語調の強いコメントについて
二辻
コメントがついた!
と、喜び勇んで見に行った結果、やたら語調の強い批判的なコメントを見て凹んだ、という経験、ございませんでしょうか。
わたくし、何度かございます。
「コメントを一度もつけてもらったことがない私からしたら、書いてもらえるだけいいじゃん!って思うけどね!」
と思われるかもしれませんが、こういうコメント、正直結構ズバッと来ます。心臓にぐさぐさ来ます。
例えばそれが、内容的にまだ表に出していない情報にかかわってきている場合、
「ここ気になるな」
程度の書かれ方なら
「よく気付いてくださいました!!」
と小躍りしたくもなるでしょう。
しかし。
「なにこれ。ありえない」
というような、受け止め方によっては攻撃的とも思える言葉が書かれた場合
「だってそこまだ内容的に本当のこと言えないんだもん。主人公は知らないんだもん。そんな言い難しなくたって、そのうち間違いでしたって書かれるのに」
としょぼくれるかもしれません。
なんか、「今勉強しようと思ってたのに!」的なもやもや感。
「(現代的価値観に則って)どう考えても違うでしょ」
のようなコメントにも
「いやだって現代の話じゃないし。異世界だし。こっちの価値観からしたらなくても、あの世界では通用する話なんだよ」
それ言われても……と困惑するとか。
キャラの言動や、世界観、その他。
一生懸命に練りに練って考えたものを、一言
「ないわ」
「クソ(そういう設定にしていた場合はしてやったりかもしれない)」
「バカなんじゃないの」
「嫌い」
と切り捨てられたら、小説書きはじめだったらそりゃもう傷つくでしょう。
それなりに執筆歴があったとしても、感想を受け取る経験値が低かった場合はショックを受けるかもしれません。
でも、大丈夫です。
そのコメントを書いた人は、
画 面 の 向 こ う に 感 情 の あ る 人 間 が い る と 思 っ て ま せ ん。
十中八九。
壁の落書きを見て「汚い」「へたくそ」と呟いているのと一緒です。
テレビや動画を見ながらひとりツッコミしてる状態です。
あなたの人格は否定されてません。大丈夫です。
人 格 が あ る と す ら 思 っ て ま せ ん か ら。
SNSのバズった投稿に沸く、クソリプ、引用コメントなどと一緒です。
相手の感情に届くと思わずに、自分の考えを言ってるだけです。独り言です。
あなた自身を攻撃する意思はほぼない場合が多いです。
とはいえ、いきなり強い口調で来られると驚くし、
「え? なんでタメ口?」
と引くこともあるかもしれないですけど、そういう文化を持っている相手なのです。慣れましょう。
ショックを受けるなと言っても難しいでしょうけれど、長いこと引き摺る必要はありません。あなたが責められたわけではないんですから。
麻雀配信の打牌批判と一緒です。
とわかりにくい比喩を出してみましたけど、
遠慮してくださいと言ってもやる人はやるし、
相手は自分の考えは正しいと思っているし、
発信者の感情を傷つけるとは思っていないし、
なくなりません。
気にするだけ無駄です。
言い返せば無駄な軋轢を生んで、それを見た別の読者さんから「この作家さん気が強くて怖いな」と思われてしまうかもしれないので、その方が問題です。
はいはいそうですね、で流したいですね。
ワタシは水。砂。暖簾。
押せるもんなら押してみろ、の心構えで。
もちろん、プロ志向が強く、向上心高くて「どんな批判も真摯に受け止めます!なんでもご指摘ください!」という方もいらっしゃるでしょう。
その姿勢は素晴らしいです。賞賛に値します。しかし、必ずしもそうではない方も多いのではないかと思うのです。
必ずしも全員が批判批評を求めてはいないのです。自分の指摘でレベルアップさせてやろう、という高尚なお考えの方がいらっしゃるかもしれませんが、それは求めている方にやっていただけると嬉しい。と、私みたいな小物は思います。
やるなら見えないところでやってくれ、という人と、見えないところで言われるなら直接言って、という人と、正直好意的なコメント以外は見たくない、という人と、怖いからコメント欄閉じてます、という人と、書き手も様々です。
でも、なによりも。
誰かのちょっとした言葉で筆を折ってしまう人も多いのだと想像すると、その結果世の中に出る創作物が減ってしまうことを惜しいと思ってしまいます。
書くのをやめるほどの価値は、その書き込みにはないのです。それだけはわかっていただけると嬉しいです。
と言っても、やっぱりこっちも人間なので、キツい口調で批判的コメントを直接されると傷つくのですよ。
ああ、プロとかPV・評価の多い方は、これに慣れてるのだろうな、すっごいいっぱい浴びてるんだろうな、と遠い目になります。
とりあえず、攻撃的と感じてしまったコメントがあっても、その方は多分自分がその発言したこと覚えてないので。
場合によっては、継続して読んでもいないので。
いつまでも気にすることはないです。
時には素人書き手の筆を折らせることを趣味としている人もいるようですが、そんな人間の相手をするだけ貴方の貴重な創作時間が削られるだけです。
コメント欄を閉じるという手もありますけど、楽しみにしているという言葉も届かなくなるのはもったいない。
とはいえ、通りすがりの悪口っていつまでも思い出しては「あああああああ」ってなるんですよねぇ。わかります。
私も10年以上前に通りすがりの酔っ払いに言われた一言とか覚えてますもん。数年周期でぶり返して腹立たしくなりますもの。
私のなにを知ってるの?!ってその当時思いましたわね。
悔しいものは悔しくて、ショックを受けた事実は消えない。
とはいえ、とはいえ。
書けば、誰かに刺さるかもしれない。喜んでもらえるかもしれない。
誰かの、隙間時間の楽しみになれるかもしれない。
そんな淡い期待で、書き続けてきましたし、今日も書き続けていく所存でございます。
ぜひ、書き手の皆様もそういうコメントに凹みすぎずに今日も創作していただけたら、と強く願うのでありました。
語調の強いコメントについて 二辻 @senyoko
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