第4話 RTA猛者の意地
第4話 RTA猛者の意地
ゼロ『成程な…剣が偽物だから新たなイベントをこなす必要があるか…』
ゼロ『しかも…この大会いや…この町自体が魔物の住処ね…』
アル『気付いていたか…人間…』
ゼロ『流石に魔物の親玉が、剣の天才なのは初だけどな…クソゲーやってるとこう言うの敏感になるんだよ』
ゼロ(やべぇ…俺…魔物の巣窟の中で寝てたの!?)
魔物『おい!お前!何故「剣魔アル様」のご命令である宿場に止まった人間どもを始末していない!』
魔物『すいません…すいません…それが…』
魔物『始末しようとした同胞達が、次々と何処かに消えまして…怖くてつい…』
アル『「バリア」いや…「アタック・バリア」や「スペル・バリア」を越える「オール・バリア」では無いな…』
ゼロ(どうやら…その「オール・バリア」では無く「オート・バリア」を貼っていたらしい…)
ゼロ(後…無意識に攻撃してくる敵を、理不尽に消し去る「削除バグ」を添えて)
ゼロ『「剣魔アル」と言ったなボス戦は、この世界に来て初めてだから…手加減はできないぞ…』
アル『!』
アル『皆の者!先にあの世で待っておれ…』
ゼロ『こんな奴ら指パッチンで終わるな…』
スッ…
パチッ
ドーーーーン!
アル『衝撃波で吹き飛んだか…』
アル『何故…死していない…』
ゼロ『わざとアンタには、当たらないようにした…何故なら…どうしても下級で倒したくてね…』
ゼロ『たくさん人を死なせた罪は屈辱と共に噛み締めろだ。』
クソゲーRTA者舐めるなよ!
RTA界隈は日々進化しているからな…
イベント飛ばしなんて日常茶飯事だぞ…
クソゲーは敬意の呼び方であり神ゲーは眩しすぎて前が見えない位の傑作の事を言う
俺の主観だけど…
ゼロ『手間が省けた…アンタは…アンタの得意で耐性を持つ属性である「レイン」水のスペルで倒す』
アル『水は最弱の属性だ。下級は雨を降らすのみ…通常はその後の雷属性と組み合わせるのが一般的な戦術だ。』
アル『それを雨のみでか…』
アル『笑わせてくれる…』
アル『洪水と嵐を引き起こす「テンペスト」では無くただ雨を降らすのみでは…私は倒されない…』
シュゥン!
ゼロ(だから…丸見えだって…)
アル『私の動きが見えているのか!』
アル『私の渾身の一振りと筋力でも…こやつの、小指は微動だにしないか…』
ゼロ『悪足掻きは済んだか?じゃあ…倒されてくれ…「レイン」』
ポタッ
ザーーーーーーー
ザザザザー!
アル『ただの下級スペルで…洪水を引き起こしたか…あっぱれ…』
ブクク…
ゼロ『溺れ死んだか…』
「戦闘勝利」
「EXP51500」
「金貨50枚銀貨1200枚銅貨3250枚」
「アルは宝箱を落とした」
「アルの魔剣を手に入れた」
ザバーン!
ゼロ『大量だな…』
ゼロ『お前の気高き姿は、たとえ魔物であっても最後まで消えなかったよ…』
ゼロ『本当に体力の消費が激しい!制御が難しいな…』
クソゲーのバグはほとんどワンパターンだが…これは…何通りもあるようだ。
それを…ピンポイントで引き当てるのは、人間業ではないな…
ゼロ『バグを使いこなすのはかなり先だな…』
ゼロ『だが…俺にはバグの強さが備わっている…しばらくはそれ主体の戦い方しか無いな…これはこれで…消費が激しいけど…』
ゼロ『下級でも…上手く消費をコントロール出来ないな…』
ゼロ『魔力は限り無くあるのだが…つい下級でも最上級の魔法になってしまうバグが…発動してしまう…』
ゼロ『更にHP「ヒットポイント」やSP「スペルポイント」更にはステータスが急に0や1になるバグだったり使い方次第で相手にも出来そうだな』
ゼロ(地図を見る限り…次は「ルべス王国」に向かうとしよう…)
ゼロ『歩みを進めるか…』
ルベス王国…マップ最北端に位置する国であり隣国の「クインガル王国」とは同じ立場の友好関係を、建国当初から築いているらしい…
近年ルベス王国の王女と、クインガル王国の王子が結婚し王子は国王に就任更には、2人の間で双子の子供が産まれる…
ルベス王国は、クインガル王国の保護国となった
もうこれだけでフラグが立っているが…そう…多くのゲームに良くある国の襲撃で母と子が連れ去られる
2つの国は壊滅状態だったのだ
ゼロ『魔物の根城か…』
魔物『侵入者だ!』
魔物『スペルで始末しろ!』
ゼロ『出来るもんならやってみろ!』
ゼロ『グリッチ』
魔物『前が見えん…』
魔物『それだけでは無い…スペルが使えない』
?『何事だ!』
魔物『オンター様!』
オルター『貴様は、アルを倒した。旅人か…我等魔族に楯突くとは…いい度胸だな…その勇気を讃えてこの「魔将軍オルター」が、相手をしよう』
魔物『オルター様が直接戦いを!』
魔物『死が待っているぞ!』
魔物達『ハッハッハッ!』
ゼロ『良く鳴く虫だな…良くみろ!』
魔物『オルター様!?』
オルター『身体が動かない』
オルター『何をした…貴様』
ゼロ『ああ…お前ら魔族にはこの感情には馴染みがないか…ただの「怯え」だよ…』
オルター『私が怯えている…笑わせてくれる…私は高貴な魔族なり…あのお方より気に入られし選ばれた存在だ。たかが恐怖など払い除けてくれる…』
ゼロ『レベルは55か…アルよりは少しだけ上だな…』
オルター『何が言いたい…』
ゼロ『要するに雑魚ってこと…』
オルター『貴様ァー!』
ザッ!
ゼロ『!?』
ゼロ(動けるのか…「停止バグ」を使ってはみたが…やはり…まだまだ不安定だな…)
ゼロ『お前は指一本で十分だ。』
オルター『死ね!』
キィィーン!
チッチキ!
オルター『私の剣を止めた…指一本で』
ゼロ『終いだ…』
ザシュ!
「戦闘勝利」
「EXP48000」
「金貨55枚」
「オルターは宝箱を落とした…」
「オルターの魔剣を獲得」
ゼロ『高く売れそうだな…俺には、今のところ…「ストレングスの剣」が気に入ってる…』
ゼロ『さて…次はクインガルか…』
?『オルターとアルが何者かにやられた…』
?『クインガルを根城にしているマーゼスもいずれ倒されるだろう…』
?『何!?勇者の仕業か…』
?『いや…何でも…逃げ帰った魔物より情報を得たがどうも…勇者の姿では無いらしい…』
?『何やら見たことも無い技を使った様だ。』
?『ゼアラン…これは魔王様も動くやも知れんぞ…』
ゼアラン『ああ…そうだなガーレッド…』
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