第3話やっかいな人々。



この部屋は、さっきの和室とは違いバンケットルームなので開放感がある。


椅子に座るので正座が苦手な人は楽です。


4人、3人、2人、1人に分かれて話をしている。


俺は1人でいる、だが、11人目の男が会場の観音開きのドアを開けて、一人、入ってきた。


誰なんだ。この男は、皆、感じ取ったはずだ。


11人目なのか、と?


推定身長180Cm位、顔は普通より少し良い、タキシードに蝶ネクタイ個性はある。


あっ、謎の男がマイクのテストとか言い始めた。


ここに、いる10人は、あいつ誰だ?とか話しているが使用人達は黙って見ている、まるで男の正体を知っているかのようだ。


男が話し初めた。


「ここに、お集まりの皆さんを紹介、致します高藤家、執事大地セバスチャンです」


10人がそれぞれ思っていた。名前が何故、セバスチャンなんだ!


皆が、ざわついていたが無視して本題に入る。


「高藤百子様の父親、選択の対象者10人の名前、年齢を読み上げます」


おどおどしながら少し腕をあげた。男が1人質問をした。

「あの、質問1つ、いいでしょうか?」


執事セバスチャンは彼を指差した。


人を指差すのは無作法だと分かっているが、この瞬間だけ横柄な態度をとっている。

「どうぞ貴方は、細川悟様ですね。話せる範囲内なら、お応えいたします」



「何故、こんなに面倒なやり方をするんですか?」



小学生か!ツッコミを入れたくなったが我慢した。


お前の年収、程の金が報酬としてもらえるんだ解らんのか?


百子様の父親が、お前でなくても1人3、000万円貰える、気にいらないなら帰れ!


うううぅ言えない・・・。お前は家に帰る日、1番に殴る。


「申し訳ございません、そう思われるならば、どうぞ、お帰りくださって結構です」


えっ!今、どうぞ帰れって丁寧に言われたのか?

仕方ない黙って座っとこう。

チョット気になったから聞いた、だけなのに、やんわり帰れとか感じ悪いな、あの執事やな奴だ。


執事セバスチャンが説明をはじめた。

「これから名字、名前、年齢、を発表しますので、ご自分の名前の方は、お立ちください」


「一ヶ原斗真様25歳」


「俺だ!」

立ち上がり、お辞儀をした。


「黒木智也様27歳」


「チース」

座ったまま返事をしている。


隣りの小林が注意をした。

「立たないと」

威嚇しながら立ってふてぶてしく椅子に座った。


「黒木樣、態度悪いですよ、2度目は無いですよ」

いい年して今だに態度を改めない奴は帰すしかないな。


セバスチャンの威嚇返しを喰らった。黒木はこの日から態度を改めた。



「小林栄治様27歳」

「はい」

普通に立ち上がり綺麗なお辞儀をした。


皆さんこんな感じだと良いのですがね。



「沢田大作26歳」


「はい」

普通のお辞儀をした。


「細川悟様21歳」


「はい」


エッ、21歳!?


5年前は、未成年だよなまじか?

16歳って・・・。

俺は21歳だった。

他の奴らも、気付いたようだ。



「本間貴明様25歳」


「はい」


あれ、20歳は確か1年間沖縄に、いたぞ!?


まあ、いっか弁護士、屋城が勘違い、したんだから俺のセイジァナイサ〜。



「丸山小吉樣30歳」


「はい」

正直、高藤鈴子なんて女、知らないと言ったのに、付き合っていたと話してくれたら現金3000万は君の物だ。って言うからさ屋城弁護士が。



「森川仁26歳」

実家は金持ちだが、この男がギャンブルに狂い多額の借金を抱えている。

「はい」


「森田竜也24歳」

身長187Cm美しい容姿、モデルをしていて将来は、俳優になりたいと思っていた。

「はい」


「屋城隆史29歳」

弁護士だが、生活は大変そうだ。


「はい」



執事セバスチャンは読み上げた。だけなのに疲れていました。


屋城弁護士はなかなかの曲者だな、要注意人物だな。




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