大学に入ったら恋をする。そう決めていた。 不登校で6年間引きこもってた青年は恋に恋していた。 揺れる黒髪。つぶらな瞳。水を含んだ赤い唇 誠実で自分だけを見てくれる子が現れること…

ホワイトですらないクリスマス 将来に希望を抱けず、感情の起伏も薄い少女は、ただ一度だけ淡いシャボン玉のような恋をしたことがあった。

授業中に目を覚ました萌花は「愛してる」と誰かに言ってみたい衝動に駆られた。

いつかピーターパンが来てくれる いつかネバーランドに行ける そんな夢を、家庭に恵まれながった少女はついに諦めた。

――私よりよほど年下じゃない限り同じ時に生きている、いつか出会う彼かの人―― ――考えてもみてよ。その人は私の運命の人なんだよ。なのに、多分だけど、まだ出会ってもいない―― 　…

ルームメイトの使い走りも郵便当番も買って出ている大学生、結心。 ある日、ルームメイトからの自分への陰口を耳にしてしまう。 だが、結心が使い走りも郵便当番も買って出ていることには…

僕は夜中にこっそりテレビを見てみたくなった。 家族にバレないように、兄貴のめちゃくちゃ良いヘッドホンをパクって。ミュージカルが観たい。 金欠中学生の翔碁は、その目論見を実践に移…

雲が動いて見えるのは、地球が回っているからだと思っていた。 人はみんな優しいものだと思っていた。 夢と常識を壊された少年は諦念に到達した。 結局、期待と幻滅を繰り返しながら、…

幼稚園で景品を貰ったのに、ママに相手してもらえずお留守番することになった女の子の悩み

――平和の月はもうすぐ終わるのか……――。 そんなことを考えながら走っていたらバスを乗り過ごした。仕方がない、と咲楽は肩を竦めた。 バスに乗り遅れた咲楽はバス停の近くの川に行っ…

　本当に不思議だ。何であんなに早く大人になりたがっていたのか。 　正直、今すぐにでも子どもに戻りたい。10歳以下だった頃に戻りたい。 　本当に不思議だ。何であんなに大人になりた…

これは、何気なく放った言葉が、願いの叶う世界で良くも悪くも現実となる物語。

「もし、人生で叶う夢が1つだけあるとする。1つだけ絶対に叶う夢があるとする」と、見た目は普通なのに人外っぽい男の人が言った。 私は戦争に巻き込まれないこと、と答えた。

　昔、たこ焼きのような男の子がいた。後頭部が半分坊主で、生えているところは茶髪。流石にあおさはないけど、そばかすが散っている。 　私は、そんな男の子を親友だと思っていたけど、男の…

　夢百合は今、恋に落ちている。いつか来るであろう未来に恋をしている。誰も知らず、誰も踏み荒らしていない透明な未来に恋をしていた。 　きっかけは姉にいい大学を進められたこと。ネット…