Exchange「逃れ」
暗闇の中、仰向けに宙に浮く「彼」。
無数の時系列が「彼」を前に集まる。
一つ、二つ、三つ…… そのうちの一つは行方が決まっていた。
「彼」に残された儀式の数だけ、やり直しができる。
「彼」の胸から多の水域がそろそろ流れて、準備ができた。
時系列が丸を描いて並ぶ。
そうだ。 続きはここにある。
「喧噪」よ。 私を戻しておくれ。
****
気がつくと、「彼」は外に立っていた。 お決まりの刀とともに。
無数のコナミアンドロイドが、怪しげな表情と共に周りを埋め尽くし、バイクのように忙しく走り回る。
「彼」は復活の術を見せる。
頭に串刺しをいくつか決めて、機能停止にさせた。
勢いよく停止するコナミアンドロイドの流れ。
唖然と騒動で、瞬時に準備ができない。
「彼」は隙を作って駆け巡る。 一体、また一体。
その弱みに対策は一つもなかった。
……弾が「彼」の腕に当たる。 痛い。
そこに居たのは、背の高く、見下ろす一体のアンドロイド。
書いてあるばかりのレジャックだった。
「彼」が驚く間、レジャックはコナミの策略の応戦に来ていた。
また腕に一弾、二弾。 足をすくうと、殴り返して「彼」を制覇した。
倒れる「彼」。 囲まれた。
なんだこれは?
その一体だけの特別な存在は、他の量産と違い傲慢な計画すら存在した。
「彼」を除外する為だけに力を手に入れたレジャックアンドロイド。
どうやら時系列の虜というのは、まるでどこまでも地平線の上に続く、重くて長い陰のようだ。
続けよう。
一撃を入れる「彼」。 ひるむ顔。
刀で切り付けると、顔のほんの少しの場面が剥がれてきた。
姿を現した青。 そうか。
レジャックはすぐに必死の一撃を返すと、「彼」の顔を掴み、にらみを共有する。
「時系列はすべていただくからなあ。 わかったか。」
傲慢にさする手。
「お前の胸…… 宿るのはそこだ。」
「へっ…… !く」
「彼」がかわして、一撃と刀の応戦。 レジャックは地面に突き落とされる。
それで、ついに銃が落ちた。
「彼」の復活を前に、後がないレジャックアンドロイド。
「チっ…… いまにみてな。 KONAMIは不死の存在や。」
そう言い残して、周りを包囲していたコナミアンドロイドの軍の中に姿をくらます。
停止していたばかりのコナミアンドロイドは事を認知すると、後始末を続けるが、「彼」は今にも湧き上がる存在になりつつあった。
人工の血の溜まりも、また湧き上がる。
「彼」は、ただ佇んだ。
私は生き返り、宿るのだ。 さあ、どこまでも続けよう。
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