恋と二人三脚

「よーいスタート!」


最初の7グループが一斉に飛び出した。ほとんどの奴らが数歩歩いたら転んでいた。


「まず最初のギミックは後ろから襲いかかる『刃』車だ。」


最初のグループが走り出した数秒後、技術の授業で使ったことがあるだろう丸ノコの刃の部分がとても大きい姿で転がって走者に襲いかかった


「おいおい、あんなん聞いてないだろ!」


あんなのに巻き込まれたらと考えると背筋が凍ったが巻き込まれた姿を見てみたい気持ちもあった


バタン


一グループが倒れたがそんなのお構いなく刃車が進みグループの股に刃が入った


「アァァァァァーー」


二人とも刃の餌食となり返り血で刃車は真っ赤に染まった。


「キャャャーー」


まおが叫び少し驚いた


「港君、もう私このゲーム辞めたい、人が死ぬ所をもう見たくない…」


「ああ、早く終わらせよう」


終わらせ方もわからない、このゲームを生き残れるかもわからないのに見栄を張りカッコをつけた


しばらく走り刃車が止まったと思ったら再び男が話しだした


「次は○×ゲームだ問題を読み正解だと思う方に飛び込め正解ならそのまま走れるけど間違えたなら地下3000mに真っ逆さまだ。」


次は○×ゲーム?お笑いやバラエティでよく見るが今回は笑いにもテレビネタにもならない文字通り命がけだ


第一問、トイレットペーパーは元々トイレ用として開発された物、○か☓か


「トイレで使うからトイレットペーパーなんだろ?」


「もしかしたら引っ掛けかも…」


「引っ掛け要素どこにあるんだよ!」


「判断がおせーなぁ!」


男が声を荒げて言った


「5秒以内に選ばないと後ろから刃車が来るようにする。」


ウィィィィン


最初の時とは比べ物にならないほど速い刃車がこっちに向かってきた


「早く、早く選ばないと俺等も皆殺しだ。」


「お前が行けよ」


「なんでだよ、お前だろ?」


全員人に押し付け自ら行こうとする奴は誰もいない


「ヤバイ、刃車が来るぞ」


「醜いなトイレットペーパーは元々トイレ用じゃない!だから☓だ!」


勝山が☓の方に突き進んだ。


「☓じゃないだろ!待て!」


☓の紙の先には道が続いており☓が正解だった。


第2問コンビニは歯医者よりも多い◯か☓か


「おい勝山これはどっちだ?」


「こんなんわかんねぇーよ、常識的に考えるとコンビニだが…」


考えれば考えるほどどっちか分からなくなる。


「もう刃車が来てるぞ!早く」


「コンビニだコンビニ!」


瓜山達が◯に飛び込んだ、だがその先には道がなく大きく深い穴が空いていた。


「コンビニより歯医者の方が多いのかよ…」


最終問題、小中高この中で一番給料の高いのを選べ


最後は三択?


「こりゃわかんねぇぞ」


「中学だ、」


影谷がボソッと言った


「俺の父が中学の先生だったからよく自慢された。中学が一番給料が高いんだぞーって」


「じゃあ中学なのか…」


一グループが高校の紙に飛び込んだがそこには道がなく穴しかなかった


「中学なわけ無いだろ〜?県立の職員なんだから小中より低いわけないだろw馬鹿だな〜」


「お前、騙すような真似すんじゃねーよ」


「は?何綺麗事ほざいちゃってんの?ここでは自分を一番に思わなきゃ死ぬぞ?」


全員が黙り込んで影谷を睨んだ


その後ギミックはなく最下位のグループが死んだ。

二列目も同じようなゲームで3グループが死んだ


ついに俺達の番が来てしまった…


「朝宮、大丈夫か?絶対生きような」


「うん!」


よーいスタート!


死の恐怖なのかまおと走って恥ずかしくなってるのか、頭が真っ白になりながらひたすら走り続けた

追い続ける刃車とクイズを突破し後は走り抜けるだけ、隣には後一グループがいて2チームだけだった


「朝宮、後もう少しだ頑張って!」


バン!


相手のチームが転んだ、それを朝宮が気にしていた


「朝宮!気にするな!」


俺は朝宮の手を強く掴みそのままゴールした。

このレースでは2チームが死に最後では3チームが死んだ。


「さっきは強く掴んでごめ…」


「何であの人達を見捨てたの!?もう人が死ぬのは見たくないって言ってたじゃん!!同時にゴールしたら死ななかったかもしれないじゃん!」


そうだ俺は朝宮に怒鳴りつけて嘘をつき傷つけた。


「ごめん…そんなつもりじゃなかったんだ…」


「今更言い訳?もう良いよ!」


あぁやっちまったいつもこうだ上手く行きそうなところで切れる。もう懲り懲りだ


「1stゲームお疲れこのゲームで44人まで絞れたもう少し絞りたいところだね、だから次のゲームはドッジボールをしよう、丁度偶数だから今のグループでお別れグッパして」


次はドッジボールか、それより朝宮…申し訳ないな


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る