第8話 本当の友達

―――――――――――また夜中のベランダ。


―――――通話中。


「そだよ」

「でもさ、おかしくない?」

「そか?うーん、わかんね」

「籍入れないの?入れちゃえばいーじゃん」

「だりぃ。」

「なんで、」

「うーん。真里亜の息子。俺の2個下。しかも小さい時に遊んでたりしてた。」

歳近としちかっ!」


「近いのよ。だから母ちゃん取ってる感覚。実際俺も、『男』とか、『彼氏』とかってより『息子』とか『母ちゃん』の感覚が強い。でも、

真里亜以外に女が必要なわけじゃない。だって真里亜が『女』だから。…これ伝わる?」


「歳の差あるとそんなもんじゃない?だって、本当のお母さんと同い年なんでしょ?」

「そう。母ちゃんと一緒。」

「でもさ、侑海ならすっごいマザコンなってそう。それか『縁切るぞ』ってなってるかのどっちかっぽい。」

「あるわー!あるわそれ。でも、『縁切るぞ!』って言いながら実際はマザコンだから『あーはいはい。』って答えを望んでそ。」

「あはは。本気で、それ返されたらあんた自殺しそう。」

「絶対なる。実際真里亜もそうだもん。たまにツンケンした態度取るけど、腹座ってんのかな?動じない。こないだ、『俺が夜帰ってくるまでにに出てけ』って言ったのに夜普通にご飯作って待っててくれてた。」

「嬉しかったんでしょ?」

「めちゃくちゃ。あれで部屋真っ暗、鍵しまってる、荷物ない、真里亜いない、だったらもう俺生きる屍。てかもう電車飛び込んでたと思う。」

「よかったね。真里亜さんがあんたのことちゃんとわかってくれてる人で。ずっとそんな人だろなーとは思ってたけど。」

「想像の上を行くというか、期待の上を行く人だな。あの人は。だから好き。」

「でも、侑海がやっとおちついてくれてよかった。」

「ホントな。そのうち死んでたわ。性病とかで。」

「それね。だからあたしはしなかったもん。絶対うつされると思ってたから。」

「ちゃんと、真里亜とする前に検査受けたから。なんも出なかったぞ。」

「え?受けたの?」

「そりゃそうだろ。俺も自覚はあるから。やりすぎって。」

「病気だもんね。」

「今は落ち着いた。」

「やっぱり精神的な所だったのかな。」

「かもな。」



――――――――――――――――――。



寝室へ戻ると、愛する人が寝息を立てていた。

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