長生き
「(えっ……?もしかして、僕ってば最高位の悪魔を付き従えているの?)」
「(そうよ……ずっとそうなのよ?わ、私の力がずっと過小評価されていたの……?)」
「(いや、そんなことはないんだけど……ただぁ……)」
「(……もしかして、悪魔が過大評価されていた?)」
「(……)」
結局、ゲームのところで悪魔はほとんど深堀されなかったからな。
サイドストーリーでちょこちょこ出てくるで……なんか、勝手に本編に出てこない悪魔へと勝手に期待して評価を盛りに持っていたのかもしれない。
冷静に考えてみて、普通に一人で一国くらいは軽く落とせそうなフロイデが低位の悪魔だったら、最高位の悪魔はどうなっちゃうの?っていう話だよね。
「(……えっ?それじゃあ、待って?もしかして、フロイデって、僕よりも年上ってこと?)」
「(当たり前じゃない。私の生きている年数とか数万年とかじゃ効かないわよ?)」
「(なん、だと……?僕よりも、フロイデが年下じゃないなんて)」
「(驚くところそこなの?というか、定命の種から年下だと思われていた私って?)」
……つ、つまり、つまりは、フロイデはもう絶対に成長することはなくて永遠とロリのままってこと!?
ちくせぅ!僕が密かに願っていた彼女化計画は無理じゃないかっ!?どれだけ長き時を生きていようと見た目がロリは厳しいってっ!
「ついたわよ」
僕が自分の中でフロイデと言葉を交わし、その中であまりにも大きすぎる衝撃に殴られていると、とうとう僕たちは目的地であったフロイデと同格の大悪魔が封印されているという地についた───らしい。
「えっ?ここ?」
ついたと告げて進むのを辞めたアンリに付き従って止まった僕の目に映るのはただひたすらの青。
青空の下で太陽を反射し、キラキラと光る広大な海であった。
陸地からは既にかなりの距離離れているここは周りに一切の陸地のない絶海と言える。
「そうよ」
えっ?そんなところに大悪魔は封印されているの?
「いや、嘘でしょ?」
「本当よ。ここの深海に大悪魔が封印されている遺跡があるのよ」
「(へぇー、あそこの国。海の下に埋まっちゃったんだ)」
……元々ここは陸地だったのかよ。
そして、フロイデは地殻変動をリアルで知るくらいには長く生きているのか、……そうか、そうかぁ。
「よしっ、それじゃあ、早速だけど潜っていくわよ!しっかりと呼吸と会話を出来るようにしてねっ!」
僕が黄昏ている間にフロイデは魔法を展開し、そのまま一直線に海へと潜っていく。
「……あっ!?ちょっとっ!」
僕は慌てて対水圧のようの結界を展開し、海に潜っていたアンリのことを追いかけていくのだった。
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