第4話

「なんだよ。このキモイ生首はよお・・・」

伊藤ゴンザレス辰夫はうんざりして、持っていた生首を放り投げた。


生首は、草むらに落ちて腐って、ハエがたかる。凄く、臭い。


「あの、バナナは好きですか?」

少女の声がした。


「あ?バナナ?」


伊藤ゴンザレス辰夫が振り向くと、そこにはピンク色の髪の毛をした、ほっそりして色白な、可愛い少女が立っていた。


「ええ。バナナは好きですか?」

「バナナ?まあ、ふつうだよ」


***


扉を開けた瞬間に、むわっとした空気が広がる。

「うほ!うほ!うほ!」

男たちの叫び声だ。


「なんだよ、これは・・・」

伊藤ゴンザレス辰夫が言った。


「ここには、無数のバナナがあって・・・」

少女が言い、微笑んだ。

「男の子はみんなバナナが好きなんです」


「そうかよ・・・」


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