第14話 麗美と真里
―――――――――ママのお墓。
「ママ…。まりや、連れてきたよ。俺ね、真里亜と結婚したい。いいよね?」
「あんたね、ここで?普通あたしに言うのが先じゃない?」
「俺は先にママに言いたい。ママならわかってくれるから。…でもやっぱ先にママに言いたかった。」
「それで?あたしにはいつ言ってくれるの?」
「ママ、認めてよ。……まりや。俺のになって。『ママと女』両方になって。こんなわがまま言えんのまりやしか居ない。まりやにだけ言いたい。…まりや、ずっと俺見てて。お願い。」
「……面白いな。あたし、あんたの父親も知ってるけど、あんた本当、つくづく麗美と似てる。たまに瓜二つに見える」
「まりやとかけもたまにそう見えるよ。
「別にいいけど、手加減してあげてよ?耐性ないんだから。」
「まるで俺がゲイみたいじゃん。」
「あんた見てたら怖くて。そのうち翔が食べられちゃうんじゃないかって。」
「…ある。」
真里亜はそこまで見抜いていた。
「……麗美。あんたの息子もらうよ。間違ってもあたしが貰われるんじゃないからね。あたしがこの子貰うの。…小さい頃から知ってるけど、オムツも変えたけど、でもあたし、こいつ好きだわ。あんたの子が好き。ごめんね。」
直後スーッと風が吹いて僕の隣に綺麗過ぎるくらい綺麗なお姉さんが来た。
『なに。やば。めちゃくちゃ綺麗。……母のお知り合いですか?ちなみに、特定の方は?』
隣のお姉さんが僕を睨みつけた。
『いいじゃん。マザコンくらい。許してよ。』
『なんだわかってたんだ。』
『当たり前だろ。こんなクソ美人誰かわかんなかったら失礼だろ。』
『…どうでもいいけど、あんた、真里亜でいいの?』
『歳か?…うーん。なら麗美にしようかな。』
『フンッ…馬鹿じゃないの。』
母に鼻で笑われた。
『ためだもんな。2人とも。』
『そう。』
『そうだ。ママ。ママさ、風夏のママ知らない?『瞳美』って人。』
『知ってる。でも真里亜に聞いても同じこと言うと思うけど、あたし達とあの子は違う。言わない方がいいこともある。』
『ママもそう思うんだ。』
『じゃあ聞くけど、ただの車好きのいわゆるパリピな女か、喧嘩上等、警察に厄介になるのがカッコイイと思ってる女、あんたはどっちがいい?』
『パリピ美人。』
『うん。でしょ?なら、言わない方がいい。』
『なるほどな…。』
『真里。』
『うん?』
『この子のこと頼んだよ。『普通の男』と違うけどいいの?』
『『普通の男』を求めてるなら私はここにいない。』
『まぁそうね。ありがたいわ。引き取ってくれて。』
『引き取るも何も、こいつはずっとあたしだったみたい。そんなこと言われたら余計にねぇ。』
『可愛いでしょ?あたしの子。』
『可愛い。でもさ、たまに出るあのムカつくツンケンしたのどうにかなんないの?』
『あれはねぇ…あんたにしか無理だわ。あんたに甘えたいのに甘えられないって思ってるからああなる。分かりやすく言えば、思春期の子供が親に甘えたいのにカッコつけて甘えないのと同じ。』
『…わかんないな。翔、今でも私ベッタリだから。』
『あぁさせたのは私だからさ。本当は私にしたいのに出来なくて、行く先が真里亜だったから。ごめんね。本当に。』
『もう謝らなくていいって。今あたしは
『…真里亜でよかった。正直、他の女にあいつは無理。』
『無理だよ。絶対無理。』
『真里亜でよかった。』
『……ありがとう。麗美。』
『真里、叱る時はちゃんと叱ってあげて。今まで通りしてあげて。』
『そうする。あたしも変える気ないから。』
『助かる。』
『麗美、ありがとう。』
『あたしのほうこそ、ありがとね。』
―――――――――――――――。
「まりやー、お腹減った。このお餅食べていい?」
「こらっ!」
僕はママにあげたお餅をお墓から取って直接口に入れようとしたらその手を叩かれた。
「車帰ってから食べなさい。」
「うるさい母ちゃん。」
「あんたがそんなことするからでしょ!」
怒られてるのに笑って真里亜を見ると、
真里亜は僕を抱き寄せた。
「んーーーっもう!…大好きだよ。」
「俺も。まりやが大好き。」
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