7話:真逆
ゲロられてから一日が経ち、見覚えのある天井を眺め、ゆっくりと身体を起こした。
もうこの部屋ともおさらばかと思うと寂しくもある。
荷物はほとんどない。この布団に小さな折りたたみの机。車に積めるほどの手荷物くらいしかない。
今日明日はもうひたすらにのんびりしてやる。
そう決めているので起き上がったものの、もう一度寝転がってみる。
「あー、二度寝最高かも」
こんな経験は休みの日以外できない。
平日からこんなにだらだら出来るのは優越感と背徳感があってもはや気持ちがいい。
よし、目を瞑ってもう一度寝よう。次に起き上がるのは昼だ。
♡♡♡
やらかしてしまった。
私はお酒が強くない。
なのにも関わらず、振られたってのもあるし、西野さんのお疲れ様会も兼ねて、色々なうっぷん叱り、溜まっていたもの吐き出してしまった。……ゲロも。
そして元カレとの遭遇。
なんだかヨリを戻すとかどうとか言ってたけど、私は切り替えが早いほうなのでヨリを
戻すつもりなんて毛頭ない。
今さら何だって言うんだ。もう二週間経ってるんだ。こっちはもうすべて吐き出したんだ。ゲロを。
……っはあぁぁ。
溜息が出る。
私は彼の上司なのに、社長なのに、なんという体たらく。情けない姿を見せてしまって、きっとがっかりされただろう。
この部屋を見られて、そんなに落ち込むことではないか……。いやいや、落ち込むわ。
痛い頭を押さえつつ、ソファから起き上がって冷蔵庫にある水を取り出した。
ごくごくと喉を通ってくる水がとても気持ちー。
「はぁっ、よしっ! 今日もがんばろーっと」
頬を叩いた私は切り替えて、仕事の準備を進めていくことにした。
着替えと化粧を進めていきながら、スマホに送られてくる連絡をカタカタと返していく。私には一応秘書がいるので毎朝、今日の予定を送ってきてくれる。それに返信するのが私のルーティン。
秘書を通して、仕事の指示をしてもらっている。私は社長出勤だから! ドヤァ!
「……それにしても覚えてないもんなんだなぁ」
西野有馬。
私の初恋の人。
——まさかこんなところで、再会することになるとは。
……さて、今日もがんばろーっと!
頬をもう一度叩き、私は社長へと変わる。
「うしっ!」
*******************
あとがき
みなさん、こんばんは。お久しぶりです、えぐちです。
長らく、いやちょくちょく書いては消してを繰り返してすいませんでした。
本題へ
ここの話で一旦、序章は終了です。
花の有馬への対応が納得できなかった人もいるかと思いますが、これで少しは納得できたでしょうか?(笑)
まだまだ見えない部分が多いですが、それはそれで楽しみにしてもらえればと思います。
また明日からも更新していく予定です。
第二章からもよろしくお願いします。
みんさんが見てくださるのが一番のやる気に繋がっております!
ありがとうございます!
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