第二話『ヒューマン・ウオ戦争勃発ッ! が、瞬く間に終結ッ!』

__究極生命体アルティメット・オルガニズムウオの襲来より数時間後__


 人類と究極生命体の戦いが、幕を開けた!


 最新の銃火器をふんだんに取り揃えた、地球連合軍の士気は高かった。

「奴らは筋肉モリモリだが、どうってことねぇ! 報告によれば、数はたったの百五十だ、かかれーっ!!」

 リーダーらしき者の大声の合図。


「「「「ワーーーーッ!!!!」」」」

 と、人類は、威勢よく攻勢に出たのだが……


 まずは機関銃。

\ドドドドドドドドドド!!/


 究極生命体たちの体に無数の風穴が空いたかと思えば……


\キュッ/ \キュッ/ \キュッ/

 風穴はすぐに閉じる。


「くっ……なんだこいつ!? 撃っても撃っても穴が塞がっちまう! 死ぬ気配がない!」

 と、焦る兵士A。


 次に刀や剣による斬撃。

\ザシュッ!/ \ズバッ!/ \ジャギィ!/


 究極生命体たちの首や四肢が切り落とされたかと思えば……


\ニョキニョキッ、ポン♪/ \ニョキニョキッ、ポン♪/ \ニョキニョキッ、ポン♪/

 即座に生える、首ッ! 腕ッ! 足ッ!


「ひえぇ! 切ってもダメだ! すぐに再生しやがる!」

 と、恐れ慄く兵士B。


 人類は、数では究極生命体相手に圧倒的優位に立ちながら、まるで歯が立たなかった。


 そんなところに、一際ひときわモリモリの筋肉を備えた個体が、究極生命体陣営の先頭に出てくる。

卍フハハハハハ! 我はウオの王である! 哀れなる烏合の衆よ、死ねいっ!!卍

 『ウオの王』と名乗るそれは、両腕を伸ばし大きく広げ、手刀を構えると……


 走り出し、地球連合軍の布陣の中を、目にも止まらぬ速さで縦横無尽に駆け回る。


\シュッ/ \シュッ/ \シュッ/ \シュッ/ \シュッ/ \シュッ/ \シュッ/

 次々とねられていく、首。


\コロッ/ \コロッ/ \コロッ/ \コロッ/ \コロッ/ \コロッ/ \コロッ/

 おびただしい数の首が地に落ち、赤く滲み……


\\\\ブシュゥウウウウッ!!////

 滝のように吹き出す、鮮血。


 地上は瞬く間に血の海となった。


 ほどなくして……


 八十億の人類は、たった百五十の究極生命体ウオたちを、一体も仕留められずに、完全敗北した。


 だが……


 究極生命体たちは、人類を皆殺しにはしなかった。


 人類の生存者、約百万人。

 ほとんどが、若い、成人の男女。

 彼らは皆、エジプト北東部に集められた。


〈第三話『アルティメット・オルガニズムの王、超究極大演説ッ!』に続く〉

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