小休止

「そもそもフシギダネ、 と言うか草タイプ自体が無いっスよ

弱点多いじゃないですか」

「いや青葉さん、 それは違いますよ」

「?」


金崎の言葉に首を傾げる青葉。


「最終進化系のフシギバナは草、 毒の複合タイプ

炎、 エスパー、 飛行、 虫が弱点のタイプ

リザードンは炎と飛行の複合タイプ

水、 電気、 岩、 氷、 岩に限っては4倍弱点ですよ」

「エスパー弱点も致命的だと思いますけどねぇ

カメックスは電気と草だけが弱点ですから、 この論で言うとカメックスが一番優秀に」

「ちょっと待てよ、 氷に関しては全タイプ警戒した方が良いんじゃないか?

凍らせられたら終わりだぞ?」


灰田の言葉を遮る青葉。

第一世代の氷は溶けないのだ!!


「氷は絶対に意識しなければならない鬼門だ」

「だが炎も凍るだろう」

「そうだな、 だが逆説的に氷は全タイプにとって弱点と言い換えても良い」

「暴論だ!!」


青葉の言葉に反論する灰田。


「いや、 青葉さんの意見に同意しますよ私は」


緑谷が賛同する。


「凍らされるのは危険、 これは全ポケモン共通です」

「・・・だとしたらフシギバナは弱点5個と言う扱いになりますよ?」

「いやいやいや、 虫は無視して良いでしょう

初代ポケモンの虫技最強はダブルニードルですよ、 御話になりません」


ダブルニードルは1ターン2回攻撃の技だが威力は25。

余りにも威力が低すぎる。

そしてスピアーしか覚えない、 幾ら何でもこれは想定しなくて良いだろう。


「しかし」

「皆さん、 ちょっと良いですか?」


金崎が再度止めた。


「方向性を決める議論をしましょうと言ったのに再度取っ散らかっています

もう時間も30分近いですし、 ここは」


青葉がガタっ、 と立ち上がった。


「すいません、 一回タイムお願いできますか?」

「タイム?」

「えぇ、 ここまで喋り倒して喉が渇いて来たので何か買って来ますよ」

「自販機が階段の所に有りますよ」


面接官が言った。


「では買って来ますよ、 全員珈琲で良いですか?」

「珈琲無いです」

「・・・じゃあ何があるんです?」


面接官の言葉に苛立ちながら言う青葉。


「水とソーダとミックスオレ」

「タマムシデパートか」


タマムシデパートの自販機に売っている

おいしいみず、 サイコソーダ、 ミックスオレ。

必要無い筈なのに買いたくなるのは何故だろう。


「一緒に行きますよ」


金崎が立ち上がる。


「じゃあミックスオレ」


白井が言った。


「「水で良いです」」


緑谷と灰田は言った。

青葉と金崎は自販機に向かった。


「流石にポケモンと同じ値段では無かったか」


ポケモンの自販機で一番安いおいしいみずですら200円と言う超暴利である。

最早観光地価格と言う次元では無い。

ポケモンセンターの回復は無料なのにこの価格帯は何なのだろうか。

青葉は水2本とミックスオレを3本買った。


「え? 私は良いよ、 自分の分は自分で買うから」

「いえ、 俺が飲むんです」


そう言って青葉はその場でミックスオレを一気に飲み干した。


「ふぅ、 糖分が切れちまって良くない

これからの戦いを乗り切らなきゃいけないってのに」

「ちょっと待て青葉さん、 それは違うぞ」

「違うって何が?」 

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3匹のポケモンの内、どれを選ぶべきかを話し合って下さい。 @asashinjam

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