断章 カスミソウ

―――ゆるさない。


「ネット代が払えなくて、仕事が出来ないって言ったら、「ならその仕事やめれば?」って言われた」

「知らん人に変わっとった」

「……タスケテ」


―――ゆるさない。ゆるさない。ゆるさない。


「今はネットがなきゃ仕事ができない時代なんですよそれとも昏呉ぐぐれ市役所はそんなにアナログなんですか?」

「面白いです、それが広島教区流ジョークなんですか? なかな―――」


―――のがさない。


 あんなにも両手を叩いて

 あんなにも大口を開いて

 あんなにも心のそこから


これほど可笑しかったのは、生涯初めてだ!!!


 「駄目です、逃がしません、上司を出しなさい!!」


許すものか逃すものか逃がしてなるものか!

▢▢公正はここで殺す焼き殺す轢き潰して殺す押しつぶして殺す

私達すうじからの報復から決して逃すものか


ああ、感謝するよ。

アンタの録音は無事生かされ、ネットの海に放出された。

情けない言い逃れも、全部クラウド保存行きだ。


なにか生産性があったのかって? ああ、一般的にはないだろうね。

どころか、特定して私のあらゆる権利を「ルール違反」として剥ぎ取る奴もいるかもしれない。

でも「命がけ」で、キリスト教やる相手にとって、不足なき「不条理」だった。

ホームレス相手でもないし、難民相手でもないから、教会の人々は決して私がしたことを認めはしないだろう。


当たり前だ。私はから切り離されたがん細胞だ。


―――自衛隊のいい話は不快に思う家庭の子がいるのでやめてください。


 あんなことを。


―――受験に関係ないから中国は汚い国って教えて良いんです!!


 あんなことを、教えるために。

 学校に来いと言った奴らは知らないのだ。

 一人の卒業生が、2教育実習を受けに戻るほどに時が経っても、変わらない、変わろうとしない、変われない醜い


「私としては転居の自由を守るために力を尽くしたつもりです」


 そう言って、私から1年近く、保護費をかっさらって、済まし顔で仕事をしている前の役場の愚図すうじ


 負け戦で良いんだ

 自己満足で良い

 自滅で良い

 心中物語と呼んでくれて構わない


見事殺した。

私は殺してみせた。


私は、大人はぐるまの表面に着いた概念ゴミを、殺して見せた!!!


 ああ、そうだ。私はずっと殺したかったんだ。

 私を縛る常識という名の屁理屈を。

 私を封じる危険という名の無関心を。

 私を否定する個性という名の無個性を。


 殺してやりたかった。

 殺してやってから、死にたかった。


ああ、神よ、感謝します。


 まさしく貴方は道であり、真理であり、命。


!!


 神! 神! 神!


 そうとも、ここは神の地獄だ。世界中に伝播したが故に、それこそ日本の信仰と同じように人々に寄り添う因習の神。


 ―――近代民主主義ひとをころすけいざいせかい


私が決め、私が選び、私が手当し、私が運び、私が払う。強盗に襲われた旅人マヌケを、私は私の意思で、ロバ、ならぬ、キャリーカーに載せよう。


 手当に使った包帯も香油も薬もいらねえよ。

 だからまあ、そうだな。


 生きてくれよ。


 


一緒に遊ぼう。一緒に笑って一緒にはしゃいで。

トラブルは私が勝手に処理しておくからさ。

なァに、アンコウは自分の頭に灯火と餌があるんだぜ? そこらの聞きかじりの素人よりかはよほど役に立つものがある。


 ただまあ、それでも君に何か求めるとしたら。


 …俺の紹介した仕事はちゃんと全部やってくれ!!!


 近代民主主義において、原始共産主義ぶつぶつこうかんで生きるには、原始共産主義的に考えても、「カネ」は必要なんだ!(笑)

 何にでも交換できるからな!


 あとは、そう。ファーストシーズン・上半期としては、このトンデモナイ暴露本に巻き込まれた、哀れな男の話をしなければならない。


 きっと誰よりも、「おさかな教会」を、「私達」を愛してくれている―――。


 あの、男の話を。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る