マーキング
ナトリの元から脱走した僕はそのまま学校に行く準備を整えた後、しっかり遅刻することなく登校することが出来ていた。
「おはよう」
いつものように早めの時間帯で教室へと入り、ゆっくり机の上で本を広げて過ごしていた僕へとアンヘルが声をかけてくる。
「うん、おはよ……う?」
僕が本から視線を持ち上げてアンヘルの方に送れば、自分の視界に映るのは不愉快そうに眉をひそめている彼女がいた。
えっ……?なにぃ?
「ねぇ……何で?何で君の全身から女狐……エルフのナトリの匂いがするのかしら?」
困惑する僕へと、ナトリから告げられるのはとある疑問の声であった。
「んっ?あぁ、ちょっと前、一緒にいたからじゃないかな?」
あれだけ密着し、おっぱいの感触を味わったのだ……少し匂いが移っていてもおかしくはないだろう。ナトリ、何か知らんけどめっちゃいい匂いしたし。
というかさ、僕は世界の七不思議のひとつに女の子からいい匂いがするっていうのがあると思うんだよね。
お風呂が入ってない女の子でもいい匂いがするもん。
なんか知らんけどいい匂いがして、股間に力が集まってくるもんね。
「……あの女狐ぇっ」
うーん、女の子ってやっぱりいいよねぇ。
神秘、世界の、うーむ。
いやぁ、僕も彼女ほしい。切実に彼女が欲しい。マジでただただ彼女が欲しい。本当に彼女が欲しい。
何処からか僕の彼女が降ってこないだろうか?
「うーん」
「ノーア」
僕が女の子について、彼女についての考えに没頭し、ぼけーっとしている間に、アンヘルが急にこちらへの距離を詰めてそのまま自分へと抱き着いてくる。
「えっ?えっ?な、何?」
僕の体へとアンヘルのささやかなお胸が触れ、自分へと多好感を与えてくれる。
大きなおっぱいも美しいが……小さきおっぱいもまた至高なり……いやいや、そうじゃないわっ!
「……」
なんでこんなご褒美がいきなり?
ただただ困惑する僕に対し、それでもアンヘルは何も言わずにただ自分へと抱き着き続けるのだった。
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