第33話 ナトリウム王国滅亡

 そしてついに処刑の日がやって来た。大広場には大勢の人が集められている。そしてその人々の視線の先には十字架に張り付けにされた国王の姿があった。


 その国王の側には褐色肌の艶やかな美貌を持つ女性が立っている。彼女こそが魔王ゲリベーナ。はちきれんばかりのわがままボディにボンテージのような衣装を着込んでるから俺の股間にクリティカルヒット。褐色美人ってなんでこう艶めかしいんだろうな。


 メルディナの色白肌も素敵だが、魔王ゲリベーナの褐色肌のエロさも相当なものだ。是非一夜お願いしたいものだな。


 んで俺とホルヌス、そしてオクシオーヌが魔王ゲリベーナの後ろに控えている。ホルヌスは魔王ゲリベーナの側近だからな。魔王ゲリベーナに襲撃がないか目を光らせている。


「聞け人間ども! 妾の名は魔王ゲリベーナ。新たなるこの国の支配者である。我々魔族は貴様ら人間どもに虐げられて来た。しかしその時代ももう終わろうとしている。妾はこの現国王の処刑とともにナトリウム王国の滅亡と新たなる魔族の国エボンの樹立を宣言する!」


 魔王ゲリベーナは魔族の国の樹立を宣言すると言った。つまり人間は国民じゃないってことだ。あまり露骨な虐待をするつもりはないらしいが、身分は最下層なのが確定している。


 集まった人々も青い顔をして顔を見合わせざわついている。そら先行き不安だろうよ。


「ふふっ、国王よ良いざまよの。妾を犯したあの英雄の面影が残っておるな。実に憎憎しい。じゃから貴様の先祖が我が父にした仕打ちをそっくり返してくれようぞ。覚悟するがいい」


 魔王ゲリベーナは恍惚の表情で国王を見やると艶やかに微笑む。ちくしょう、なんていい笑顔しやがる。


「おい、始めろ」

「ははっ!」


 魔王ゲリベーナは一転して真剣な表情になり配下に命令する。壇上に上がって来たのは悪鬼族と呼ばれる魔族の中でも特に戦闘力の高い種族だ。顔に紋様があり牙があるのが特徴だな。


「さぁ、こいつの腹から内蔵を抉り出してやれ。そして塩揉みしてやるのだ」

「はっ!」


 うわーエゲツねぇ……。悪鬼族の奴らはむっちゃいい笑顏で応じてるが、こいつらマジモンのドSだな。一人の手にはナイフが握られ、もう一人は紙の袋を持っている。もしかしてあれ塩か?


「や、やめてくれ……!」

「へへっ、いい声で泣きわめけよ? 俺達は残酷なことが大好きなんだ。たっぷりと興奮させてくれ」


 一人がナイフを手に顔を蒸気させている。こいつ、マジモンだな。こいつとは友達になれそうな気がするぜ。


「グ、グフォッ!」


 国王の腹にナイフが突き刺さる。国王は吐血し、小さく呻いた。もっと大声で叫ぶのかと思ったらそうでもないのか。


 そして国王の腹は見事なくらい盛大に切り裂かれた。大量の血とともに臓物が体外へ溢れる。


 これだけでも相当な苦痛だろう。声はもはや叫び声にすらならず、吐息が漏れるだけだ。本当に痛いと声も出ないと言うが本当なんだな。


「さぁ、お楽しみはこれからだぜ? おい、塩をかけてやれ」

「おう、たっぷりかけてやんよ」


 もう一人の悪鬼族が臓物に塩をかける。惜しむことなく盛大にぶっかけ、ぬらぬらテカる新鮮な臓物に揉み込む。小さな塩は臓物に傷をつけ、中に入り込むことだろう。そして塩は傷口に染み、激しい痛みを与えるはずだ。


 それと同時に臓物を触られると凄く気持ち悪くなる。なんでも昔の盲腸の手術だと局部麻酔で痛みはないが、内臓を直に触られる感覚で凄く気持ち悪くなるそうだ。麻酔をしてそれなら麻酔無しだと相当なもんだろう。知らんけど。


 国王は大きく目を見開き、口を開けて声なき声で悲鳴をあげる。口の端からは涎がこぼれ、鼻からは鼻水も垂れていた。もう顔面ぐちゃぐちゃだな。


「なんじゃつまらん。もっと泣き叫ぶのかと思ったんじゃがな。苦痛が強すぎて声にもならんか」


 ゲリベーナ様はふん、とつまらなさそうに国王を見やる。確かに苦痛に顔が歪みまくっちゃいるが、泣き叫ばないと実感がないか。


 確かにそれじゃつまらんよな。ならいっそそれを快感に変えてやるのはどうだろう。


「ゲリベーナ様。それでしたら面白い趣向がございます。出てこい寄生虫ダキムよ!」


 俺はゲリベーナ様に具申し、寄生虫ダキムを召喚した。魔法陣の中から細長い寄生虫が姿を見せる。


「こいつの名は寄生虫ダキム。こいつに寄生されると苦痛すらも快楽に変わるんですよ。声にもならない苦痛がどれほどの快楽に変わるのか見てみたくありませんか?」

「ほほう、それはおもしろそうじゃの。許す、その寄生虫ダキムとやらをこの下衆に寄生させよ」


 俺の説明を聞きゲリベーナ様がニヤリと嗤う。いい笑顔するじゃねーか。いい女だぜゲリベーナ様!


「仰せのままに。よし、国王を素っ裸に剥いてやれ。いけ、ダキム!」

「ウヒョヒョヒョ」


 俺は拷問を楽しんでいる奴に命じ、国王を素っ裸にさせる。そして寄生虫ダキムが国王のケツの穴に侵入した。


「おっふぅぅぅぅっっ!?」


 突如国王が身を捩らせ、快楽に顔を蒸気させる。ちょっとキモイぞ。


「なんだぁ? こいつはらわたを塩揉みされて感じてやがる」

「こいつぁとんでもない変態だぜ。見ろよ、すっかりここも元気になってるじゃね~か」


 國王の股間の王子様が立派に成長してやがる。ビクンビクンと脈打ち、今にも弾けそうだ。


「お、おかしくなるぅ、おかしなるにょおおおあっっ、あおおおふぅっ!?」

「ほーれほーれ。これか? これがいいのかこの変態ドM國王がぁっ!」


 拷問してる奴らも楽しそうだ。はらわたを塩揉みする手にも力がこもっている。しかしやりすぎたのがはらわたが千切れ、鮮血が吹き出した。


「い、いぐぅぅぅっっっ!!?」


 その苦痛すらも快楽に変わり股間の王子様がはっちゃけた。なんか透明な液体まで吹き出てんぞ。


「うわっ、き、汚えっ!」

「あひひひひひ、うひょひょひょぐふふふイグぅぅぅっっ!!」


 國王はだらしなく舌を垂らし、身悶えしながら股間の王子様を絶叫させる。どうやら完全に壊れたようだ。


「あっはははははは! なかなか愉快ではないか。じゃがもう壊れてしまったようじゃの。そろそろ頭をかち割って幕引きとせよ」

「御意」


 ゲリベーナ様は国王の痴態に爆笑だ。目に涙すら浮かべ、腹を抱えて笑っていた。だがおもちゃも壊れてしまったからな。そろそろ廃棄処分らしい。


 悪鬼族の奴が他の魔族からバトルアクスを受け取る。そして大きく振りかぶると真っ直ぐ国王の頭に振り下ろした。


 頭は見事にかち割られ、真っ二つとなった国王の頭から血が吹き出る。バトルアクスは胸の辺りまでを斬り裂いていた。アバラや脊髄に阻まれ人体真っ二つとはいかなかったようだ。


 元国王は恍惚の笑みのまま真っ二つにされた。寄生虫ダキムのおかげで最後もきっと安楽死だったに違いない。うーん俺ってなんて慈悲深いんだろうな。


 こうして元国王は処刑され、ナトリウム王国はその歴史から消え失せた。そして魔族の国エボンが樹立されるわけか。だがまだ藤真の奴が残ってるからな。まだ戦いは終わっちゃいない。

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