─用語解説 patch1.1─

◆冒険者

この世界における職業のひとつ。

本来冒険者とはどの組織にも属さず、概ね旅人と同義であると思われていたが、冒険者の存在が経済的効果に大きく影響をもたらすと分かると、各地でギルドや『冒険者の宿』が流行し始めた。それに伴い、現在では『旅人』という側面よりも、依頼を受けて仕事をこなす『何でも屋』『万事屋』としての側面が強くなっている。


◇パーティー

冒険者数人で編成されるチームのこと。四人〜八人で組んでいることが多い。


◇リーダー

パーティーの責任者。パーティーによっては『ボス』など、呼称が異なる。

必ずしもパーティーを発足した者であるとは限らず、また最も強い者、年長者であるとも限らない。リーダー不在のパーティーも稀に存在する。



◆冒険者の宿

冒険者たちが住まう宿の世間的な呼称。多くは食事処、温泉宿などの一部を冒険者専用に貸し出すことで成り立っている。

亭主(経営主)が依頼を募集し、依頼主に適切な冒険者を紹介するというシステムであるため、冒険者が前金を持ち逃げしたり、実力に見合わない依頼を受けてしまったりといったトラブルを避けることができる。

宿によって大きく雰囲気が異なり、所属する冒険者の個性にも偏りが出やすい。


◇ヴィノクの兎亭

ジェイダリアの都市カラットにある、中規模の冒険者の宿。亭主はガンダルヴァ。

一階で食事処を経営し、二階と三階を冒険者たちの住まいとして貸し出している。

ガンダルヴァの作る料理の美味さとそのボリュームが人気で、日中は近隣住民でよく賑わっている。

六年前、四名もの冒険者が亡くなり、ユウジンとコヒナが昏睡状態に陥る事件が起きてから一時的に経営状態が悪化していたが、現在は全盛期ほどではないにせよ回復している。


金烏きんう

ジェイダリアの都市カラットにある、小規模の冒険者の宿。

一階は貸し画廊、二階が冒険者の住まいになっている。

貸し画廊の経営がメインのためか知名度が低く、所属している冒険者も『黒点会こくてんかい』の六名のみである。



六天遺跡ろくてんいせき

ジェイダリア、ザッフィラ、ルベアンダ三国の境に存在する、正体不明の謎の遺跡。

広大な砂地に六本の鉄塔が並び、塔の下には『遺物』が放置されている。

ライターズの働きに応じて勝手に修復されているらしい。

現在は金烏亭の黒点会が管理権限を買収している。


◇遺物

六天遺跡に放置されている旧文明の遺物。

『機械』と呼ばれるものが多く存在しており、適切な知識をもって修理すれば今でも使えることが周知されている。そのためこれらを『資源』と呼ぶ者もいる。


◇旧文明

二千年以上前に滅んだ世界文明。

科学、機械工学、医学等が発達し、人々は豊富な資源を手に不自由なく暮らしていた。

旧文明が滅んだ詳細な経緯は不明だが、資源をめぐる争いの果てに人類が自滅したとする説が有力である。


◇新文明

旧文明が滅んだ後の世界で、新たに発達した文明。

科学の発達は著しい遅れが見られるが、魔法の駆使により生活を豊かにしている。

旧文明の頃よりも多くの種族の生物が存在していることも特徴的。


別世界線パラレルワールド

並行して存在する別の世界。未だ旧文明が滅んでいない別世界線も存在する。

六天遺跡は別世界線同士を繋げていると思われており、六天遺跡の修復が旧文明の救済に繋がるという仮説は、一部の研究者たちの間では有名。

世界がいくつ存在するのか、実際に世界同士が繋がると何が起きるのかは未だ不明である。



◆ロール

この世界における生物の『役割』。

『ライターズ』、『リッターズ』、『キャラクター』の三種類が存在し、いずれにも当てはまらないという例外は無い。

ロールはほとんどの場合自覚しており、一部の条件を除いて途中で変更されることは無い。

性格や特技とは別に、ロール特有の能力や補正がある。詳細は以下、ロール解説参照のこと。



◆ライターズ

ロールのうちの一つ。『作家ライター』とも呼ばれる。

『作品』という固有の能力を持っており、『名文詠唱』という特殊な詠唱を行うことで能力を行使できる。『作品』は概ね本人の武器として具現化される。

ロールのメリットとして、『キャラクター』の心情を看破することができる、依頼シナリオの異変に気付きやすいなど、探索面で有利なことが多い。デメリットとして、『名文詠唱』を行わなければ能力を行使できない、能力の強弱に個人差が出すぎるなどがある。


◇作品

ライターズの固有能力。能力の効果は詠唱される『名文』によって異なる。また一人のライターズが複数の『作品』を持つこともある。

能力を使っていない間は概ね本の形をしている。作品を具現化させるには継続した魔力循環が必要であり、魔力が尽きると作品は実体を持てず、『名文詠唱』を行っても具現化できない。具現化には莫大な魔力消費のデメリットが伴う。


◇名文詠唱

『作品』を扱ったり、それによる恩恵を得たりするために必要な詠唱のこと。ほとんどの魔法詠唱とは異なり、ライターズ本人の詠唱でしか効果を成さない。

詠唱自体には魔力を消費しないが、詠唱後、作品を維持するために著しく魔力を消耗する。また、発声が必須条件であるため発声不可能時に『名文詠唱』はできない。ほとんどの魔法詠唱とは異なり、詠唱を省略したり、他の術式(マジックアイテムを媒介としたり、手で印を結んだりなど)によって代替とすることはできない。


◇文豪

詳細不明のライターズ集団。その多くは強力で、後述の『作風』にも癖が出やすい。

『芥川龍之介』がこれに該当する。しかし他の『文豪』については名前すら知られていないこともあり、そもそも文豪同士が協力関係にあるのか、共通の目的を持っているのかすらも不明。


◇作風

ライターズが持つ固有のエーテル(魔素)の流れ。目には見えず、魔力感知にけた者には看破できる。

ひとつの『作品』に対し『作風』は一つ。ただし同一ライターズが二つ以上の『作品』を持つ場合、作品Aと作品Bの『作風』は異なることがある。



◆リッターズ

ロールのうちの一つ。『騎士リッター』とも呼ばれる。

三つのロールの中で唯一『レベル』上限が100であり、およそ10〜15を上限とする他ロールと比較してもその差は歴然である。

『プレイスタイル』、いわば生き方にかなり個人差があるのもリッターズの特徴であり、戦闘面で有利であるからといって必ずしも皆がその力を戦闘に行使している訳ではない。

ロールのメリットとして、16以上のレベルに成長できることや、単純な筋力や体力、器用さなどの運動神経が良いことが挙げられる。デメリットとして、良くも悪くも頑健なことが多くほとんどの場合がため、精神的にダメージを負いやすい。


◇ハイレベル・リッターズ

レベル16以上のリッターズ。

他ロールの上限(レベル15)でも相当な力を持つが、それを上回るともなればおよそ人間とは思えぬ力を発揮する。


◇リプラナ

死者を生き返らせる魔法。

魔術に心得のある者ならリッターズに限らず行使できるが、これには約六十時間以上かかる連続的な詠唱が必要になる。くわえて、必ずしも成功するとは限らず、術者の肉体と引き換えに成功するケースも多い。

レベル50以上のリッターズのみがリプラナを無詠唱、無代償で行使できる。しかしリッターズに蘇生された者は強制的にロールが『キャラクター』となり、キャラクターを蘇生することは不可能である。

リプラナを使用可能なリッターズは、全ハイレベル・リッターズの12%しかいないと言われている。



◆キャラクター

ロールのうちの一つ。『英雄ヒーロー』とも呼ばれる。

それが世界の真実であるかは不明だが、この世のキャラクターは全てライターズによって生み出されたとする独自の神話を根幹に持つ。

レベル15以下であれば全ロールの中で最もステータスが高く、単純に強力であるといえる。保持するエーテル量も最も多く、簡単な魔術であれば多くのキャラクターが生まれつき行使できる。美しい容姿の者が多いとする説もあるが、これは前述の『神話』の影響が大きく科学的根拠は薄い。

ロールのメリットとして、あらゆるステータスが基本的に高いまま推移すること、尖った強みが出やすいことなどがある。デメリットとして、蘇生魔法の恩恵を受けられないこと、死亡時に霧散するエーテル量が莫大なため命を狙われやすいことが挙げられる。

また、全ロールの中で最もといえるため、大抵のキャラクターはかえって精神的に強いことが多い。


◇キャラクターキラー

キャラクターを討伐した際に霧散する莫大なエーテルを狙い、キャラクター討伐に活動の重きを置くリッターズの総称。



◆ジョブ

冒険者の職のこと。主に武器と戦闘スタイルによって決まる。


◇アタッカー

物理攻撃メインのジョブ総称。

近接メインの『メレー』、遠隔メインの『レンジ』にも区分できる。


◇キャスター

魔法攻撃メインのジョブ総称。

詠唱や魔紋を必要とする代わりに手数の多い『ソーサラー』、魔法媒介武器を使用して詠唱等を必要としない代わりに得意魔法が限られる『メイジ』にも区分できる。


◇ヒーラー

回復役のジョブ総称。

回復専門の『ピュアヒーラー』の他、他と複合の『タンクヒーラー』『バフヒーラー』『デバフヒーラー』にも区分できる。


◇タンク

盾役のジョブ総称。

攻撃役と兼ねた『タンクアタッカー』、回復役と兼ねた『タンクヒーラー』にも区分できる。


◇バッファー

強化役のジョブ総称。

バフ専門の『ピュアバッファー』の他、他と複合の『バフアタッカー』『バフキャスター』『バフヒーラー』にも区分できる。


◇デバッファー

弱体化役のジョブ総称。

デバフ専門の『ピュアデバッファー』の他、他と複合の『デバフアタッカー』『デバフキャスター』『デバフヒーラー』にも区分できる。



四核神よつかくしん

世界の核を担うとされている四柱の神。

風の国ジェイダリア、海の国ザッフィラ、砂の国ルベアンダ、闇の国オペクシアに一柱ずつ存在すると信じられている。



◆ジェイダリア

通称『風の国』。

広大な森林を有し、比較的温暖で一年を通して過ごしやすい気温が続く。春夏秋冬がはっきりしており、三国の中では最も人口が多い。

国を囲む大森林から流れる豊富な風エーテルを使用し、独自の飛空挺技術を保持。これを用いた国交を強化させ、近年は著しい経済発展を遂げている。

『風』と『豊穣』を司る女神信仰が一般的。


◇カラット

ジェイダリアの中都市。取り立てて都会でもないが、田舎すぎる訳でもない。国内では三本の指に入るほど大きな街。

本国が飛空挺開発に力を入れるようになってから、経済効果を狙って『冒険者の宿』が多く作られるようになった。



◆ザッフィラ

通称『海の国』。

ジェイダリア南方の大森林を抜けた先に位置し、大海に面している。夏は暑く、冬は寒い。夏と冬の境にはひと月ほど嵐が続くが、美しい海と白を基調とした街並みで、外国からの観光客も多い。

大海から流れる豊富な水エーテルを使用し、独自の船舶技術を保持。

『海』と『知恵』を司る男神信仰が一般的。



◆ルベアンダ

通称『砂の国』。

ジェイダリア西方の大森林を抜けた先に位置し、広大な砂漠を有する。一年を通し気温が高く、乾燥した晴天の日が多い。三国の中では最も土地が広く、その分多民族を抱えてきた。

貴重な資源を奪い合って長らく紛争の絶えない国であったが、8〜9年前に大きな内戦が終わって以降、目立った動きは見られない。戦前は帝政であったが、現在はジェイダリアに倣って共和政となっている。

『砂』と『戦争』を司る女神信仰が一般的だが、戦後はジェイダリアの女神信仰の影響を受けつつある。



◆オペクシア

通称『闇の国』。

三国が存在している大陸の東方、『魔の海域』とも称される『暗黒海』の向こうに位置する詳細不明の島国。

『闇』と『睡郷すいきょう』を司る男神信仰が一般的。




 ◆




 (※patch1.1現在)

 今後予告無く内容が変更、追記されることがございます。

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