新時代に生きることを諦めたまま息をしている19歳のビート。
神永 遙麦
新時代に生きることを諦めたまま息をしている19歳のビート。
英語は出来ねえ。プログラミングも出来ねぇ。中国語、なぁにそれ?
数学も出来ねぇ。歴史はちょっと得意。日本地図は未だに覚えてねぇ、でもググりゃ良い!
高学歴は作れねぇ。頭の出来? 悪いに決まってんだろ。親が施してくれた英才教育はぜーんぶ無駄だぴょーん。
料理も出来ねぇ。洗濯物すりゃティッシュまみれ。金もねぇから一人暮らしも出来ねぇ。
新時代の負の空気だけを吸う私にゃ意味がねぇ。
今日も今日とてネット見ては、人生の何分の一かを浪費。非常にもったいねぇ。
こんなクソよりも中身がない人生ですら、終わりへのカウントダウンは始終刻まれてる。
俺の人生にゃ、いや生活にすら中身がねぇ。特に技術も才能もない俺の人生に待つもんは、ビルに押し詰められる人生か、食い扶持を求め続ける生活。
こうなりゃ俺にできることは心臓が止まる瞬間を待つことだけ。だがそうすりゃ、たくさんの人りゃが望んでも戻らぬ若さがもったいねぇ。
だから俺は旅に逃げちまう。海外に行くほどの金はねぇが、国内旅行くらいならバイト代で行ける。っつかこのバイト代貯めりゃ一人暮らしはできるんだろうが、鬱憤は晴れねぇ。
旅先でもネット見てりゃ意味がねぇのは知ってる。だけんど行きてぇとこもねぇ。
俺の命懸けられるもんがありゃ、いいんだがんなのねぇ。戦争を望むわけじゃねぇが、恋人かなんかを体を張って守ってやりたい。んでその女がいつか結婚した先で、ガキでもできりゃ俺の命に価値はあったってことになる。
気持ち悪いな、俺。
新時代に生きることを諦めたまま息をしている19歳のビート。 神永 遙麦 @hosanna_7
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
同じコレクションの次の小説
花嫁はただ泣くだけ。/神永 遙麦
★0 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます