方向性の模索

「は、 はかいこうせん!? 反動で次のターンに動けなくなりますよ!?」


青葉が叫ぶ。


(いや初代は)

「威力はそちらの方が高いじゃないですか

そもそも極論から言うと最初の3匹は如何でも良いんですよ」

「「「「!!!?」」」」


白井の言葉に驚愕する一同。


「だって最初のポケモンよりも強いポケモンはありますし

最強パーティーにフシギバナ、 リザードン、 カメックスが入っているイメージあります?

考える必要すら無い話題です」

(た、 確かにそうだが・・・これは・・・)

「・・・白井さん、 確かに最終的な結論パ、 世代最強パーティにその3種は入らないと思います」


緑谷の言葉に他の者も色めく。


「ですが、 最強パーティの話はしない方が良いと思います」

「何故?」

「だってそれ言うとミュウツー6体とかになるじゃないですか」

「えぇ!?」

「ちょ、 そりゃズルっスよ!!」

「それはありなのか?」

「ちょっと皆さん、 良いですか? 提案があります」


金崎が提案する。


「ストーリー上は自由な編成で良いと思いますが対戦に関しては色々ルールが有ると思います

伝説禁止や同じポケモン禁止とか、 一旦そのルールを決めた上でどのポケモンを決めるかを

話し合いましょうよ」

「「「「・・・・・」」」」


沈黙する一同。


「異議なし」

「良いっスよ」

「そうしましょうか」

「ですね、 しかし一般的なルールとしては伝説、 同ポケ禁止

二体以上の催眠、 氷の禁止とかじゃないですか?」

「いや、 ミュウとミュウツーの禁止で他の伝説は1体ありのルールで地元でやってたっス」

「じゃあホワイトボードに書きだしますね」


議論の結果、 対戦でのルールは以下の様になった。


同じポケモンの禁止。

ミュウ、 ミュウツー禁止。

フリーザー、 サンダー、 ファイアーは一体のみ可。

二体以上の催眠、 氷の禁止。

お互い1匹同士の時にじばく、 だいばくはつを使用したプレイヤーは負け

お互い1匹同士の時に反動技でひんしにさせ

反動ダメージで使用者もひんしになった場合、 反動技を打ったプレイヤーの勝ち。


「こんな所でしょうか、 ついでに皆さんの意見も書いておきましょう」


白井:どれでもいい

青葉:ヒトカゲ

緑谷:フシギダネ

灰田:ゼニガメ


「ん? 金崎さんの意見は?」

「私は周囲の状況によりますね

私は当時は自分の周囲が多く持っているポケモンを選択していました」

「それは日和見主義と言う事では?」

「いえ、 周囲が多く持っているポケモンと言う事はそれだけ情報が多く

育成論も構築しやすいと言う事です、 周囲の状況を見てから判断します」


白井の言葉を訂正する金崎。


「ん-、 だとするとやっぱりヒトカゲじゃないッスか?

子供だったらやっぱりドラゴンは好きだし、 リザードンになるヒトカゲを選ぶと思うスよ」


青葉が話を最初に戻す。


「いや、 友達とプレイするのならばやはりフシギダネでは?

先程言った様に序盤を楽に早く進める事が出来る」

「ちょっと待って下さい、 確かに発売当時ならばスピードクリアも重要ですが

この時代ではスピードクリアはあまり意味がない

スピードクリア前提ならばRTA御用達のゼニガメが有用かと」

「ちょっと待って下さい、 時代背景

いや、 そもそも何を基準に選ぶのかも決めた方が良いと思います」


金崎が混迷しそうになる現状を食い止める。


「まず青葉さんはデザインを重視していて

リザードンがカッコいいからヒトカゲを選ぶと言う事ですね?」

「まぁそっスね、 強いのは強いですけどもカッコいいって言うのが一番デカいっス」

「緑谷さんと灰田さんは序盤の攻略の話をしていましたが、 強さ重視と言う事ですか?」

「まぁそうですね、 でもゼニガメだけを使うのではないストーリー進行を想定しています

子供の頃に最初に貰ったポケモンだけ強くするとかそういうプレイとかしませんでしたか?

そういうプレイはポケモンのゲーム性を阻害すると思うので

私はそういうプレイを考えています」


灰田が滔々と答える。


「・・・・・私は不自由な序盤を越す事をメインに考えていますね」


少し考えて緑谷が答えた。


「そして白井さんは最初のポケモンが如何でも良いと」

「そうですね、 拘る必要は無いでしょう」

「とりあえず今回はどのポケモンを選ぶと言う話ですし

選ばないと言うのは無しで行きましょうよ」

「いや!! 選ばないと言うのも立派な選択肢でしょう!!」


白井は断固として折れなかった。

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