第4話 交渉
「あなたはこの小屋を王国が襲わないことを保証できるのか?」
「……無理だな。」
ヘルンは少し
「そして転居しない理由だがここ以外に場所がないからだ。国の中であれば住民税が発生する。
「……自分で金は稼げないのか?」
「はっ、僕はまだ15歳だ。しかも学園にも通えていない。この世界では貴族王族以外は18歳から学歴があって初めて職を貰えるだろ。僕はその両方とも持っていないから、不可能なんだよ。」
ヘルンは少し打開策を思いついた。
しかしこれはもっと上……国王の許可が必要な部類になっている。この依頼を出した宰相経由で国王に提案するしかない、か。と考えているとレイストニアは驚いたような顔でヘルンに問うた。
「驚いた、どうにかする方法を思いついたという顔だな。何か思いついたのか?」
「お前は心でも読めるのか……」
ヘルンは疲れたような顔でレイストニアに思いついた話をした。
「まず住民税についてだが、唯一発生しない状態がある。それが国の客人としての立場がある場合だ。そしてお前は今15歳と言ったな?なら王立の学校に国の客人という名目で入学できる。そして3年間、みっちり学園に通えばいいはずだ。ちょうど2か月後だからな、入学試験。」
この世界ではレイストニアの言った職を手に付けるために学歴が必要なため、かなりの数の学園がある。その質は金の少ない平民から
更に入学試験もあるものとないもので別れる。
ただ、もしも国の客人という立場で通うのであればかなりの位のいいところに行かなければならない。そうなると必然的に入学試験もある程度難しいものになるが。
「ちなみに、その枠は二人分だよな?」
「二人分?……あぁ、そういえば嫁がいるt「くぅ~ん?」
レイストニアの膝元にいたエレナが目を覚ました。
目をシパシパさせると驚いたような顔でヘルン達を見る。そして上を見上げてそこにレイストニアがいることを確認すると、安心したようにレイストニアの横に移動する。
「おはよう、エレナ。」
そうレイストニアに言われるとエレナはジャンプし、一回転した。するとそこにいたのは……
「おはよう、レイス。この方たちは?」
水色と青、白で構成された綺麗なドレスに身を纏った白い狐の耳と尾を持ち、髪をウェーブのついたロングヘアにしている、兵士たちも見惚れてしましそうな女性……レイストニアことレイスの妻、エレナ・フェニクジャルだった。
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