第12話

「・・・雪」


帰りに、雪の元に会いに来た。


だけど返事はくれなかった。


「・・・優くん」


そこに、春が現れる。


「・・・」


花を持っている。雪に対してだろう。


流石に何か言える気にはならない。恨みと怒りはあるが、


その匂いで楽にさせてあげて欲しい。


「・・・」

 

「・・・」


沈黙が続く。


そして、春から口を開く。


「優君。私ね」


「・・・」


だが、優は無視して、雪のことをじっと見ていた。

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