第5話 焼き付く記憶と目の前の人

―――たまに夢を見る。


小さい頃の時。周りの子は親が居る。でも僕にはいない。いてもジジババ。悪いわけじゃない。でも、、、『本物の親』が欲しかった。


そういう時にぎるのはいつも『真里亜』


『ひろき』

こいつは真里亜の息子。本当の息子。

可愛い。何歳になっても。だから僕も僕で恨めない。


友達が多くて明るい子。優しい子。真里亜に似て明るい子。

僕とふたりは住む世界が違っていた。


だから、目が覚めて真里亜が居ない現実を叩きつけられる。


真里亜のふんわりとした空気、優しいさ、温度…。『女性』というより、『母親』。


でも所詮『他人の親』。




――――――――――――――――――――。


『おはよ。どうした?嫌な夢でも見た?』

『なんでもない…』

『聞くよ?なにがあった?』

『なんでもない。お腹減った。ご飯たべよ。』


――――――――――――――――――。


どこかで寂しさと罪悪感。

色んな思いに潰されそうになってた。

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