第58話・奴隷ってこんなにキャラが濃いのかな?
1人目・2人目との話し合いが終わった後。
3人目の訳あり奴隷が来るまで、目が点になっていたカイザルと会話していく。
「とりあえず2人は決まったけど問題ないか?」
「え、ええ、でも本当に大丈夫なのです?」
「その辺は色々考えているし、父上も変人には慣れていると思うから問題ないはず」
「あ、はい、そ、そうなのですね」
カイザルがマジで戸惑ってない?
まあでもさっきの
自分のキャラが崩壊したので、俺も素よりになりながら話していく。
「そういえば
「もちろん。名前はカレンと言って元傭兵団に所属していた女戦士ですね」
「ほうほう」
彼女もゲーム時代と名前が同じだな。
となると、アプローチのやり方もその時をベースに考えれば良さそうだな。
そう思いながらカイザルと話していると、警備員さんからの反応があったので中に入ってもらう。
「……」
「わあぁ」
無言なのにすごい威圧感だな。
茶髪で短めの髪で年齢は俺より二つ上の17歳で、体には多くの傷が残っている少女。
元傭兵だから眼光が鋭いのはあるかもだが、今の状況だとお客さんをびびらせそうだな。
「会話どうぞ」
「ああ、どうも」
「もう少し丁寧に話せないのか?」
「学のないおれには難しい話だな」
今度はおれっこね。
若干ぶっきらぼうな雰囲気はあるが、ゲームでは姉御肌でプラス面のイベントを起こしてくれる存在。
戦闘面でも
「俺は問題はないから普通に話してくれ」
「へぇ? 普通ならおれがお仕置きされる場面なのに問題ないのかよ」
「正式な場所ならともかく、今はそうじゃないから大丈夫なだけだ」
「そうかよ!」
あら、なんか少しだけ声が明るくなってない?
最初のコンタクトは成功したみたいだし、このまま畳み掛けれる方が良さそうだ。
自分の中で何個か対策を立てながら、獰猛な笑みを浮かべるカレンと視線を合わせる。
「それで本題だが、俺は優秀な戦闘奴隷を探している」
「戦闘奴隷ね……。なら表にいるいい子ちゃんでもよくないか?」
「はっ、俺は
「ツッ! そう言うことかよ」
何かを察したみたいだな。
カレンは学がないと言ったが、地頭は悪くないのでソッチ方面の伸び代もあるんだよな。
なのでここで手に入れたいキャラなので、少し食い気味で話していく。
「直球でぶん投げるがお前は優秀な傭兵だったんだろ」
「その言い方だとおれが奴隷落ちした理由も知っているんだろ」
「赤いサイクロプスの群れに仲間の大半が殺されたのと、生き残った仲間に騙されたんだったか?」
「そうだよ! てかなんでそこまで知っているんだ?」
「さっきも言った通り優秀な戦闘奴隷を探していただけだ」
本当はゲームの知識です。
ただまともにその事を言うつもりはないので、お茶を濁しながら相手の出方を見る。
するとカレンは吐き出すように笑い、死んだ魚のような瞳で天井を見上げた。
「それでお前はおれを買うつもりか?」
「買うよりも雇うだけどな」
「はっ! 戦闘奴隷なんて使い潰せる便利な駒だろ」
「お前の言い分は否定しないが、損得的にもったいないから使い潰しはやりたくないな」
「マジかよ……」
なんかカレンにドン引かれてない?
いやだって高い金を払って雇っているのに使い潰すとか無駄じゃない?
確かに金持ちの奴ならやるかもしれないが、俺はあんまりやりたくないんだよな。
「それでお前が聞きたいことは終わったか?」
「ああ、いやまだお前の名前を聞いてないぞ」
「俺の名前はバルク・カーマセルだ」
「へぇ、ならこれからよろしくなバルク!」
「おう! あ、正式な場では口調を気にしてくれよ」
鋭い視線なのにさっきよりは優しい。
今の状況に戸惑っているのかカイザルがオロオロしているが、俺は自分なりの笑みを浮かべながらカレンと握手する。
「正式な場なんておれには合わないだろ」
「うーん、口調面はともかく出れないことはないと思うぞ」
「おお! それなら楽しみだぜ」
めっちゃやる気になってない?
まあでもカレンも嬉しそうなのは個人的にありがたいので、俺は苦笑いをしながら握手を続ける。
そして彼女には一旦離れてもらい、一般の借金奴隷や戦闘奴隷も購入していくのだった。
〈今回の購入金額と人物〉
・リーネット〈銀貨60枚〉
・リリサ〈銀貨80枚〉
・カレン〈金貨1枚〉
・戦闘奴隷30人〈金貨45枚・1人頭は金貨1.5枚〉
・借金奴隷70人〈金貨5.6枚・1人頭は銀貨80枚〉
・訳ありの奴隷20人〈金貨6枚・1人頭は銀貨30枚〉
(奴隷の平均的な値段は銀貨80枚から金貨1枚くらい〉
ーー
〈奴隷用の物資や装備〉
・奴隷用の服関係で金貨10枚
・カレンの装備、金貨2枚
・使った装備費、金貨50枚
・その他の雑費、金貨5枚。
ーー
・奴隷購入費の合計、金貨59枚
・物資や装備代の合計、金貨67枚
・合計は白金貨1枚、金貨26枚。
(レート、銀貨100枚=金貨1枚、金貨100枚=白金貨1枚)
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