暴れるな、本能2
「も……」
「も?」
「もう一度……」
しばし余韻に浸って正気に戻ったレオがおかわりを要求した。
「……いいよ」
一度やったのなら二度も同じ。
ミカオは恥ずかしさに片手で顔を隠したままもう片方の手でお腹の毛を撫でて整える。
なんだかんだで受け入れ態勢である。
「スゥ〜」
今度はちょっと勢いよくミカオのお腹に顔をうずめる。
そして思い切り息を吸い込む。
「ヒャッ!? レ、レオ!」
「ん? 痛かったりした……」
「匂いまで嗅いでいいなんて言ってないでしょ!」
「ぶへら!」
ちゃんと体を清めてきて匂いを嗅がれるぐらいのことは想定していた。
しかしいざ嗅がれるとすごい恥ずかしくなった。
ミカオに叩かれてレオがベッドの上から吹き飛ぶ。
痛い。けど肉球で叩かれたので気持ちいい。
「あっ、ごめん!」
「いいってことよ……」
それだけ恥ずかしいのにお腹をモフらせてくれた。
これもまたレオが幸せを感じるのに十分な事実である。
「次は私……」
ほっぺたに肉球の形のビンタ跡をつけたレオが体を起こすと今度はフーニャがペロンとお腹を出してレオのことを誘っていた。
「くっ……」
「ご主人様?」
「こんな幸せなことが……」
レオは思わず涙した。
二人のケモッ娘がお腹をモフらせてくれる日が訪れるなんて思いもしなかった。
「フーニャもいいのか?」
「ご主人様なら……いいよ」
「ありがとう……モフらせてもらうよ」
レオは涙を拭うとフーニャが待つベッドに膝をつく。
「いくよ」
レオはモフリとフーニャのお腹に顔をうずめた。
『ケモッ娘フーニャのお腹をモフりました。
同意のあるモフです。
接触の多いモフりです。
フーニャは嬉しそうにしています。
得られるモフポイントが増加します。
モフポイントが20回復しました』
「ごろごろ……」
レオが顔をお腹にうずめるとフーニャは嬉しそうに喉を鳴らした。
ごろごろとした振動がレオの顔面にも伝わってくる。
毛の質感でいけばフーニャの方が柔らかい感じがある。
けれど毛の奥の腹筋に関してはフーニャにはみっちりとした硬さを感じた。
普段フーニャはモフモフして気がつかないけれど意外と筋肉質なボディをしているのだ。
「ど、どう?」
お腹に顔をうずめたまま反応がないことにフーニャが不安そうな顔をした。
「幸せだよ」
ところどころ顔にフーニャの毛をつけたレオは澄んだ賢者のような目をしていた。
二者二様のお腹。
二人のお腹でなら窒息死してもいいと思えるぐらいである。
「もっといいよ」
「いや……これ以上は死んでしまう」
これはある意味戦いの準備なのであるがこの光景を見て戦いの準備だと理解できる人いないだろう。
過剰モフは体に毒になる。
綺麗な目をしたレオはそっとフーニャの服を下ろしてお腹が冷えないようにしてあげたのだった。
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