ここまで心揺さぶられる作品に出会ったのは久しぶりです。ネットという広大な海の中で、このような素晴らしい作品に巡り合えたというのは何という幸運でしょうか。私は幸せ者です。
鋭く、シニカルなユーモアに満ちた12日目や18日目、22日目は小気味よく、3日目や11日目、19日目のような自らのほろ苦く複雑な記憶を呼び起こす一首も見事です。
特に私のお気に入りは4日目です。この一首は本当に素晴らしいです。筆の運び、情景、言葉の選び方、どこを取っても素晴らしいとしか言いようがない。この一首には、この世界から見たらちっぽけなたった31個の音の中には、私を揺り動かし、放心させるような何かが、眠っています。それを掘り起こしてここで文字に起こしてみたいところですが、それを実行に移せるほどの能力が、私にはないのが甚だ残念でなりません。
長々と語りましたが、つまり何が言いたいのかと言えば、こういうことです。この作品はもっと大勢の方々に読まれてしかるべきだ、ということです。そこのあなた、少し足を止めて、この方の声に耳を傾けてみては? 損はさせません、つまらないわけがありません。責任は私が取ります。このレビューが嘘だと思ったのなら、私の頬でも何でも引っ叩いていただいて結構です。ただ、私はハッキリと断言します。そんなことは絶対にありえない、と。