The Trial「拷問の時」
薄暗い室内に冷たい鉄のベッド。
「彼」が気がついた時はそのベッドに繋がれていて、かつ数体のコナミアンドロイドに包囲されていた。
右腕はほぼ切断と同じ位で、脚も痙攣しており、体の不自由さが動きを抑えた痛みに響く。
「……時系列はどこだ。」 静寂。
「……チッ。 チッ。」 相槌の声。
「……ムヘヘ。」 胸をさする、傲慢な手。
運が良かれ悪しかれ、「彼」はただ我慢するしかなかった。
ドキッ。 ドキッ。
響く時系列。
掴んでくる指の圧は増していき、皮膚を掻きむしるかのように血が溜まる爪は期待を寄せる。
そのうち手は筋肉をむしり、胸の中へと入り口を作る。
苦しみのあまり「彼」の吐き出す声が耳に響く。
コナミアンドロイドの手には、魂。
「彼」の胸から多の水域がそろそろと流れる。
「彼」が呆然と見つめる先には赤い光の目に、にんまりした顔が集まっていた。
……時系列の希望はKONAMIの復元レゾリューションに捕らわれるのか。
「彼」はすべてを受け入れると、冷たく痙攣をする存在となる。
「彼」は目を閉じる……
****
目が開く。
「彼」が気がついた時、手足は解放されていた。
起き上がると、ふらふらと行き先がない。
目の前は暗くて薄くて、感覚がない。
そのうち、倒れる。
顔だけこちらを見ていて、後は情けない。
それでも解放された痛みの内、それぞれ片方側の腕と脚共に機械で縫われてあった。
苦しみは続くであろう。 構わない。
「彼」はもう一度目を閉じると、すべてを受け入れた。
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