第24話 湯沢幹
何か飲むかって? いいんですか? そうですか。じゃあ、カフェオレのホットで。すいません。いただきます。
えっと、何から話せばいいかな。やっぱり僕の力のことですよね、まずは。
それにしてもびっくりしたなぁ。同じような人がいたなんて。あるんですね、こういうことって。
そうですね。子供の頃から見えてました。
保育園に通っていたときだったかな。仲良かった子の母親の背後に『蛆』がひっついていたのを見たのが最初でした。
えっ? 『蛆』って呼んでるのかって? だってモゾモゾして気持ち悪いじゃないですか。それで蛆みたいだなぁって思ってそう呼ぶようになったんです。そっちは違うんですか? へ~、影って呼んでるんだ。
あっ、虫みたいだなって思ったことはあるんですね。でもそう呼ぶようになると触りづらくなると……なるほど。感触も気持ち悪いですもんね。
すいません、話それましたね。
その母親に何かついてるよって指摘したんですよ。でも、本人にも先生にも見えてなかった。それでムキになっちゃって母親の蛆……いや、影だな。僕もそう呼ぶことにします。影を掴んで引っこ抜いたんです。
それで手に持ったそれを見せてもやっぱり誰にも見えなくて、気味悪がられることになっちゃって。
思えばあれが最初に集めた影だったな。
えっ、集めるってどういう事だって? ……そうか、そちらは消せますものね。驚きましたよ、今まで溜まった影が全部霧散しちゃったんですから。
僕はですね、影も見えるし、掴むこともできるんですけども消すことだけはできないんですよ。
試したことは何度もあるんですよ。振り回したり、叩いたり、壁に投げつけたりと。でも、ダメでしたね。遠くに捨てようとしたけども一定の距離離れると勝手に追いかけてきて背中に引っつくんです。
一通り試したところでこういうものなんだって諦めました。
影がろくでもないものっていうのは何となくですけど理解はできてました。誰かになすりつけるのを悪いなって思って僕が背負おうと決めたのが最初だったな。
ああ、心配しなくてもいいですよ。今までこれと言って気分が憂鬱になったり、死にたくなったりしたことって全然なくて。
憑かれている人って、咀嚼音って言うのかな、食べられる音がするじゃないですか。僕の身体からそれが聞こえたことって一度もなくて。
だから大丈夫っていうのも違う気はするんですけど、とりあえず実害はないからもういいかなって割り切ってますね。
相談する人? そうですね……。いませんでしたね。最初の母親のときに周りから気持ち悪いものを見る目で見られていることは分かってました。結構、察しはいい方なんですよ。
親には……一応、話したことはあったかな。父は心配してくれましたけど仕事が忙しすぎてあまり僕に気をまわしてる余裕はなくて。母は……母だった人は、虫を見るみたいな目を向けてきましたね。
誰かに相談することはそれっきりやめました。共感してもらえないことにムキになってもしょうがないじゃないですか。
それからですかね。この力自体、初めからないものとして扱うことにしたんです。
影を背負った人を何十人、何百人と見てきました。中には洒落にならないくらい大きなものを背負ってる人も見かけたことがあります。
でも、放っておきました。
他人の人生は他人の人生で関わることなんてないって割り切ったんです。ドライだと思いますか? そりゃあ、僕だって想像はしますよ。この人放っておいたらどうなるんだろうっていう想像くらいは。でも、深くは考えないようにしてます。深追いしてしまったらろくなことにならないことは目に見えてますから。
やらない善よりやる偽善なんて言葉はありますけど、中途半端になってしまうんならやっぱりやらない方がいいでしょ。
小学生の頃はそんな斜に構えた感じでやってきましたね。
転機になったのは中学生になった頃だったかな。
母だった人が家を出て行ったんですよ。他所に男を作っていたんです。
ひどい別れ方だったなぁ。
父のことを貧乏工場で働く下請けの負け犬ってなじり倒して、僕のこともあまり懐かなくてかわいくなかったって吐き捨てたんです。
いえ、そんなに傷ついてはいないんですよ。ホントです。前々から浮気をしてる素振りは見せてましたし、僕に対する態度も冷たいものでしたから。
あの女がろくでもなかったのは、むしろ家を出た後でしたね。
あの女、近所の人たちや同級生の親たちに僕らの悪口を言いふらしていたんですよ。それも根拠なしのデタラメを。信じられますか? 仮にも家族であった人間を、それも実の子供に対してですよ?
もちろん外に男を作って逃げるような女の言葉なんてほとんどの人は歯牙にもかけませんでした。
ほとんどはです。
中には真に受けちゃう保護者もいて、そういう親って口も軽いのかなぁ。自分の子供にもベラベラと話しちゃうんです。
ええ、そうです。
いじめられました。
下請け工場生まれで母親に捨てられた子供なんて恰好の的になったんでしょうね。結構ひどいいじめだったと思います。
聞きますか? 気が滅入るからやめてほしい? じゃあ、やめときますね。
しばらくは我慢したんですけど、そのうちに色んな事が面倒くさくなって学校に行くのをやめました。
父は……責任感じてましたね。悪いのはあの女のはずなのに。
父が影を背負うようになったのはその時からでした。
見た瞬間、血の気が引きました。見たこともないくらいの大きさだったんです。それこそ洒落にならないことを起こしかねないくらいの。
でも、父は何でもないように振舞うんですよ。バレバレなのに、無理してるのが丸わかりなのにご飯作って、おはようって言ってくるんです。
痛々しいなんてもんじゃない。見てるだけで苦しかったですよ。
他人なんてどうでもいいけど、家族は違うじゃないですか。
家族は他人じゃない。
だからね。代わりに背負うことにしたんです。
この時ばかりは神様に感謝しましたね。文字通り父の苦しみを肩代わりすることが僕にはできたんだから。
影を取り除いたとき父は何が起こったのかまったく理解できてなかったですね。
僕も何も言わなかった。信じてもらえるとは思ってなかったですし、僕が肩代わりしたなんて知ってしまったら父は間違いなく気に病んでしまいますから。
でも、その甲斐はありましたよ。
僕を取り巻く環境は確実に好転していったんです。
このままじゃあいけないと思ったんでしょうね。父は『ヒカゲくらぶ』を紹介してくれたんです。えっ、知らない? 勇也さん、近藤勇也さんが勤めてるNPOですよ。
そうです。勇也さんとはそこで知り合いました。
そこは、いじめられた子供の学習支援やその家族の心のケアを活動の主軸に置いているんですよ。その活動の一環として託児所替わりみたいなこともやっているんです。
色んな事情を抱えた子供がやってくるんですけど共通しているのはやっぱり他人によって自分の大事なスタートラインを踏みにじられたっていうところですね。
他人とは思えなかったなぁ……。
はい。その通りです。通ってくる子供たちにも影はあったんですけど、それも僕が肩代わりしました。気持ちが共感できすぎて放っとけなくなっちゃって。
僕は一番年上で同い年はいなかったんですけどみんな気のいいやつらで。職員さんも良い人ばかりなんですよ。
居心地が良かった。
特に勇也さんとは本当に仲良くさせてもらったんです。
あの人すごいこと僕らに言うんですよ。
『相手のことを憎んでもいい、恨んで当然だって。人間なんだから汚い心も否定しちゃいけないって。もし自分を苦しめた相手が不幸な目にあったとしたら、それを思いっきり笑っても俺は絶対にそれを否定しない』
綺麗ごと言わない大人って初めてでしたね。
何だか救われた気分なりましたよ。
恨むことも憎むこともやっていいんだって。少なくともこの人だけはそれを否定しないんだって、そう思えました。
家の方でも変化はありましたね。
今までは一線を引いてたんですけど従業員さんとも関わりを持つようになりました。みんな昔からウチの工場で働いてくれた人たちばかりで僕の事をずっと心配してくれていたんです。
むずかゆくはあったんですけど嬉しくもありましたね。
小倉健と澄子さんはご存じですよね? その2人は一番僕に良くしてくれました。
年が一番近かったっていうのもあるんですけど、同じ傷を持っていたんですよね。あの2人も。だから一番僕のことを心配してくれていたのもあの2人だったんですよ。
父に『ヒカゲくらぶ』を進めてくれたのもあの2人でした。
勇也さん繋がりだったみたいです。同級生だって知ったときには驚きました。
居場所って大事ですよね。
人ってここにいてもいいよって許してもらえる場所があると地に足がつくっていうのかな。自分が自分であれる。自分が生きていることを許してあげれる。そんな風に思えるんです。
このまま自分の人生が良い方向に向かっていく。
そう思ってましたね。
金子智明が現れるまでは。
遠目から見ても嫌な奴だっていうのは理解できました。態度だけでもウチで働いてくれている従業員全員を見下しているのが丸わかりでした。
下請け、下請けってバカにされるんですけどウチって結構大きな会社とも取引している工場なんですけどね。
健さんと澄子さんの様子がおかしくなったのは奴が現れてからでした。健さんはずっと浮かない顔をしていたし、澄子さんは仕事を休みがちになっていました。
理由はすぐに察しましたよ。
あの男が健さんたちをいじめていた奴だったんだって。
いつだったかな。見ちゃったんですよね。
工場の裏手に健さんと金子が2人でいて何かを話してたんですよ。何を話していたかは聞こえなかったけど、あいつ何度も何度も健さんを小突いて、足を踏みつけて……ニヤニヤ笑ってたんですよ。
健さんは我慢してました。多分、澄子さんやみんなの為ですよ。
金子と別れて工場に戻ってきたとき何でもないように振舞うんです。
何でなんですかね。
健さん、澄子さん、そして勇也さん。金子たちがあの人たちにどういう仕打ちをしていたのか僕知ってるんですよ。
聞いてるだけで死にたくなるような仕打ちだ。
それでもあの3人は生きてた。歯を食いしばって人に誇っていい胸をはれる仕事をしているんですよ。
カッコいいと思いません? カッコいいでしょ。
でも、あいつ笑ったんです。自分のやってきたクソみたいなことに後悔も反省もしないで健さんをあざ笑ったんです。
おかしすぎるでしょ?
父さんや健さんみたいな一生懸命に生きている人が他人のバカみたいな悪意にさらされて苦しまなきゃいけないなんて。
痛々しかった。見てられなかったですよ。
そして許せなかった。
そう思ってたときですよ。
金子が小野と高橋を連れて工場にやってきたのは。
実際に聞こえるものなんですね。
何がって? 漫画の描写とかでよくあるじゃないですか。頭の中の糸が切れる音です。
ブチっていう音がホントに聞こえたんですよ。同時に思いましたね、こいつらは人間じゃあないって。
金子たちは父が怒鳴り散らしてすぐに追い出しました。僕、その後をつけたんです。
やったことはなかったけど、できることは感覚で分かってました。
通行の邪魔も考えず横一列になってバカみたいに笑ってたんで近づくのは簡単でしたよ。連中気づきもしなかった。
パンをちぎるような感覚でした。
溜め込んだ影から3人分の影をまとめて連中の背後に被せました。
そうです。大きめの影ですよ。再起不能になるくらいのね。
どうなるかくらいはちゃんと分かっていました。
最悪の結果もあり得ることも理解していました。
実際にそうなっちゃいましたしね。
金子が死んだことは、あいつの会社の人が教えに来てくれたときに知りました。父も含めてみんな一応は神妙な顔をしてたけど内心は安心してましたよ。
ホントにあいつひどかったから。
健さんも心底ホッとしてましたよ。次の日には澄子さんも職場に復帰しました。
高橋と小野のことについては勇也さんから聞きました。悪く言ってるわけじゃあないけど嬉しそうな顔してました。あんまり褒められることじゃないけど良かったねってみんなでお祝いしましたよ。
がん細胞みたいな人間って本当にいるんですね。いるだけで人をダメにするからこそ早めに切除する必要がある。
……分かってます。別に自分に酔いしれてるわけでもないですし、やったことがどういうことなのかもちゃんと分かってます。
ひょっとしたら僕が余計なことをしなくても父や健さんたちは自力で何とかしたのかもしれない。何も言わなかったけど勇也さんも何か準備してる様子を見せてましたしね。
でも、思うんですよ。それってどれだけの時間と手間と心をすり減らすことになるんだろうって。
人の気持ちが分からない連中は常識なんて通じない。あいつらを排除するために健さんや澄子さん、勇也さんの心は確実に擦り切れます。下手したら疲れ果てて壊れちゃうことだってありえた。
そんなの馬鹿みたいじゃないですか。
カスみたいな人間のせいで自分の人生を犠牲にしなきゃいけなくなるなんて。
人間の道理が通用しない場合だってある。
浅倉がいい例でしょ? 力づくで物事を通そうなんて発想、そんなの動物じゃないですか。
……浅倉のことについては本当にすみませんでした。言い訳にもならないけどあんな行動を起こすなんて考えてもみなかった。
自分じゃなくて何の関係もない人間に敵意をむけるなんて思いもしませんでした。
危ない目にあわせてしまって本当に申し訳ありませんでした。
ごめんなさい。
浅倉のことは金子たちのSNSで知りました。あいつら承認欲求が強いみたいで少し探したらすぐに見つかりました。
これでもかってくらいの友情アピールをしてきた写真が何枚も貼られていましたよ。
『西中の6人』でしたっけ? 勇也さんから聞いたときにはダサいと思ったけど、子供の目から見てもそれにふさわしいダサいやつらですね。写真からして知性も品性も欠片も感じなかった。
ひょっとしたらこいつは何かしらの形で僕らの前に現れるかもしれない。そういう懸念は消えませんでした。
だから、影を集めました。いつ、どこから現れて、何人連れてきてもいいように。
集めるのは苦労しませんでしたよ。駅とか人の集まるところにいけば抱えた人はゴロゴロいました。
あなたが僕を見たのはその時だったかもしれませんね。
でも、覚悟はしてたけどあいつがウチの工場を見張っているのを見かけたときには血の気がひいたなぁ。
浅倉が理性を持ち合わせていない人間だというのは話に聞いてました。見た目からしてそうでしたし。
そんな男が殺意を持った目でウチを、間違いなく健さんたちを狙っていた。
確信しましたよ。
金子たちなんて比較にならないことが起こるって。
迷いはありませんでした。動物にも失礼な品性しかないやつに持ち合わせる躊躇もありませんでした。
金子たちの倍の大きさの影を被せてやりました。
そのまま誰も知らない関係ないところで死んでくれって思ったんですよ……あんなことになるなんて思わなかったなぁ。
ありがとうございます。
あなた達がいてくれなかったら勇也さんと健さん、うちの父だってどうなっていたか分からなかった。
……そうです。尾上を狙ったのは浅倉の件があったからです。僕の考えが甘かったせいで一つ歯車がかみ合わなかったら取り返しのつかないことになっていたかもしれないんです。
尾上はこちらに対しては何もしてない。何の行動も起こしてない。それは分かってました。でも、そうじゃない可能性もあった。
あいつのSNSも見つけて中身も確認したんです。
金持ちアピールが死ぬほどウザいし、親類縁者がお偉いさんだってこともしつこいくらいほのめかしてましたね。
金子たちや浅倉とは違った形でこっちを害してくる可能性は充分に考えられました。
やられる前にやれ、なんて考え方は野蛮で、浅倉と同類な思考だってことも分かってました。
でも、それ以上に我慢ならなかったのはこれ以上僕の身内、僕の居場所が滅茶苦茶にされることだった。
人間って大抵のことは我慢できると思うんですよ。争いたくないし、傷つきたくないし。でもね、自分の生きる場所、生きてく上で支えになる大切なものを汚されたときには本当に怒るんですよ。
戦争ってそういう理由で続いているのかもしれませんね。
……あなたの目から見て僕はどう写ってますか? 何も分かっていない子供ですか? 自分の正義に酔っているバカガキ?
それとも……化け物……ですか?
全部正しいと思いますよ。僕自身、自分を客観的に見てそう思いますし。
今、どんな気持ちかって……?
あまり実感がない感じじゃないかって? 簡単に死ぬんだって思わなかったかって?
そう! そんな感じです。良く分かりましたね。
人を殺した感覚も実感はなくて、罪悪感も……ない感じです。
……言葉にしてみるとホントにひどいな。まんまサイコパスの思考だ。
ああ、でもなぁ。
勇也さんたちに対しては、悪い事をしたなって思ってます。
優しいから。自分たちのせいでって思っちゃうかもしれないです。僕が勝手にやったことでも責任を感じてしまうかもしれない。
罪悪感を感じてしまうかもしれない。そうなってしまうことが……正直、怖いです。
勇也さんは僕の事を……そうですよね、知ってますよね。
……おかしいですよね。人を殺してるんだから当然のことなのに嫌われること、怖がられることが今、すごく怖いんです。
勝手すぎるな……ホント。
……いやいや、大丈夫ですよ。
無理していい事言おうとしなくてもいいです。ホント。こういう話って聞いてくれるだけでいいんです。
誰かに何とかしてもらおうとか思ってないんです。ただ自分の気持ちを整理したかったんです。
いずれ夢に出てくるかもしれない? そうですね。恨み言を言われるかもしれませんね。そうなったらそうなったで仕方ないと思います。心底嫌ですけど。
……はい。勇也さんとはちゃんと話そうとは思ってます。
勇也さんも僕と話したいって? やっぱり優しいなぁ。
はい。分かってます。ちゃんと正直に全部話します。どういう結末を迎えるにしても、ちゃんと話します。
……どうかしましたか?
羨ましい? 誰が? あいつらが? どうして?
自分のせいで誰かが傷ついても平気な顔をしていられる精神が羨ましい? まあ、ある意味そうかもしれませんけど、見習っちゃあダメな部分なんじゃないですか、そこは?
僕の話はこれで全部ですね。
聞いてくれてありがとうございました。
こっちからも質問いいですか?
勇也さんが言ってた魔法使いってあなたのことですよね? 初耳? 勇也さんたち自慢げに話してましたよ。
その力って面倒くさいことの方が多いですよね? ああ、やっぱりあなたもそうか。なら、どうして関係のない人のために動くんですか? 疲れるでしょう、そんなの。
……見てられないから? いや、身内とかなら分かるけど他人ですよ?
いや、すみません。馬鹿にしてるとかそんなんじゃないんです。
ただ、そういう生き方もあるんだってびっくりしちゃって。首突っ込みすぎてよく怒られてる? そりゃあ、そうでしょ。
それで精神科も通ってるんですか? 元も子もないじゃないですか。
事情をよく知っている先生がいるんですか? へえ、どんな?
人がぶっ壊れていく過程に興味があったから医者を志した人? 本人の口から聞いたから間違いない? 離婚歴3回?
人として大丈夫なんですか、その人?
いや、まあ、一応、もし必要になったらお願いするかもしれません、はい。
……もう行きますか?
そうですか。
本当に色々とご迷惑をおかけしました。すみませんでした。
……最後に一つだけいいですか? すみません、ずっと気になってて。
あなたに憑いている影、それ消さないんですか?
へっ? 見えないし、触れもしない? 何で?
そうですか……理由は分からない感じですか。まあ、僕自身も自分の力の事よく分かってないんですからね。そういうものかもしれないですね。
……あの、よければそれ肩代わりしましょうか?
そうですか。そうですよね。
それじゃあ、ありがとうございました。
カフェオレごちそうさまです。
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