オリビア学園

 僕たちが通っている学園。

 それは我々が属する国家であるラミリア王国。

 その王都にあるオリビア学園。

 ラミリア王国の王侯貴族の子息、子女に加えて外国からやってきた留学生たちまで、数多くの生徒を多数在籍させている世界有数の教育機関。


「まぁ、ダンジョン探索について聞いたことのない者なんていないだろう」


 そんな世界有数の教育機関が一番最初に行う授業。

 それはいきなり行われる課外での実技演習となる。

 この学園に通うものたちは皆、入学してくる前の段階で各々の家で最高の教育を受けたエリートとなっている。

 新入生であっても既に優秀な人材であることがほとんど。

 ならば、もう最初からキツイ演習を入れ、各生徒たちの実力を最初に図ってしまおうというのが学園側の移行となっている。


「留学生で聞いたことのない連中もいるだろうから一応説明しておくと、これから君たちには三人一組となったダンジョンに潜ってもらう。これが授業となる。名前の通り、試験というわけではないので安心してほしい」


「……」


 それは説明しているに入るのだろうか?


「まぁ、わからないことがあったとしても大丈夫だ。やればわかる」


 雑だなぁー。


「三人一組については俺の方が魔法を使ってランダムで決めておいた。完全ランダムにしてあるので、チーム分けに何か他意があるわけではないので余計なことまで想像する必要はない」


 僕が内心でツッコんでいる間にもどんどんとガルム先生は話を進めていく。


「こちらの紙にチームとなる三人の名前が書いてある。これで確認してくれ」


 ガルム先生は自身が持ってきていたファイルから束になった小さな紙を取り出す。

 

「それじゃあ、各々のところに飛ばしていくぞ」


 そして、ガルム先生は小さな紙の束の上を二回ほど叩く。

 ただそれだけで確実に魔法が発動し、僕たちクラスメート一人一人の元に紙が転移でもって飛ばされてくる。


「うーん」


 ずいぶんと無駄に魔法を使うものだなぁ……物体転移の魔法はそこそこ魔力いるだろうに。

 ガルム先生が今、行ったことに対してほんの少しだけ呆れながら僕は自分の手元にきた紙を確認する。



「あっ、アンヘルと一緒だ」


 ランダムで振り分けられていたというチーム分け。

 だが、そんな中であっても僕のチームには自分の婚約者であるアンヘルの名前が記入されていた。

 婚約者同士がたまたま同じチームになるなんてことがあるんだね。


「……もう一人は、っと」


 アンヘルと一緒のチームとなったことに驚いている僕は、続いてもう一人のチームメンバーを確認する。

 僕とアンヘル。

 その二人と一緒になったのはエルフの女子生徒であった。


「あの子か」


 既に見たことのある名前を見て、僕は何処か懐かしい気分に浸るのだった。


「……しっ!」


「……ちっ」

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