている感じはするけど。」



フリッピー

「あまり気にしないで、イニエチェリはマリニキにいつも振り回されてかわいそうだなって思っている。」


グロースは

「そうなのか。」

とフリッピーは

「イニエチェリは一応あれでもクラスの委員長。」

と話を締めくくった。

グロース

「なるほどな。

それはつまりイニエチェリがマリニキの言うことを聞かないとまずいってこと?」

フリッピー

「そう言うことかな。イニエチェリは真面目だからさ。」

フリッピーは

「明日の東京観光男女共同演習頑張ってね。」

と話を締めくくった


グロースはマリニキとの東京観光男女共同演習に不安を募らせた。

そしてイニエチェリが前の東京観光で相当振り回されて苦労したことに対して同情した。

だが、今回の東京観光はマリニキの手腕によって、うまくいくであろうかとグロースは考えたのであった。

そして、その翌日の午後。

「みんな準備は出来た?

それじゃあ出発よ。」

マリニキはグロースたちを連れて東京観光男女共同演習へと向かった。

東京に行くには異世界ゲートをくぐる必要がある。

当然、入管からは滞在理由なども聞かれる。

マリニキは企画書と士官学校の理事会公認の書類や滞在許可証などを見せた。

「今日はこの学校の生徒による東京観光よ。

生徒会の活動の一環なのよ。」

と説明した。

「そうですか、学生旅行ですね。」

マリニキは

「そうなのよ。

学生旅行なの。

学生たちは東京観光を楽しみにしていたのよ。」

マリニキは周りのことを一切気にせずに自分のペースで一方的に周りを振り回す。

リーダーシップにすぐれたグロースでも対応に困る。

グロースたちは今回もアミュレットを身に付けて勇気をもって異世界ゲートをくぐった。


今回も順調にゲートをくぐることができた。

グロースたち一行は、ゲートをくぐって、東京駅前の広場に出た。

マリニキは

「よし、それじゃあ

みんな行きましょう。」

と声をかけた。


ピエロが人力車を引いてこちらに向かってきた。


「マリニキさん、おまたせいたしました。」

マリニキは

「来たわね。」

グロースたちは人力車に詰め込まれた。

「それでは行きましょうか。」

マリニキ

「そうよ。」

マリニキは

「さあ、出発よ。」

とピエロの人力車に乗った

ピエロは申した

「私はあなたたちと同じ世界の出身で道化の出のものです。今は東京で道化人力車引きとして生計を立てています。」

マリニキ

「彼の名前はイワンゴトフリート、道化でありながらすぐれた奇術や魔術の使い手、その上、日本語と英語が堪能超有能ガイドよ

おそらくサバロフの子分のダックマンの上位上位互換それ以上の能力を誇るかしら、今度の観光ガイドは彼に任せておけば安心安全間違いないは。」

グロース

「すごい能力の持ち主だね。」

マリニキ

「そう、そうよ。

だから安心して案内して貰いなさい

さあ出発よ。」

ピエロの人力車が走りだした。

「行き先はどこですか?」

グロースは

「えっと、秋葉原です。」

マリニキ

「ちょっと待ちなさい、私は池袋に行くたいの、グロース勝手に行き先言わないでくれる。」

グロース

「えっ! いや、僕は行きたい所に行きたかったんだけど

マリニキさんが行きたいなら

それでいいんだけど。」

マリニキ

「何を言っているのかわらないわね

私の希望を聞いてくれればそれでいいのよ

さあ、イワンゴトフリート

私達も池袋に行きましょう

池袋へ行きなさい。」

イワンゴトフリート

「これからはイワンでいいですよ。では池袋に参ります。」

人力車は急発進したそのスピード、通常車両と肩を並べるほどのスピード

いやそれ以上のスピードである。

ウルソム

「イワンさんの人力車、自動車を追い越しているけど大丈夫なのかい?」

イワン

「法定速度を守っているから大丈夫ですぜ。」

ウルソム

「すごい速さですね。」

イワン

「はい、法定速度は守ってますから大丈夫ですぜ。」

人力車はそのスピードを維持したまま走り出した。

マリニキ

「いいでしょうねえ

私の好きなアニメショップもいっぱいあるわよ

池袋は秋葉原を肩を並べるアニメの聖地。」

グロース

「秋葉原にサブカルの精気を吸い取られている印象を持つけど事実だね。」

マリニキ

「そうね、サブカル文化は秋葉原だけじゃないのよ

池袋も秋葉原ほどじゃないけど、サブカル文化は息づいているのよ

私の大好きなアニメショップもいっぱいあるのよ

私が好きなのは、ホワイトホール、ガンビットサイドというサブカルショップよ

早速行きましょう。」

一行は予想以上の速さで秋葉原にたどり着いた。

グロースたちはイワンが運転する人力車で池袋に到着した。

「さあ、ここからは歩きで行きましょう

私の行きつけのアニメショップがそこにあるから案内するわ。」

マリニキは

「ついて来て。」

と言って先導し、一行はマリニキの行きつけのアニメショップへ向かった

マリニキ

「ほら、ついたわよ。」

マリニキは

「さあ、皆さんと一緒に中に入ってください。」

中に入ると棚にはフィギュアやポスターなどのサブカルグッズがあふれかえっていた。

「ここなら、私が好きなアニメのグッズがあるわさっそく買い漁ろう。」

グロースとウルソムはマリニキについて語った。

ウルソム

「マリニキさんよくあれだけ買うねさすがお嬢様。」

グロース

「僕らと経済力が違うよ。」

ウルソム

「僕らって言うけど、僕たちも一応、貴族階級でもマリニキさんは上級階級の中の上流階級だね。」

グロースは

「そうだね。」

ウルソムは

「マリニキさんの家は確か大企業も経営しているよね。」

グロース

「そうだね、確か石油関連でかなり稼いでいるはずだよ。」

ウルソム

「マリニキさんの家はお金持ちだものね。」

見覚えのある異世界人の集団とアニメショップで出くわした。

グロース

「ウルソムあれはたしか協商連合の連中じゃないか?」

ウルソム

「そうだね、彼らはギルドや商工組合を統括する協商連合の幹部クラスに違いない。」

グロース

「以前、会ったことがありそうな奴がいるような気がする。」


ウルソム

「確かにそう感じるね

彼らも僕らと似たような境遇でこの世界にいるんだろうね。」

グロースは

「そうだといいんだけど。

僕もそう思った。」

その後、マリニキは大量にグッズを購入して上機嫌で外に出た。

「さあ、皆さんに美味しいもの食べさせてあげるわよ

美味しいもの食べましょう。」

マリニキは

「さあ、付いて来なさい。」

とマリニキは一行を引っ張っていった。

マリニキ

「皆さんに紹介しましょう

私の行きつけのカフェ、ここはとても美味しい料理を出すのよ

さあ、皆さんどうぞ。」

マリニキがグロースたちを引っ張っていった場所はコンカフェである。

イケメンばかりが集まるタイプのコンカフェである。

マリニキは

「ここのメニューは最高なのよ

しかもイケメンが揃っているの

私はイケメンが好きなの。」

グロース

「僕はイニエチェリが好きですけどね。」

マリニキ

「あら、あなたはイニエチェリを好きなの。」

グロースは思わず口が滑った

イニエチェリは顔を紅潮させた。

マリニキ

「あなた達恋人なの?」

グロース

「いいえ。」

イニエチェリは顔を左右に振った。

恋話はさておきコンカフェで美男子たちによる徹底的なおもてなしが始まった。

「皆さんこんにちは、本日はお越しいただきありがとうございます。」

美男子のコンカフェ員が全員出てきて歓迎の挨拶をした

マリニキ

「今日は皆さんも来てくれてありがとう。」

コンカフェ員は

「ようこそお越しくださいました

本日はいかがいたしましょうか?」

マリニキは

「今日のオススメは?」

コンカフェ員は

「今日のオススメは

「イケメン餃子」

『イケメン特製カツ丼』

『イケメン特製ラーメン』

イケメンシェフが創り上げるイケメン料理になります。」

マリニキは

「そうね

じゃあ、皆さんと一緒に

「イケメン餃子」

『イケメン特製カツ丼』

『イケメン特製ラーメン』

でお願いするわ。」

コンカフェ員は

「承知しました

では、少々お待ち下さい。」

と応えた

それからしばらくするとマリニキたちをもてなすコンカフェ店員が自己紹介をしてきた。

イケメンの店員は黒猫の猫耳のアクセサリーを付けている。

「マリニキさん御一行ご来店ありがとうございます。

本日、おもてなしを担当させていただきます。グリニーと申します。」

マリニキは

「よろしくね。グリニー。」

グリニーは

「今日はマリニキさん御一行がいらしてくれたことに感謝感謝感激雨嵐でございます。」

続けて

「本日のメインは

「イケメン餃子」

『イケメン特製カツ丼』

『イケメン特製ラーメン』

でお願いします

この3品をぜひご賞味くださいませ。」

マリニキは

「そうね、楽しみにしてるわね。」

マリニキ、グロースは初めて食べるラーメンやかつ丼の味に大感激した。

イニエチェリに至っては涙を流していた。

その様子をイケメンコンカフェ員は微笑ましく見守った。

マリニキは

「さあ、次はどこに行きますか?」

ウルソム

「次は映画に行こうよ。」

マリニキ

「良いアイディアね。

一度映画ってものを見たかったしね。」

グロース

「僕は、アニメの映画を見たいな。」

ウルソム

「じゃあ、僕もアニメ映画見たいな。」

マリニキは

「映画は私もしたいと思っていたのよ

ちょうどいいわ、行きましょう。」

グロースは尋ねた

「マリニキはたしか東京の地元の学生に質問とかしていたけど

どうしてできたんだ。僕たち日本語理解できないよ。

ウルソム

「今日も、コンカフェでコンカフェの店員さんなんで僕たちの世界の言葉を

話せるんだろうって不思議に思ったどうしてなんだろう。」

マリニキ

「それはねイニエチェリのおかげなんだ。さあ言いなさいイニエチェリ。」

イニエチェリはぼそぼそと語った。」

「私の魔術のおかげなんです。この世界の言葉を私たちの世界の言葉に音声翻訳できる魔術を

事前にかけておいたのです。」


グロース

「そうなのか! それは凄い。」

マリニキは

「そういうわけで彼らの話す日本語が

私達の世界での言葉に脳内で翻訳されているわけなの会話をしているわけなの

だから、会話に問題は生じないわ。」

グロース

「そんな高度な魔術をイニエチェリは使えたんだね。」

マリニキ

「彼女は魔術の才能に長けていますのよ。」

グロースは

「そうなんだね。」

イニエチェリは小さな声で照れくさそうに

「ありがとう、、、ございます。」と言った。

マリニキ

「それで、グロースは

『アニメ映画』が見たいと言ったけど

具体的にどのアニメ映画の何が見たいの?」

グロースは答えた

「僕は最近話題のアニメ映画を見たいな。

『銀河鉄道000』って映画を見たかったんだ。」

マリニキ

「『銀河鉄道000』ね、いいわ

それじゃあ、皆で『銀河鉄道000』見てみましょう。」

しかし映画館で「銀河鉄道000」は当然、上映されていなかった。

ウルソムは疑問に思ったことを話した。

「もしかして僕たちの東京観ってすごい時代錯誤じゃないかな?」

マリニキは

「確かにそうね、原宿に関しても、山姥メイクのギャルやタケノコ族なんて見かけなかったし。」

グロース

「人力車って乗り物も100年以上前の東京で盛んに走っていた乗り物だってピエロのイワンさんも

おしゃってたし、最初、東京に来る前は人力車が東京のいたるところに走っていたと思っていたし。」

ウルソム

「僕なんて、東京は芸者と侍がいたるところにいるって思っていたからね。」

イニエチェリ

「私は日本のサブカル文化は知っていたし、この世界の情勢も詳しいと自負するけど。マリニキ

「どういうことよ。」

イニエチェリ

「私たちの世界の人間は東京を含め東京を統治する日本そしてアメリカや中国などの外国の情報すべてがゆがんだ形で伝わっています

。」

マリニキは

「どういうこと?」

イニエチェリ

「私たちは情報弱者そして情報弱者ゆえに東京やこの世界を詳しく知る者に搾取されていることもあり得ます。」

グロースは

「情報弱者ってどういうことだ。」

イニエチェリ

「情報に疎いことをいいことにこの世界の商品を法外で売りつける人間、そして商品だけでなくて情報などを高額で売りつける人間がいるってことです。」

グロース

「僕たちの世界、ウィラリアでか。」

ウィラリアとはグロースたちが暮らす異世界の名前である。

池袋の町を歩いていると中国人が商品をひたすら爆買いしている。


グロース

「日本人って大金持ちだよな、たしか世界中でもああやって高価な品物を大人買いしているんだろ。」

イニエチェリ

「グロースさん、今の時点で情報弱者確定です。」

グロース

「どうしてそう言い切れる、金持ち=日本人だろ。」

イニエチェリ

「それは30年近く前の話です。今の日本人は国際的に見てそんなにお金持ちじゃありません。

あの方たちは隣の国の中国から来た人です。」

グロース

「でも本では日本は空前絶後の経済発展を遂げて経済大国として君臨して好景気でみんな豊かで羽振りがいいって書いていたよ。日本に行った人も同じことを言ってたよ。」

イニエチェリ

「私たちの世界の情報技術ってどうしてこんなにも未熟なんだろう。

すごい昔の情報ですよ。」

マリニキ

「前にいる集団見て、協商連合の関係者だわすごい荷物の量。」

ウルソム

「興味深い話をしている気がする。」

遠目で協商連合の関係者たちが多くの荷物を持って道を闊歩していた。

彼らの話の内容はいかにも羽振りのよさそうである。

グロースは疑問に思った。

「あの人たちって確か、協商連合の関係者だよね。

何でこんなに大量の荷物を持って歩いているんだろう?」

イニエチェリ

「私たちと同じですね。」

グロース

「とにかく隠れよう。」

グロースたちはとっさに物陰に隠マリニキ

「みんなせっかくだからさこの際、尾行してこっそり隠れて協商連合の関係者の話を盗み聞きしない?」


イニエチェリ

「『隠密行動』は得意です私ならばれません。

グロースさんが一緒ならば可能でしょう。」

グロースは

「僕も大丈夫だと思うよ。」

マリニキ

「ウルソムはどうするのよ。」

尾行するの賛成した

「尾行したい。」

イニエチェリ

「マリニキとウルソムは私とグロースさんに隠れてもらいましょう。

尾行するなら気配を消す術が必要ですから。」

ウルソム

「『隠密行動』は僕にも出来るから安心してね。」

グロース

「たしか、シーベリ教官の隠密行動やスパイの授業思い出すな。」

マリニキ

「そうよ、シーベリ教官のお陰で 隠密 の基本をしっかり叩き込んだは。」

イニエチェリ

「『隠密行動』には自信がありますし。

グロースさんがいれば問題ありません。」

ピエロのイワンもまた隠密行動に協力してくれた。

イワン

「隠密と言えば変身はどうでしょうか?

あなたがたはウィラリア人は大柄、そして色も白い、日本人の姿、体型にする変身魔法を施しますが

いかがでしょうか?」

グロース

「イワンさんお願いするよ。」

グロースは変身魔法をイワンに頼んだ

イワン

「変身魔法をおこないますよ、では

『変身!』」

グロースはみるみるうちに日本人男性に変身した。

本来の210センチほどの身長は170センチほどになり17歳の日本人の男子高校生の見た目になった。

グロース

「どうだろう?

日本人の高校生ってこんな感じかな?」

イワン

「素晴らしいですよ

『変身魔法』」

つづいてマリニキがイニエチェリが女子大生の姿に変身した。

身長160センチ前後のどこにでもいそうな日本人女子大生に変身した

続いてウルソムも変身した。

ウルソムは日本人ではなく浅黒い東南アジアの小柄な女子に変身した。

ウルソム

「僕男だしなんで女子に変身するの、それに日本人じゃないよねこの見た目。」

イワン

「隠密の基本は目立たず忍び込むため

ウルソムさんの場合は

この姿が一番のベストですよ。」

ウルソム

「僕の場合、ちょっと疑うな。」。

ウルソムはかなり恥ずかしそうです。

実質女装しているようなものである。

グロースたちはこっそり協商連合関係者の後を付け会話を盗み聞きした

協商連合達はウィラリア人たちがいないことをいいことに言いたいことをひたすらしゃべる。

身長230センチほどで肥満体型で顎髭を生やした男が話す

「それにしても大漁だな、これをウィラリアで転売すれば大儲けできるぞ。」

つづいて身長220センチほどでマッチョでスキンヘッドで肌が透き通るほど白い男が

「そうだなゴメスこの東京で買い占めれば、ウィラリアは大儲けの宝庫になるぞ。」

ゴメス

「そうだな、ブレッヘン、ウィラリア人の大馬鹿者にこれから転売かけるぞ。」

ブレッヘン

「この東京の品物は高値で売れるからなぁ。」

身長210センチで長髪で険しい顔の男が

「ウィラリアの奴らはみんな大馬鹿者だ。

何せ、東京のまがい物を数十倍の値段で買いやがる。」

ゴメスは

「クロイゼルング、だから俺たちがこの東京で大量に買い占めておけばウィラリアの馬鹿相手に大儲けができるぞ。」

協商連合関係者は笑いが止まらないようだ。

グロースたち一行は、彼らについて尾行した。


協商連合の面々はカフェに入店した。

グロースたちも続いて入店した。

グロースたちは彼らに怪しまれないように隣ではなくて近くに席に陣取った。


「あいつら何を話しているのか気になるところだ。」

イニエチェリ

「『魔力感知』を使うべきでしょうか。」

マリニキ

「『魔力感知』は使えないの?」

イニエチェリ

「私は『魔力感知』はあまり得意ではないんです。

だからあまり上手く使えません読唇術を使うべきだと思います。」

ウルソム

「僕は聴力はいいよ。」

グロース

「読唇術とわずかに聞こえる会話の内容を聞き取るしかないな。」

イニエチェリ

「私も読唇術と聞き取れそうな声を拾います。

みなさん耳を澄ましてください。」

ゴメス

「俺たちは大金持ちになるぞ、ウィラリア人を騙すんだからな。」

ブレッヘン

「転売で大儲けしたお金が全部俺たちの利益になるとは限らない協商連合のお偉いさんは今、ウィラリアの諸国の国家制度を転覆させる勢に資金提供をしている最中なんだぜ。」

クロイゼルング

「こっちの世界からウィラリアに異世界転移している輩も多いからね。」

ゴメス

「協商連合は彼らを庇護いや利用して勢力拡大中ってわけだ。なぁクリーゼ」

4人目の男が口を開いた。

ツーブロックヘアーで鋭い目をしている。

クリーゼ

「とにかく協商連合はウィラリアの封建制度を快く思っていない。こっちの世界の博士号崩れや異端研究者や亡命志望の作家や学者を数多く招致して技術と政治制度の整備中だ。」

ブレッヘン

「エンジニアや技術開発者も忘れてはいけない、彼らのおかげで協商連合の息のかかった領地には工場が新設されている。ウィラリア人はこっちの世界の連中に比べて低賃金で働いてくれるので、安価な製品がどんどん作れる。」

クロイゼルング

「こっちの製品を買い占めいる理由は転売することだけが目的ではない、エンジニアたちが最先端の製品を分析研究することで協商連合そして我々と提供している諸侯の領地で素晴らしい製品を生み出す工場が続々建設。」

ゴメス

「資金も潤う、技術も手に入る、ウィラリアに来るのは日本人だけじゃない、むしろ日本人はごく少数、中国人やインド人が圧倒的と言った方がいいかな。」

ブレッヘン

「そうだ、我々こそこそが世界を支配する。

ウィラリアは我らにとって都合の良い土地だ。」

クロイゼルング

「諸王国の国家転覆、革命家による新国家建国、だが本当の支配者は我々協商連合。」

クリーゼ

「我々が世界を支配する。」

協商連合の幹部たちは大笑いして席を立った。

こうしてグロースたちは彼らの話を盗み聞きした。

彼らは席を立った。

グロースたちは彼らが去っても尾行を継続した。

マリニキ

「あいつらは一体どこに向かっているのかしら。」

グロース

「考えている暇はない「いい話を聴けたね。この話が事実としたら士官学校に報告すべきだね。」グロース

「大手柄であることは間違いないとにかく尾行するぞ。」

マリニキ

「やっぱりこの演習を企画して正解だったわね、マリニキ超天才。」

イニエチェリ

「グロースさんの言う通りです、とにかく尾行を続行しましょう。」

しかしグロースたちの行動は協商連合の幹部にばれていたようだ。

協商連合は速足でグロースたちから離れた。

ゴメス

「それにしてもあいつら俺たちの話を盗み聞きしていたな。」

クロイゼルング

「あの程度のひよっこが我々の聞いたところで何になる。」

クリーゼ

「でも士官学校候補生だって話だぜ、報告とかされたらやばいんじゃ。」

ブレッヘン

「たしかに報告されたらまずいな、我々がしていた会話は大いなる計画の片鱗を語っていたに過ぎないが

この会話の内容が外部に漏れたらわずかだが多少悪影響が出るだろう、芽は摘んでおかないといけないな。」

クロイゼルング

「奴ら、池袋に来た時にもうすべに我々の包囲網に引っかかっているとは気づいているとは知らずに。」


速足で歩く彼らを見てグロースたちは勘づかれていることを悟った。

その瞬間背後から何者かがグロースたちを攻撃した。

いわゆるバックアタックである。

「何なんだこいつらは?」

グロースは反撃した

奇襲を喰らって思うように攻撃が当たらない。

軽快な動きをしている。

敵の体は全身、マントを覆われておりマスクをかぶっている。

マリニキ

「こいつら強すぎでしょ。」

グロース

「確かに動きが速い。

マリニキやウルソムを守らないと。」

ウルソムも防戦一方で苦戦中である。

闘っている最中にも増援が数人やって来た。

「こいつら何者なんだ。」

マリニキもイニエチェリもウルソムも防御に専念し攻撃を回避しているものの、攻撃に転じない

戦闘中にもさらに敵の増援が加わり、敵の数は膨れ上がっていた。

マリニキたちもグロースたちも攻撃に転じることが出来ず

イニエチェリは

「撤退しましょう、ここはまずいです。」

グロースたちは撤退を余儀なくされた。

「イニエチェリの言うとおりだ、ここはまずい。撤退しよう。」

マリニキ

「そうだね。」

撤退しようとした瞬間、マリニキは敵の素早い攻撃がかわせず膝を刺された。

さらにウルソムもまた肩を刺された。

イニエチェリは喉元に刃物を突き付けられている。

グロース

「撤退も難しいかどうする」

敵は勝利を確信したのか、マスクを脱いだ。

そして自己紹介

「はじめましてトミーと申します。」

トミーは

「我々はあなた方が協商連合幹部の会話は盗み聞きしていましたので

排除するべく送り込まれた刺客だ。」

続いてもう一人の刺客がマスクを脱いだ。

グロースたちはその姿に驚いた

先ほど、コンカフェでグロースたちを接待していたイケメンのグリニーが眼前に居た。


グリニー

「はい、はじめまして

コンカフェで働く姿はかりそめの姿、協商連合所属の諜報部隊兼

実は僕、この刺客部隊の隊長なんですよ。」

グリニーはウルソムの首元に刃を近づけた。

トミー

「我々はあなた方に消えてもらった方が都合がいいのです。」

マリニキたちは

「どういうことよ!」

グリニーは

「一つ目は片鱗ではあるが我々の計画を知ったこと

二つ目は推測ではあるが将来、我々に牙をむく可能性があるということ、

あなた方は我々の邪魔をする可能性があるから消すそれだけです。」

マリニキは

「そんな、そんなことない。」

トミー

「我々は嘘をつきません

あなた方が今後、我らの障害になると判断したのです、

そしてあなたは我々の脅威となり得るので排除する。」

ウルソム

「グリニーさんだっけちょっと質問していいかな、どうしてコンカフェで働いていたんだ?」

グリニー

「僕はこの世界の情報を集めるために派遣されたんですよ。

そしてあなたがたは偶然、私のコンカフェにやってきた。」

トミー

「たまたまグリニーが働くコンカフェにやってきたのが運の尽き。」

マリニキ

「マークしたってこと?」

トミー

「ええ、あなたがたは私どもにとって今後、害悪な存在である可能性が十分あります。

なのであなた方には消えてもらう、それが私たちの結論です。」

グリニー

「我々はあなたに危害を加えようとはしませんよ、ただあなた方は消えてもらうだけです。」

ウルソム

「ごたくはいいからさちょっと聞くけど君たちの仲間って東京の他の店でも店員をやったりしているの。」

トミー

「その通り、我々はこの世界を調査する為に世界中で働いている。。」

ウルソムの押し問答はまだまだ続く

ウルソム

「グリニーに聞くけどコンカフェの仕事きり上げてわざわざ僕たちを始末したの?」

グリニー

「店長には早退するって申して駆けつけてきました。」

ウルソム

「君たちもウィラリア人、イニエチェリと同じ翻訳魔法使えるのかな?」

トミー

「もちろん使えますよ、この世界で活動するには必須ツール

それがどうしたのです。」

ウルソムはさらに続けて

「もし君たちが働く店に入っていなかったら僕たちはマークされなかったそれでいいかな?」

トミー

「そうなるでしょうね。」

マリニキ

「私たち二度もこんな厄介ごとに巻き込まれるなんて運悪いイニエチェリお前が悪いんだからねこの疫病神。」

イニエチェリ

「ひどいですよマリニキさん、あなたがコンカフェに行ったからマークされてその結果がこれですよ。」

マリニキ

「イニエチェリのくせに生意気な後で覚えていなさい。」

グロース

「喉元にナイフ突き付けられてこの余裕、どことなくたくましい。」

グリニー

「あなたたちが店に来店してとにかく秘密を知られた以上

あなた方のような不確定要素は消さないといけません。」

ウルソム

「ちょっと待って、たぶんこれが最後に質問になると思うよ、店員として働いて情報収集などをしていることはよーく分かった、情報収集以外に店員として働いている理由って他にあるの?」

グリニー

「ええ、給料がいいですね、給料の一部をウィラリアの家族や僕の場合は資金源にしていますね。」

トミー

「お前くどくど質問してくるな、始末できないじゃないか。こっちはささっと始末したいんだよ。」

ウルソムは何かをするために時間稼ぎをしているようだった。

ウルソム

「なるほどね、じゃあ、君たちの行動の全ては情報と資金獲得が目的か」

グリニー

「ええその通り

でも、あなたたちの質問攻めももう終わりにしましょうか。」

トミー

「さっさと始末するぞグリニー!」

トミーはマリニキにナイフを向けた

「はい。」

グリニーは

「ではお別れです。」

その瞬間、パトカーの音がなり警察が駆けつけてきた。

マリニキたちは窮地を脱することができた

ウルソム

「ありがとう。」

マリニキ

「感謝するよウルソム

あんたのおかげで助かった。」

イニエチェリ

「本当に助かりました。」

ウルソム

「店を出る時、また大騒動が起きそうだって予感したから、事前に通報しておいたよ。」

グロース

「本当に助かグロース

「それはさておき俺は演習を切り上げて僕たちが聞いたことを報告すべきと思っているんだけど君たちはどうお考えかな?」

イニエチェリ

「同感です。」

ウルソム

「同感だね、大手柄だよ。」

マリニキ

「私は反対よまだまだ1日目、まだまだめいっぱい東京観光楽しまなきゃ。」

ウルソム

「『不慮の事故』が起こってしまえば仕方ないでしょう、でもグロースはどう思う?」

グロース

「『不慮の事故』は困る、僕はまだ死にたくないんだ。」

マリニキ

「死にたくないって臆病風吹かすなんて士官らしくないね。」

イニエチェリ

「これ以上の踏み込んだりしては『不慮の事故』が起こる危険性も高くなりますし

ここは撤退すべきです。」

グロースは

「そうだな、ここで死んだら元も子もないからな。では撤退、、、、、」

その時、警察がグロースたちの前に合わられて職務質問

警官

「あなた方学生ですか?」

イニエチェリ

「『はい』」

警官

「先ほど、ウィラリア人の被害届によりあなたがたに窃盗容疑が掛けられています。」

グロース

「『どういうことですか?』」

警官

「あなた方はこのウィラリア人が所持していた貴重品を盗んだとのことですが本当でしょうか。」

マリニキ

「『私たちは関係ありません。』」

警官

「あなたは学生証を提示なさい。」

グロースたちは焦った、今の日本人の姿で元の士官学校の学生証を見せても

不審者扱いされて警察に逮捕されるであろうことが想像できるからだ。

万事休すかグロースは確信した。

警官

「『学生証を出さないと逮捕するぞ』」

警官

「そうか、ならば連行だ。」

警官はグロースたちを逮捕して池袋の警察署まで連行した。

署の受付カウンターには制服姿の女性と

スーツ姿の女性がいた

彼女は逮捕した警察官と話し合いをしていた。

スーツ姿の女性は大柄でどことなくウィラリア人の風貌をしている。

背も2メートルを超えているようだ

彼女はウィラリアの女性だった。

逮捕されたグロースたちは身元不明の学生いや日本人の若者に過ぎない。

警察官は身元調査を行っている。

スーツ姿の大柄な女性は署員から事情を聴いていた

署員

「『今しがた、ウィラリア人から貴重品を盗んだとの被害届が出て、

犯人は推察するにあたり日本の大学生、高校生と思われるこのグループ4人に間違いありません。」

署員

「どうしても彼らの名前、出身地の身元が特定できない。」

署員は困惑した表情をしている。

留置所に入ったグロースたち

「どうしよ、このまま留置場に入れられて日本の裁判所に引渡されて

日本の刑罰で裁かれるかもしれない。」

マリニキ

「『さあ?』」

ウルソム

「今、ここに僕たちだけしかいないことだ。」

マリニキ

「4人部屋だから当然よ。」

グロース

「とにかく脱出することを考えないと。」

マリニキ

「それ脱獄じゃん。」

グロース

「まあそうだな。」

堂々巡りが続き夜が更けていった

深夜、突然グロースたちのもとに不気味な物音がした。

「こんにちはみなさん。」

不気味なピエロが目の前に立っていたのである。

グロースたちは大声を上げた。

特にマリニキは悲鳴を上げた。

「誰!」

「僕です、イワンですよ。」

グロース

「『何でいるんだよ』」

イワン

「シーッ

あなたたちを助けに来ました、今扉を開けますから待っててくださいね。」

イワンは扉を解錠した。

そして

「どうぞお逃げ下さい。」

グロース

「『逃げるぞ』」

マリニキ

「『はい。』」

グロース

「『イニエチェリ行こう』」

イニエチェリ

「『分かりました。行きましょうか。ウルソム。」

警察は先ほどの悲鳴を聞いたのだろうか、こちらに向かっていた。

「早く。」

「分かったよ。」

イワンは警察が来ない方角へ誘導した。

イワン

「『こっちです。』」

グロースたちは必死の思いで警察署を抜け出した

イワン

「では早速、変身魔法を解除します。」

グロースたちは元のウィラリア人に戻る。

グロース

「『助かった.'"

イワン

「お礼はいいですから急いで逃げてください。」

グロース

「というかもうウィラリア人だしよくね。」

マリニキ

「あーそういえば予約していた宿まだチェックインしていなかった。」

ウルソム

「時間も時間だしねまだチェックアウトできのかな?」

イニエチェリ

「今晩泊まる宿ですよね、大丈夫です自動端末があり無人でチェックインができます。」

イワン

「では私はこの辺で。」

グロース

「あ、ありがとうイワン

今度、お礼しに来るから。」

イワン

「『お礼なんて、いいんですよ』でも、私、アダルトグッズやヨガグッズとかには興味あるかも」

マリニキ

「この人、ヨガするんだ、意外。」

イワンは走り去って行った。

「とりあえずホテルに向かいますか。」

イニエチェリ

「賛成

さすがに疲れたわ。」

時刻は午後3時を回っていた。

グロースたちはチェックインして爆睡した

ツインルームで男女別室である。

グロース

「毎度ながら疲れる。」

ウルソム

「スリリングで何となく楽しいけどね。」

イニエチェリたちは

マリニキ

「日本ってすごいねウィラリアではこんなことありえないは、深夜に無人でチェックインさすが進んでる。」

イニエチェリ

「お隣の国、中国でもこういった設備は設置されていますよ。」

マリニキ

「それに比べてウィラリアって遅れてるわね。学ぶところは多いわ。」

イニエチェリ

「そうですね。」

長い一日は終わった。


一方、協商連合の幹部たちは東京の支部に集まっていた。

彼らは活動の拠点として雑居ビルの一角を事務所として借りている。

ゴメス

「グリニーとトミー、奴らを殺し損ねたそうだな。」

グリニーは頭を垂れていた

グリニー

「『申し訳ございません。」』

続いてトミーもまた

「申し訳ございません、次こそは必ず仕留めます。」

クリーゼ

「『まあいいさ、奴らはこちらの怖さを知った

今後、俺たちの邪魔はしないだろう。』」

ゴメスは

「いや、油断するな、奴らの動向に注意し監視を続行だ、

次に会ったときはその首を撥ねてくれ。」

グリニー

「承知しました。ウィラリア人の時の姿も把握していますのでご心配なく。」

ブレッヘンは

「奴らは我々の計画を知った者、徹底的に排除する必要がある。」

クロイゼルング

「『我々にとって脅威になりうる可能性がある限り、排除するべきです。』」

ゴメスは

「奴らを徹底的に監視しろ、監視が終了すればその時点で仕留める、

奴らを始末するまで油断するな。」

トミー

「『了解しました。』

トミーとグリニーは事務所を後にして、仲間に連絡をした。

警察署を出てからグロースたちを監視していた仲間である。

仲間はトミーに

「彼らはホテルで爆睡中です始末しますか?」

トミー

「当然だ仕留めれる時に仕留めるそれが暗殺者の仕事だ。」

グリニー

「俺たちどちらかというと諜報部員だけどね。殺しのライセンスも持っていないけどね。」

トミー

「しかし、殺せる時に殺す。

それが暗殺の鉄則だ。奴らには今晩中に消えてもらう。」

グリニーとトミーはグロースたちが泊まるホテルに向かっていた。

四話に続く。





















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る