断章 茨
世間にはメサイア・コンプレックスという病気があるらしい
実際私が大学でこの科目を履修した時、『パーソナリティ心理学』ではなく、『人格心理学』と書かれていた。授業で使いもしない教授の新刊は、『パーソナリティ心理学』になっていて、授業も全部『パーソナリティ』となっていた。全くわからなかった
何故日本人は、印象操作のためにカタカナにしたがるのか
「人格心理学、人格障害」という言葉は誤解を生むから、とか言うんだったら大間違いだ。そもそもそういうことを言う人は、正しく「障害」を理解していない
しかし敢えていうならば、素人がつけたこのメサイア・コンプレックスという俗称を私に当てはめ、治療すると言うならば
私の場合は「喪失に対する強い恐怖」あるいは「トラウマ」と言うべきなのかもしれない
どれほど大金をちりめんじゃこに回し
どれほど仕事を作り
どれほどちりめんじゃこと原稿合宿をしても
私に「どうじんし」を教えて、tabキー連打やドラッグ反転を教えた少女は戻ってはこないし
ご遺族だってそれを望んじゃいないだろう
或いは私が「少女」を引き合いに出して承認欲求を満たしていると、また家に押しかけてくるかもしれない
メサイア・コンプレックスは、自身の「幸福でない」という劣等感を、「私より不幸な人を助ける」ということによって克服しようとすることらしい
いや、そんなカタカナにしなくても、それはきちんと「防衛機制における代償」という専門用語で良いじゃないか、その方が汎用性があるし
さて、ここで、世にいう「精神病」「障害」とは何なのか、もう一度理解しておくべきだ。
例えば、恐山に「憑依妄想を伴う精神疾患」はない
例えば、光のない世界に、「盲人」はいない
例えば、雪の日のしんと静まった世界に「聾人」はいない
数の概念がない社会であれば、「65歳」は、「長老」か「長老じゃない(最年少)」であり、
貨幣価値の分からない子供や赤ん坊からみれば、一万円札も味海苔も同じ「触って握って口に入れて確かめるもの」だ。…多分、一万円札は美味しくないと思う
イタコは死者の霊を身体に降ろし、依頼者の心を慰める
そんな社会ではむしろ、憑依妄想がない人の方が社会的に生きづらい
物理学上は、光速を超え切ると、星の光が届かず、真っ暗になる
何かを見る必要がない、または目を開けても開いても同じ光景が広がるなら、なんの不自由もないのだから、不自由はない
私は耳が良すぎて、結果的に聞かなくて良いものまで聞いていたわけだが、ストレスがなく、耳鳴りもしない、自分の呼吸の音―――つまり音波としての音ではなく、意識のあり方で生活しているだけなら、むしろ雪のふむ音すらやかましい。
要するに、「健常者」というのは、「社会規範を構成する
つんぼと言うな、おしというな、聾唖者だ、いや、「聴覚障害者」だ、ダメダメ「害」はまるで加害者みたいだ、だから「耳の不自由な人」だ
めくらと言うな、盲人だ、いや、「視覚障害者」だ、ダメダメ「害」はまるで加害者みたいだ、だから「目の不自由な人」だ
………。
こいつら、耳を澄ますために、耳に添える両腕がない人のことを、「聴覚障害者」と呼ぶのか?
こいつら、自分が置いていく先にある「平均的な視力低下」より一歩外側に「基準値」おいているけど、それ医療行為を名目にした差別だよな?
最近は、「ホモと呼ぶな、ゲイと呼べ、いいや、同性愛者だ」なんていう傾向もある。特にキリスト教界隈は、先程述べた理由で、なぜか「せーてきまいのりてぃー」だの「えるじーびーてぃー」だの、言葉を長くしてごまかしてる。
………。それこそ「思いやり」や「愛」はどこいった???
お前たち、それ以前の問題があるだろう。
精神分裂病こと、統合失調症という言葉がその最たるものだろう。
何故かタブー視されているこの単語。
DSM―5に載っている「統合失調症」はダメで、
なぜ素人が名付けた「メサイア・コンプレックス」は良いんだ???
まあ、そうしないと理解できないなら、仕方ない
多くの人は、無知を恥と思わず、学ぶ意欲も好奇心も興味も持たないらしいから
まあ、とにかく、だ
私のこの「異常性」を、コスパ重視で理解するには、メサイア・コンプレックスなる言葉が必要なのなら、それで良い
ツールを使うことは、怠惰ではない
自立出来ていない人間が他人の飯の世話をし、剰え行政に怒鳴り込み、分厚い手書きの手紙に丸三日も費やして本業を蔑ろにするなど、それこそ「異常」だ
ふむ。なるほど。確かに、言いえて妙だ
その意味では、私は「真のクリスチャン」なのだろう
クリスチャンの語源は、「キリスト狂い」だからだ
「命がけでキリスト教やってない」私だが
少なくとも「キリストに狂う」ことは出来ているらしい
さて、この異常者に押し付けべき
あ な た は、誰に押し付けるのか、聞かせてもらってもいいかしら?
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