第6話 相談①~⑤のその後
今日は新しい相談に乗らず、過去5回の相談のその後を知る事にした。5人には事前にその旨を伝えてあるから問題ない。
どういう結果になるか楽しみね。
――相談①のその後――
「せんせ~、俺我慢の限界だ~」
私の前に座っている
そんな彼に対し、勉強・体作り・社会経験を積むように言ったんだけど…。
「おっぱいを揉むために勉強して、おっぱいを揉むために筋トレして、おっぱいを揉むためにバイト頑張ってるのに、全然女子が来ないんだよ~!!」
「丸平君。そんな早く男を磨ける訳ないでしょ」
大学生を目安に言ったのに…。
「そんな事言われてもさ~」
彼は全然納得しない。諦めが悪いわ。
「第一、君は下心を出し過ぎ。もっと隠す努力をしなさい」
顔は良いほうだと思うから、大人しくすればモテる可能性はあると思う。
「俺がそんな器用なマネできると思う?」
ドヤ顔で反論された。何で自信満々に言うの?
「おっぱいが恋しいよ~!!」
彼は今後も経過観察しないとダメね。じゃないと本業に支障をきたしそうだわ…。
―――相談②のその後―――
「安藤君。あれからガチャの課金はどう?」
「先生の言葉通り、“広く浅く”微課金しながらソシャゲをしています」
「そう…」
話を聴く限り、のめりこんではいないみたいね。
「1つのゲームに廃課金すると、サービス終了した時のダメージが大きい事に気付きました。先生に相談した後、お気に入りのソシャゲがそうなったので…」
別のソシャゲで寂しさを紛らわせる訳ね。リスク分散できてるじゃない。
「もう大丈夫だと思うけど、課金のし過ぎは気を付けてね」
「はい」
安藤君はもう大丈夫そうね。彼から相談がない限り、構う必要はなさそう。
――相談③のその後――
私の前に
「彼氏のまーくんと“大人のキス”はできた?」
私に経験がないのを悟られないように、あえて大人のキスを知らなくて良いという流れにした。
「もうどうでも良い、あんな奴!」
「何かあったの?」
「この前、良い雰囲気になったからあいつとキスしたんだけど、すごく上手だったの。だから理由を問い詰めたら、三股してるって白状したのよ!」
「三股? それはひどいわね」
「でしょ? それだけでもイラつくのに、あたしはその中の3番目なんだって! 一番じゃないのが納得できないわ!!」
姫川さん、相当プライドが高いのね。三股より一番じゃない点に怒ってるようだ。
「あたしと付き合う男は、あたしだけを見て欲しいの! 他の女にデレデレしたらぶっ飛ばす!」
「暴力は止めてちょうだい…」
「それはわかってる。今その方法を考えてるから、思い付いたら先生に相談するわね!」
「わかったわ…」
彼女も経過観察が必要ね。変な事言うなら止めないと。
――相談④のその後――
「先生、私の事を気遣ってくれてありがとうございます」
話す前、
「気にしないで。最近弟さんはどう?」
「変わらないんですが、この前トランクスの前開きから、先端がちょっと見えちゃいました♡」
「そうなの? どんな感じだった?」
本物を知らない私にとって、佐野さんの情報は貴重だ。
「ひょっこり出て可愛かったです♡」
可愛いんだ。私はたくましいイメージね…。
「それ、弟さんは気付いたの?」
「気付いてる素振りは、一切見せなかったですね」
「そうなんだ…」
「毎年暑い時期になると、あの子はお風呂上がり関係なくトランクスでウロウロするんですよ。もう止める必要はないですね♡」
それが真面目な佐野さんの息抜きになってるなら問題なさそう。もし過激な方向に走ったら、私が何とか止めないといけないわ。
…正直、自信は全然ないけど。
――相談⑤のその後――
「…早乙女さん。今日の分はこれで終わりね」
「ありがとうございます先生」
それ以降、相談できる日は毎回マッサージしてるんだけど…。
「私の見た限り、早乙女さんの胸に変化は感じられないわね」
正直に言うべきか悩むものの、時間の無駄は良くないので伝えておく。
「先生もそう思いますか? わたしもです…」
「これからマッサージどうする?」
回数を重ねても変化がないなら、見込みはないだろう。
「…先生がよければ続けたいです」
「私は構わないけど良いの?」
「はい。先生にマッサージされると気持ち良いんです。大きさの事よりそっちにハマりました♡」
その言葉に嘘はないわね。マッサージ中、早乙女さんはずっと喘いでいたんだから。私が何度、変な錯覚を覚えたか…。
彼女は良い子だし、このまま様子を見ましょう。
こうして、5人の悩みのその後を知った。悩みを本当の意味で解決するには、根気よく向き合うしかないわね。これからも頑張っていこう!
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