第3話

マザー・テルコが95歳のときのことだ。


彼女の孫・伊藤ゴンザレス辰夫は無職で、ずっと、彼女の家にいたのだ。


そうして、彼女の金でパスタを買い、たらこスパゲティなど食べていたのである。


その、一連の姿に、マザー・テルコは不安を持った。


「この子は、いつまで無職で、こんな状態でいるの?」


ふと、テーブルに向かって、一心不乱にたらこスパゲティをかきこんでいる孫を見て、マザー・テルコは呟いたのである。


「あ?なんだよ!ババア!!」


伊藤ゴンザレス辰夫は激高し、台所にあった文化包丁で、何度も、マザー・テルコの頸動脈を攻撃した。


ドババ!血飛沫がドババ!!


「アギャギャー!」白目を剥いて叫び、マザー・テルコは倒れた。


「ふざけんな!ババア!俺のことを見下して、馬鹿にしやがって!」


何度も頸動脈を攻撃されたために、マザー・テルコの首は切断された。

その生首を、伊藤ゴンザレス辰夫は持ち、そのまま外へ飛び出した。


***


その頃、キャンディは孤児院で、みんなと仲良く暮らしていた。

男の子なのに「キャンディ」なんて変な名前。

そんなことを言う人間は、一人もいなかった。


キャンディと仲間の子供たちは、孤児院の庭にある遊具で、いつも、

楽し気な声をあげて、遊んでいたのだ。

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