第9話
キャンディとその友達たちがいつものように愉し気な声をあげながら公園で遊んでいると、暗い顔つきをした青年が現れた。
それはマルヤマだった。マルヤマはキャンディたちの方へ近づくと、
向こうにある木造アパートを指さした。
「あそこの、201号室に行ってみなさい」
そう小さな声で言って、そのまま去って行った。
「なんだろー」
キャンディは、とりあえず行ってみることにした。
ボロイ木造のアパートの階段は、ギシギシと音をたてた。
みんなで上がって行った。
201号室の扉は、開いていた。
「おじゃましまーす・・・」
***
「あっ!」
キャンディと友達たちは声をあげた。
そこには、小太りの男性が、大量の血とゾウモツをぶちまけて死んでいたのである。
「えーなんかキモイ・・・」
「こんなの別に見たくないよねー」
「行こう、行こうよ」
特に、そんなグロイ死体に興味はなかった。
だから、みんなさっさと部屋を出たのだった。
「バニラアイス食べようよー」
キャンディが大声で、路上で叫ぶと、友達たちも賛同の意を示すように、
「アイス食べたい!うわ!うわああああ!!!」
と叫んだ。
***
「うるせえぞ!!」
85歳のカナキリイサオが、一軒家から飛び出してきたのだ。
その手には文化包丁が握られていた。
「うるせえガキども駆逐するからな!」
「嫌だーみんな逃げろー!!」
キャンディと友達たちは逃げた。だが、一番足の遅いミウラヒトシくんだけ85歳のカナキリイサオに捕獲され、その場で首を切断されてしまったのだ。
みんなはショッキングなシーンを見ないように、一生懸命に逃げた。
「ヒトシくんのこと、ぼくたち忘れないよ!」
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