<六>なかまはずれ

ちっとも面白くないんだよ

集団の中の誰かが言った

ずっと一人で突っ走るし

お前なんか必要ないし

もう二人が続いて言った


「合わないから」

なかまはずれ

「意味ないから」

なかまはずれ

「気に入らないから」

なかまはずれ


その人の涙を分かり

寄り添う人はいなくなった


ウザいんだよ

先輩が言った

黙って引き立てろよ

後ろに隠れてりゃいいんだよ

先輩の取り巻きが言った


咲いた色違いのはなのように

それは場違いでただ哀しい


そうだ、いろみずにつけてやろう

いろみずで染まってくれれば

目立つことがなくなれば

きっと私も

あの輪の中に


違うんだよ

誰かが言った

違うんだよ

大勢が言った

違うんだよ

声が反響していく


違う、違う、違う


いろみずがなくなったら

私はどう嘘を吐けばいい?


何もかもぴったり同じでないと

どんなことにも同調しないと

なかまにはなれないらしいんだ


うるさい程に

鼓膜が破れるほどに

私のことを否定する

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