第二回 ☆伊南の創作論1
以前小説を書くに当たっての資料とか設定とかについて話をする機会があったんですが、基本好き勝手に書いてる事もあり、あまり良い返しが出来なくて。
文章で書き出したら判ってくるかしらん……とか思って書いた物になるため、これはあくまで私の考えとやり方であって人によってやり方は違います。
という前置きをさせて頂いた上で書いていきますね。
いいですか、あくまで私のやり方ですよ!
まず私が小説を書き始める時って、大体「こういう話を書きたいな」が先にきます。
「彼方よりきたりて」を例にとって書いていきますが、あの小説は「いわゆるなろう系といわれる話を自分で書いたらどうなるか」が最初。
そこから連想ゲームみたいに
→なろう系なら異世界転生とか異世界召喚かな
→転生ものは前に一度書いたから召喚ものにしよう
→召喚ものでも単純な異世界召喚だと目的がなかったらダラダラしそうだからゲームの世界に召喚、期間がある目的を持たせよう
→ギャルゲーとか乙女ゲーなら期間内に相手を落とすっていう目的があるからそれがいいかも
→でも主人公が召喚された人っていうのはたくさんあるからちょっと変えたい
→なら脇役キャラ目線で話を書こう
……という感じで、まずは大きなテーマを決めました。
そこから基本になる世界設定。
大きなテーマを決める際に「ギャルゲーまたは乙女ゲーの世界」というのを決めましたから、次は「どういう内容の世界か?」から始まります。
ギャルゲーも乙女ゲーも基本は舞台となる学校とか街とか、限定された範囲で話が進むゲームですので、舞台は学院にして、召喚された人が入学、学院期間中にパートナーと結ばれるゲームの世界にしよう。
剣と魔法の世界が好きだから、そういう世界の学院がいいな。
……と、ここでも出発点を決めてから連想ゲームで広げていきます。
→剣と魔法の世界なら召喚された人は特別な位置付けがいい。これもなろう系っぽく聖女にしよう。
→パートナー候補の視点だと召喚された人が主人公なのとあまり変わらないかも。あ、ギャルゲーや乙女ゲーにいる「好感度とか教えてくれる便利キャラ」の視点とかどうよ?
→話の主軸はあくまで召喚された人だから、便利キャラと絡ませる理由が必要だ。便利キャラは情報通のはずだから知ってはいけない情報を知って途中退場、ゲーム展開上これはどうやっても変えられない内容にして、召喚された人は便利キャラを何とか助けたいっていう目的を持つのはどうか?
→よし、着地点は便利キャラを助ける事にしよう
……とまぁ、こんな感じで話の土台になる基本設定を決めました。次はもうちょっと詰めた設定を決めていきます。
何かというと世界よりちょっと狭い、環境とか状況の設定。
・ベースとなるゲームの基本の流れの設定
→便利キャラが退場する理由はラスボスの存在を知った事による口封じ、それをきっかけにラスボス対決を経てゲームクリア。ゲームの中ではターニングポイントになるのでどうやっても便利キャラ退場は避けられない。召喚された人はそれを何とか覆したい
・便利キャラのままだと正直キャラが薄そう
→見た目人当たり良さそうだけど、実は我の強い癖のあるキャラにしよう。ただもうちょっと何か欲しい……あ、ラスボスに狙われる要素を増やそう。魔王の力持っててそれをラスボスが奪って途中退場させる、なら理由付けとしてもいいかもしれない
・そうなると魔王の力持ってるのに大人しくしてるのおかしくない?
→魔王の力を一族で封印していて、王族に絶対忠誠を誓う制約とか交わしていれば問題ないのでは?
という感じ。
ここまでが何があっても動かない、基本設定という土台。これはどんなキャラを配置しても変わらない設定です。
この土台に人物設定だとか追加設定を乗せていきながら話を考えていく訳ですが、例えば召喚されたのがアリアじゃなくて別の人だったとしてもこの基本設定は変わらない。でもアリアじゃないから違った動きをする事もある。そうなると話の展開は変わる。
実は色々考えて気付いたというか思ったのがこれ。
「変わらない基本設定」の上に「人物設定」や「付随する追加設定」を乗せて話を作っていくのが私の話の作り方かなと。
基本設定を決めちゃえば後はどんなキャラを配置するかとか、キャラの性格やキャラ同士の関係性を考えた時に出発点から着地点に向かって各キャラがどんな風に動くか。
それを切ったりくっつけたりこねこねしたりしながら話を作ってます。
てか基本設定作る流れの中に資料のしの字も出てこないな?
そう思われる方もいるかもしれません。
その通り、ここまでの流れで私は資料使ってません!全部頭の中で流れ考えてるだけ。
資料使ってないオレってスゲー!!
……とかいう訳ではなく。
書きたいベースを作る時に資料を必要としてないだけです。
資料って書く物の深みを出したり信ぴょう性とか正当性を出すために使う物だと思ってて。
私が好きで書いてる「比較的何でもありのファンタジー小説」において基本設定を作るのに資料はいらないのです。
いやいらないって言っちゃうと流石に言い過ぎか。
少なくとも「彼方よりきたりて」では土台の設定を作るに当たってはいらなかった。
極端な事をいえば「オレが世界を決める!」なので(笑)
資料を使うのはその後、基本設定の土台の上に置く人物設定や追加設定作成に入ってから……ですけどこれも必要があれば、です。
ただし、これは「比較的何でもありのファンタジー小説」だから許されてる(?)やり方でして。
ジャンルが歴史創作とか二次創作とかだとそうはいきません。
何でかというと基本設定に当たる土台が「自分の好きなように作ったもの」ではなくて「すでに作られたもの」になるからです。
二次創作を例で上げると
・ベースとなるのはゲーム/アニメ/漫画の「すでに作られたもの」になる
・そこで書かれている事を自分の解釈で書いたり、明確に書かれていない部分を書く事は出来るが、基本的に書いてある事が絶対→動かない土台。そうなるとゲームやアニメや漫画を資料としないと話が作れない。
同様に歴史創作なども「実際に起こったとされる出来事」をベースにしてるので資料は必須かと思います。
そういう意味で扱ってるジャンルに違いはあれど基本の流れは一緒なのでは……とか思います。あくまで私の意見ですが。
あ、ファンタジー小説でも書きたいテーマや基本設定に「実際にある物」が入ってくる場合は資料必須だと思いますのであしからず。その場合は私も資料を漁って集めますよ。
長くなってきたので一旦区切ります。
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