第21話 ブルーレットの街陥落
「あれが騎士団か。行けマンイーター、あの騎士達に襲いかかるんだ!」
俺はマンイーターに指示を出す。するマンイーターはその身を縮ませ、そして大きく伸び上がると同時に跳ね上がった。
「あの男が化け物のマスターか、総員あの男を狙え!」
「ホルヌス、例の作戦を実行してくれ」
糞尿の量は充分。後は奴らを一網打尽にしてくれるわ!
「わかった。総員退避! 街の外へ逃げるんだ。俺が
うんこを排泄してしまえば便意はなくなるからな。退避くらいできるだろ。騎士団はマンイーターが足止めしてくれるしな。
「奴ら逃げていくぞ! 追え、あの化け物を操っていたやつだけは絶対に逃がすんじゃない!」
「む、無理です! うんこが襲って来るゔぅぅぅっ!」
よし、うんこゴーレムも見事に足止めになってるな。騎士どもがマンイーターの相手をしていれば浄化はできまい。
「くそっ、アニヒレーション!」
マンイーターが光の柱に包まれたかと思うと瞬く間に消滅する。なんじゃあの凶悪な魔法は!?
だがもうじき退避が終わる。それまで持ってくれれば問題ない。マンイーターが残っていれば楽なんだがな。そしたらこいつら全員マンイーターの餌になっちまうけど。
「よしソロモン、退避が終わる。任せたぞ!」
「任せろ! ホルヌスもすぐに逃げるんだ。喰らえ、糞臭爆増!」
これだけ広範囲に使うとなるとかなりの魔力を使用するな。だがこの魔法さえ発動してしまえば勝ち確だ。
俺のクソ魔法の影響を受け、あちこちのウンコから湯気が立ち昇る。そしてそれらは激しい悪臭となり門前の広場に広がっていった。俺は発動を確認すると急いで門野外へ退避する。
そして俺が街の外へ出ると、オクシオーヌが門を障壁で塞ぐべく魔法を展開させた。
「マジックウォール!」
こうして街の外と中を隔離させる。さてこれでしばらく待つだけだな。中はすぐに地獄となるだろう。
* * *
ソロモンの糞臭爆増により辺りは激しい悪臭に包まれていた。いかに聖職者の浄化魔法であろうと広場全体の浄化には至らない。せいぜい数メートル範囲しか浄化できず、すぐにまた臭いが充満していった。
「く、くせぇぇぇっっっ!!」
「お、おえええええっっ」
もはや激臭となり広がったその臭いはシュールストレミングと肩を並べるほどであった。あまりの臭さに気絶する者、嘔吐する者、目眩を起こす者などが後を絶たない。そうなってしまってはもはや戦うどころではないが、騎士団はマンイーターの殲滅だけはやり遂げようと死力を尽くす。
朦朧とする意識を奮い立たせ、ケツマーンはマンイーターの群れを滅ぼす。高位魔法の連発と臭いを我慢することに全力を注いだ。そして、
「あ、アニヒレーション!」
「グゲエエエエエッッ!!」
ケツマーンが最後の1体を浄滅魔法で滅ぼすと、気が緩んだのか膝をつき嘔吐する。
「お、おええええっっ!」
「副隊長、じ、自分はもうダメであります……」
そして騎士が1人、また1人と激臭に耐えられず気を失う。中には痙攣している者もおり、戦場だった広場は次第に静寂に包まれていった。
他の兵士達や奴隷魔族達も既に気絶しており、立っている者は誰もいない。しかしクソ虫に寄生された者はそれでもうんこを
と、そこへ広場のあちこちにうんこが降ってきた。それは街の外からソロモンのウンコアローによってもたらされたウンコである。当然それには寄生虫が存在していた。
「ウヒョヒョヒョ!」
降ってきたウンコから寄生虫ダキムがその細い姿を見せる。そして騎士や兵士達のケツの穴へと侵入していった。
それから程なくして再び魔族の軍勢は動き出す。ソロモンがクソ魔法のウンコ消滅を使いまくり街の消臭を開始。そして倒れている奴隷魔族や兵士達、騎士達は縛り上げられその身を拘束された。
「これより街の占領を開始する。この街の騎士団宿舎を襲撃し、教会も占拠するのだ。そして領主も捕らえ、降伏を宣言させろ!」
ホルヌスは配下に命令を下し、魔族達は街の占領を開始する。そして捕らえられた兵士や騎士達は一箇所に集められていった。
やがて朧気ながらも意識を取り戻した騎士たちは自分達の敗北を悟る。
「ま、負けたのか俺達は……」
「馬鹿な、俺達人間が薄汚い魔族どもにしてやられたというのか?」
信じたくない現実に涙する者もいた。そんな彼らにホルヌスは容赦なく敗北の現実を突きつける。
「その通り、貴様ら人間は我等魔族に敗北したのだ! 今こそ積年の恨み晴らしてくれよう。ソロモン始めてくれ」
「ああ、わかったぜ。騎士どもよ聞け。俺はお前らの何人かに寄生虫ダキムを寄生させてやった。この中でアニヒレーションを使ったお前。お前には見せしめになってもらおう」
ソロモンが指をパチンと鳴らす。それと同時に彼らに寄生した寄生虫ダキムが暴れ出した。
「おっほおおおおっっ!?」
「あ、あへあへあへあへあへ!」
騎士たちは突然襲い来る性的な快楽にその身をよじらせた。ある騎士は股間を大きく膨らませ、栗の香りを漂わせる。またある女騎士は激しい絶頂の嵐に淫靡な声を溢れさせた。
「お前がケツマーンだな。我が名はホルタヴィアヌス、魔王ゲリベーナ様配下の四天王の一人である。ケツマーンよ、貴様に新しい世界を教えてやるぞ!」
「な、なにをしゅるぅぅっっ、おっほおおおおっ、ら、らめぇぇぇっっ?」
ホルヌスはケツマーンの鎧を剥ぎ取り素っ裸にする。それさえもケツマーンには性的な刺激となり、飛び出した舌が引っ込められずにいた。
スパーーーン!
「おっ、おふぅぅっっ!?」
ホルヌスがケツマーンの尻を叩く。それが激しい刺激となり、ケツマーンの股間を直撃した。そしてホルヌスがイキリ立ったイチモツを露わにする。そして快楽に身悶えし、尻を高く掲げるケツマーンの腰をがっしり掴んだ。
「見るがいい、この街の最強の騎士ケツマーンの痴態を!」
「や、やめれぇぇぇっっ!」
そして抵抗虚しくケツマーンは新しい扉を開いたのだった。
神聖歴327年。こうしてナトリウム王国ブルーレットの街は魔族に占領されたのである。
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