第5話やっかいな誘拐。2


後藤田家は、我が家、程ではないが、ある程度、歴史のある一族です、大昔は、やんごとなき一族から娶り産まれた長男と帝の姫御子と婚儀を行ったと資料に記されています。


そんな、歴史ある一族が誘拐とは前代未聞だ。新聞記事に載ったりしたら、世間体が悪いだけでは済まないだろうな。



春正の両親、高藤東吉と雪乃が駆けつけた。


執事大地の和室10畳に客用座布団を敷いてある。


東吉は春正を見るなり、近付き抱きしめていた。雪乃は、春正と呟き泣いていた。


春正は、誘拐されてから逃げだすまでを話し始めた。





学校は、私立城南小学校に運転手久川が毎日送迎をしていた。


だが、その日は学友、北原聡の家で勉強をするから5時に北原家まで迎えにくるようたのんだ。


運転手久川は、高藤東吉に連絡を取り承諾されたので、北原家門で降ろした。


2人は、そのまま駄菓子屋に行き、お菓子を買ったり。見たこともない風船ガムや、クジを引いて当たりが出たら、良く分からない人形をもらい、アイスバーも、当たった。


兎に角、よく当たり嬉しかったことは覚えているが記憶が駄菓子屋のことまでしか思い出せない。


普通は、駄菓子屋でそんなに沢山当たりは出ない、そんなに当たっていたら商売にならないからだと話していた。


誘拐犯と駄菓子屋の主人は、ぐるだった。

駄菓子屋の、お婆さんの息子が借金をして、お婆さんが払えない額で悩んでいたところに、誘拐犯の仲間が一ヶ月店を貸してくれるなら、1000万を前払いする用意はある。


そう言いながらアタッシュケースを開けて中の札束を見せる。


お婆さんは、お金を見た瞬間、一ヶ月お好きに、お使いください。と、御辞儀していた。





ヒソヒソ男達の声がする、もう少し寝たフリを、しとこうか僕は何の、ために誘拐されたのか理由は知っとくほうが何かと便利に運ぶだろう。


後藤田家が、話し声で頻繁に聞こえてくる。


ドアが開く音がする、今の、ところ僕が起きてるとは気づいていない、寝たフリをしとこう。


上半身、入れ墨をしている男が聞いた。

「ガキはどうしてる?」


スキンヘッドの男は振り返り返事をした。

「ぐっすり寝ています」

上半身入れ墨男はニャっと笑い。

「よし、飯、食いに行くぞ」


「はい」


2人が車に乗りエンジンをかけて車が動くのが分かり春正は起き上がった。


さっきドアに鍵を、かけなかったよな?


ドアノブを回したら開いた。


直ぐ外に出たら、あたりは真っ暗で道はあるが、あいつ等が、いつ戻ってくるか分からない、あの道とは反対側の山道を進む、ことにした。


高藤家は灯台のように白、赤、緑、黄、遠く離れていても我が家が発見できるように灯されている。


灯りをたよりに下山していると朝日だ。

多分だが5〜6時間は歩いている。

この方向であってるはずだ確かもう少し下ったら道路だ。


あっ道路は、もしも彼奴等に僕が逃げ出したって知れたら探している最中だ。


だけど、これ以上時間がかかると僕の体力が持たないや!


イチカバチカ道路を走り抜けよう!


今まで、こんなに走った記憶は無いぞ!

プップーープププ―キキキー―


「小僧死にたいのか!!」


「ごめんね~」


走ってやっと向こう側まで走ると、あの男達の車が停車している。


まずい、帽子と高級ランドセルも捨てた。


髪はボサボサ、顔は泥で汚し車の前を通って後、もう少しだ。





大地貴文の家までたどり着いた。

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やっかいな遺言書。 尾道小町 @onomiti3145

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