忘れてた もしくは忘れたかった

忘れてた

どこからか、鐘の音が聞こえる。ガヤガヤとしたその声と、どこからか香る花の香り.そうだ、今日は俺とみぃちゃんの結婚式だった.隣を見ると、白無垢を着たみぃちゃんがうつむいて座っている、その瞳には、キラリと輝く涙がみえたマリッジブルーってやつなんだろうか.それとも落し涙?遠くで、誰かが大きな声を出しているみいちゃんが俺の袴の袖を握り、うつむいていた顔を勢いよく上げる・その顔は、俺の大好きなみいちゃんの顔ではなく、おさななじみの剣斗の顔だった

 

「ギャー」

 

俺の声が、朝の森に響き渡った。

「おまえ本当に朝弱いなあ」

ケラケラと笑いながら、剣が俺の方をバシバンと叩く、

林家 剣斗 俺の幼馴染で今年高2の剣道部

男の俺でも惚れ惚れするようなイケメンで、高身長だ。

「ほんと、もう高校生なんだから、流石にちゃんと起きなさいよ」

呆れたようにため息を付く、星夜

林森星夜 俺のもう一人の幼馴染で同じく高2剣道部

男りな頼れる姉肌で結構な美人で剣斗の彼女

 

鐘の音に間こえていたのは、俺の目覚まし時計の音.ガヤガヤした音は、俺を起こしに来ていた剣斗と星夜の声だったようだ。

「朝から、うるさいなー、今日は土曜なんだからいーじゃん」

おれはそういいながら、落ちている目覚まし時計を拾う。時間はまだ、五時前、こんな時間に起きていると星夜たちのほうがおかしい。そうおもいながら二人の方を見ると、呆れたよう顔をして

「おいおいおい、おまえまさか忘れてるわけないよな?」

剣斗が星夜に聞く

「いやー、。いくら、守龍でもそこまで馬鹿じゃないだろう」

星夜がいったにやにやしながおれは、急いで寝起きの頭を働かせるなんだきょうは4月10日いちゃんの誕生日でも、俺の誕生日でもない。一体今日はなんの日だ?わからない。しかし、ここでわからないと言ってしまうと、星夜に馬鹿にされる。

「和田アキ子の誕生日?」

悩んだ末に出した俺の答えは100%間違いのものだった。

少しの沈黙の後剣に爆笑される。

星夜はもはや呆れてものも言えないという顔をされた。

「わだわだあきこの、誕生日って」

そこまで面白くもないのに、剣斗は腹を抱えて笑っている

「じゃあ何なんだよ」

俺はふてくされながら、星夜に聞く、

「あのねー」

こういいながら、星夜はクローゼットを指差すそこには、俺の真新しい制服が有る。

だが、それがどうしたんだろうか

不思議そうな顔をしていたのだろうか、俺の顔を呆れたように見ながら星夜が怒鳴る

「今日はあんたの 入学式でしょ!!!」

俺の叫び声の次は星夜の怒号が森に響き渡った。

 

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