第20話 洞窟で休む
俺は今洞窟内の窪みになった出来るだけ平らな場所に枯葉や一角ウサギの毛皮を敷いて寝床をつくってくつろいでいる。
今日は魔王城から拉致されて拉致した兵士を倒し、大蛇を倒してレベルアップし、その後はスライムを倒しまくりアースドラゴンまで倒してレベル30までアップした。
所持金もアースドラゴンの甲羅を売り払って2億を超えたら能力が購入出来たので
『剣術・見習い・初級者レベル1』
なんて能力をもらった。・・・洞窟に行く間にスライムを1匹倒したら
『本日魔物1体を倒したので
剣術・見習い・初級者レベル2
になりました。』
と脳内にアナウンスがあった。
もう寝るか、夜はまだ寒いので太い倒木を洞窟に引きづり込んで焚火の上に置く。
俺は洞窟の奥に戦斧を置き、守り刀を抱えて寝る。
どのくらい寝ただろうか
『ヒタ』『ヒタ』
と人が裸足で歩く足音が聞こえた。
『暗い!』
焚火の上に置いた倒木に上手く火が移らず、焚火も消えてしまったようだ。
俺は身体強化魔法を使って魔力をできるだけ目に集める。
『見えた!』
闇夜でましてや暗い洞窟の中ではあるが、揺れる黄色い目が1対・2対・・・5対か。
5対の目が俺を見ている。
暗い洞窟の中でも相手も俺が見えるようだ。
俺には5対の目が浮かんでいるようにしか見えないのだ。
俺は胸に置いてあった守り刀を腰に差し、前にあった戦斧を脇に置く。
俺は相手を見ながら、守り刀の鍔に指をかけて、ゆっくりとした動作で正座の姿勢になる。
慌てる必要は無い。
俺の寝ている場所は窪みで、正座した俺の頭の直ぐ上は窪みの天井だ。
相手の持ち物はわからないが、俺の頭を狙っても窪みの天井が邪魔になるのだ。
『フウー』
と俺が息を吐くと、先頭の奴がそれに呼応して蛍のように光る目が左右に大きく揺れる。
どうやら体を揺らして向かって来るようだ。
相手は位置を悟らせないようにするためか?
俺は刀の鍔に手をかけ揺れる光る相手の目・こめかみ目掛けて右足を踏み込みながら守り刀を抜き出した。
守り刀を抜き出して切る瞬間刀身を伸ばす。・・・う~ん守り刀だから出来る反則業だ!
手ごたえを感じると
「ギャー」
と相手は喚くと光となって消えた。
体が光った時に光る目だけだった相手の様子が良く見えた。
ラノベでよく登場するゴブリンか?
ゴブリンが倒れて光った時にゴブリンの装備が見えたが腰巻と片手に短い
小鬼とも呼ばれる後続するゴブリンが俺を殴ろうと、短い棍棒を振り上げて飛びかかってきた。
俺は抜きつけた刀の刃を返しながら今度も相手の光る目・こめかみに目がけて
『ズバー』
と切り込んだ・・・が浅いさらに踏み込み窪みから出ると守り刀を頭上に振りかぶりゴブリンの脳天目がけて
『ザシュ』
と切り伏せる。
相手の光る目が切り込みで消えると・・・体が光って消えた。
「無双直伝英信流・奥居合居業・1本目・
と俺は呟く。
『コン』『ドサ』
と音がしたので何かドロップしたようだ。
俺は二度のゴブリンに対する切り込みで足を進めており窪みから全身が出ている。・・・前進で全身か等とオッサンギャグでクスリと笑う・・・緊張感の中に笑うだけの余裕がある大丈夫だ。
その音を合図に残った3体のゴブリンが
「ギャー」「ギャーワワ」
等と喚きながら向かって来る。
残った3体のうち最初のゴブリンの腹部に向かって右足を出しながら突きを見舞い、さらに守り刀を頭上に振りかぶって腹を抑えるゴブリンの頭部めがけて振り下ろす。
「無双直伝英信流・奥居合居業・7本目・
と俺は呟く。
切られたゴブリンは光となって消える。
残った2体のゴブリンがチャンスと思ったのか左右に分かれて短いこん棒を振りかぶって
「ギャワー」「ギャワワ。」
と喚きながら振り下ろしてくる。
俺は立ち上がりながら、右斜め前にいるゴブリンに腰を捻りながら頭部めがけて切り込み、返す刀で左のゴブリンを切り下す。
「無双直伝英信流・奥居合立業・一本目・
と俺は呟く。
2体の最後に残ったゴブリンも光となって消えた。
俺は血振をすると溜まった息を吐き出しながら守り刀を納める。
今回の戦いで
『レベルが上がりました。』
と言うメッセージが聞こえ無いので、それほどの敵では無かったのか、俺のレベルが高くなりすぎて伸びしろが無くなってきたのか・・・?
ただ
『本日魔物1体を倒したので
剣術・見習い・初級者レベル3
になりました。』
と言う脳内アナウンスがあったのか救いか。
初日に選んだ洞窟のホ-ルで休んでいたら真夜中に俺を襲おうとホールから続く通路から出てきたゴブリンを倒した。
俺はゴブリンの後続がいないかホールから続く通路に気配を
焚火の後の火を起こす・・・熾火のおかげですぐ火が着いた。
倒したゴブリンの後にはドロップアイテムとして赤黒い『ゴブリンの魔石』と『ゴブリンの腰巻』『短い
『短い棍棒』は異空間収納では木の武器で良く燃える販売価格は0円だそうだ。
これでは薪にするくらいの役割しかない。
焚火に放り込んだら確かに赤々と良く燃えた。
『ゴブリンの腰巻』は丁度風呂敷ほどの大きさの四角い革で販売価格は革製品のせいか千円だ。
沢山あるスライムの魔石を腰巻で包み直して異空間収納に入れる。
これで葉っぱでなく腰巻で集めて収納する事が出来たので破れやすい葉っぱは卒業だ。
赤黒い『ゴブリンの魔石』を持って、俺は窪みに戻りゴブリンの赤黒い魔石を口に含む・・・む・・ムムム・・・こ・・これは梅干し味だった。
白米が欲しくなる。・・・白米欲しい!
白米に砕いたゴブリンの魔石をふりかけ変わりにして食べたら美味しいだろうな。
スライムの魔石が黒っぽい色の魔石で見た目通りの黒飴の味で、 一角ウサギの魔石はほとんど味が無く、魔狼の魔石は渋柿のような渋い味だった。
大蛇からは黒と白の
魔石を舐めたり噛み砕いて食べると魔力量が増えると言われており、これだけの事で魔力量が増えれば願ったり叶ったりである。・・・ただゴブリンの様な小指の先ほどの魔石を1個舐めてどれだけ上がるか解らない。・・・ステータス画面に表示が無いからな!?
魔力量を上げるにはもう一つ二つ鬼畜のようなあげ方がある。
一つは魔物を倒してレベル上げれば上がる。
もう一つは魔法を思い切り使って魔力量欠乏症にすることだ。・・・身体強化魔法を1日中使ってもそれ程魔力量が減らないので今のところは無理だ。
身体はまだ9歳なのか・・・寝落ちしている間にゴブリンどもに襲われなかったのは
洞窟に差し込む朝日で目が覚めた。
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