第4話 やっかいな誘拐。



高藤柚子20歳、鈴子と瓜二つの女性、母親違いなのか?


執事セバスチャンが、柚子を紹介したら鈴子だろうと話題になっている。


最近まで柚子は鈴子と合うことは、なかった。


鈴子が、亡くなって初めて高藤家に連れてこられたのだ。


鈴子には、年の離れた兄、高藤春正40歳がいたが行方不明になっている。

10歳の時、誘拐され見代金は、払ったが帰ってこなかった。





30年前のあの日。


帰ってこない息子のため、お金の力を使い誘拐犯を裏の組織で指名手配したら犯人は見付かったが、子供だと油断した隙に逃げられたと話している。


のらりくらり、全貌を明かすつもりはないようだ。


部下からの報告がきた。誘拐犯の頭を少し脅したら話す気になったようだ。


誘拐犯は雇われたと話している、逃がしてくれたら相手を教えると交渉してきた。


どこの誰か話したら海外に逃がす段取りをするが、どうするか決めろと説得した。


ある人物の名前を語り初め聞いて困惑して悩んでいた。


身内の仕業だった。だから戻るのは断念したのか。


あの子は、頭の良い子で戻ると、家族全員殺される、 だから逃げ出し行方不明を偽装したのか・・・。


あの一族が、我々の幸せを妬み踏みにじったんだ。


今は、ひっそり目立たぬよう生きていこう、きっと復讐にぴったりな、その日がやってくる。そう言い聞かせていた。





その頃、逃げ出した高藤春正10歳は、休憩無しで、ひたすら真っすぐ歩き続けた。


父親がいつも言っていた。


屋敷は山に立っているので夜は灯台の灯りと同じ、白赤緑黄の4色を使いどんなに遠く離れていても我が家が発見できるように灯されている。


フラフラ歩きながら、セバスチャンの父親、大地貴文を頼って家の近くまでたどり着いたのだ。


すぐドアを開けて、家の中に入りたいが・・・12キロ歩いて昨日から、何も食べていない、風呂に入ってない、ほとんど寝てないから布団で休みたい!


だが、僕を誘拐した奴らが見張っているかもしれないから用心に越した事はない。


人が居ないことを、確認して玄関ではなく、テレビの音がする方に近付き小石を投げた。


大きい方だと、硝子が割れてしまう可能性があり小石だと音が小さく気づかないかな?


窓を開ける音がする。


僕は、窓の下に隠れ誰か確認した。


セバスチャンと執事大地だった。


うれしさの、あまり、いきなり立ちあがったら執事大地の顎にヒットして鈍い音が響いた。


執事大地は思わず叫んでいた。


セバスチャンが小声で、はるだ。


執事大地はセバスチャンの目線の先を見た。瞬間、春正の両脇を両手で掴み部屋の窓から引きずり上げた。


執事大地は坊ちゃんと、言いながら抱きしめ、泣いていた。


僕はもう限界でそのまま寝落ちしていたのだ。


目覚めたら布団の中だった。


ふかふか、でもないし、ただお日様の匂いがしていて、心が安らいだのは、たしかです。


セバスチャンの母親マーサが話しかける。

「心配していたんですよ」


「ありがとう昨日は、クタクタで直ぐ寝てしまったから、お父様とお母様には連絡とってくれた?」


「はい、勿論です、あと10分でお会いできますよ」


「早く会いたいな」




今回坊っちゃんの誘拐を指示した者達は後藤田家だと判明しました。




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