第5話 エレナ・フェニクジャル
「この人たちは王国の兵士団だよ。なんでも湖のバスキーを捕りたいからこの吹雪を止めてくれとのことだ。」
「へぇ。私たちの愛の巣を壊すつもりなのかしら?」
ヘルン達王国兵士一同は彼女からの圧倒的なまでの殺意を向けられたことによって、彼女の魅力から無理やり離された。
「ん~ん。なんでも国の上に掛け合って国に居場所と入学する学園を用意してくれるらしい。」
「あら、それなら……うん。まぁいいわ。」
「ということだ。王国兵士団団長殿。僕たちはいい結果が出るようにこの小屋で待つことにする。これを受け取れ。」
レイスが投げ渡した透明な球体をヘルンは受け取った。
「これは……?」
「それを壊せばこちら側に信号が来る。そうしたら吹雪を一時的に晴らすから。それじゃあ行ってくれ。久々にエレナ以外と話せて少しは楽しかったよ。この一度きりの縁でないことを祈っているよ。王国兵士団団長殿。」
「……ああ、すまない、名乗ってなかったな。ヘルンだ。ヘルン・ビズ。これでも王からは認められて兵士だが騎士爵を受け賜っている。」
「それじゃあヘルン殿。また会える日を願っている。1時間。1時間だけ外の吹雪を止ませる。そのうちに吹雪の地帯を抜けるといい。」
そう言うとレイスはエレナに目配せするとエレナは指をパチンと鳴らす。すると窓から聞こえていたゴウゴウと鳴っていた吹雪がおさまり、道が開けた。
「おい、おめぇら。さっさと行くぞ。エレナ殿に見惚れてんじゃねえ。レイストニア殿に殺されてぇのか。」
ヘルンは未だにエレナの美貌に見惚れている兵士たちを現実へ返し、ウェリーの亡骸を抱える。
「それじゃあレイストニア殿、また会えることを祈っている。」
ヘルン達兵士一行は雪原を抜けていった。
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「ふぃ~…ねぇエレナ、僕威厳を保ててたと思う?」
「ん~…私としてはどんな時でもレイスが一番だから保ててたと言ってあげたいんだけど……ダメだったと思う。やっぱり口調がばらばらのように感じたわ。」
「う。やっぱそうか……」
二人はベッドの上でそんな風に話していた。
「あのヘルンさん?はいい人そうだったしある程度素のあなたを見せても構わなそうだけど……」
「ダメ。もしかしたらエレナが攫われるかもなのに舐められるような態度をとるのは絶対ダメ。」
「う、でも……」
エレナは顔を真っ赤にして太ももをモジモジさせると、レイスに上目遣いでこう言い放った。
「これ以上レイスが威厳を保とうとすると、それが素になっていくでしょう?ただでさえ今でもあなたの声音を聞くだけでこんなになっちゃうのにもっと乱暴になっちゃったら……んっ!」
そう言う彼女にレイスは口封じにキスをした。しかも深い方。
「はは、こんなに出来上がっちゃってる。最後の5日目とはいえ流石に出来上がりすぎじゃないの?」
「レイスぅ、はやく、はやくぅ♡」
エレナは目をハートにしてレイスにねだる。
「っ……今日は寝かせないぞ、エレナ。」
「へへっ、上等♡」
エレナが尻尾をレイスの足に絡ませると、レイスをそのまま押し倒した。
「ん、私に押し倒させるなんて…弱った?」
「まさか。ここからでも別に勝てるというだけだよ。」
その後、ナニがあったかは……想像に任せるとしよう。
ただ、勝ったのはレイス、とだけは言っておこう。
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読んでくださった皆様に最大限の感謝を。
コメントやフォローをしてくれるとすごく嬉しいです。
実はレイスは肉食系に見せかけた草食系と思わせといての肉食。
この二人、5日おきに焦らしに焦らして幸せになってるんだぞ。
さっさと爆発しやがれください。
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