<五>命

命は人を悲しませる

命があるからこの世に生まれる

命があるから死ぬとき消える

そのたびに誰かが悲しむ

ならいっそ、

最初からなかった方が


命の傀儡

希望の残存

無駄な決意と感情の欠落


命は全て無駄なのだ

何をしたって最後は死ぬ

いたずらに踊らされる掌

壊される希望たち


命を捨てる

寿命はのびないし

死んだとて悲しむ人は傍にいない

もしも

そういう人ができてしまったら

だめだ、考えるのをやめよう


何をしたって死んでいく

周りの人が死んでいく

倒れて

脈はなく

冷たくなる

そんな様子を見続けるなら

命なんかいらない


ずっと死に囚われ続けてきた

何をしたって周りに死が湧く

そんなふうになるのを止めたくて

人がいなくなるのが苦しくて


死んだらもう何もないんだ

どんな人だって死ぬんだ

消えるんだ

人生に殺される


そうなる前に

せめて、生きなくては

彼らを知っているのは

自分だけだから


神様になんて頼らない

自分の意志で

生き様を決めて

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