第二話
あの後、真也は香奈、揚羽と別れ、自分のクラスに向かった。
「……」
真也は自分の席から外を眺めていた。
「みんな席に着けー、ホームルームを始めるぞ。」
担任の男性教師の声により、全員が席に着く。
「早速だが、みんなに朗報だ、今日このクラスに転入生が来るぞ。」
担任の報告を聞き、ざわつくクラスメイト達、しかし、真也は特に興味無しといった様子だった。
「静かに! では、早速紹介しようか、入っていいぞー!」
教室の扉を開き、入って来たのは礼儀正しい雰囲気を感じるツインテールの少女だった、美少女だったので男子が騒ぎ出す。
(……ん?)
そんな中、真也だけは転入生の少女から何か異様な力を感じていた。
「静かに! それじゃあ、自己紹介といこう。」
「はい。」
少女は黒板に自分の名前を書く。
「
名前を書いた後、少女は頭を下げて名前を名乗る。
「それじゃあ天宮寺は、あそこの席に座ってくれ。」
「はい。」
指定された席に座る麗華。
そして、HRが終わった後、麗華の下には同じクラスの女子生徒が集まっていた。
「ねえみんな。」
「なに?」
「あそこの外を見ている男の子、何ていうの?」
麗華は真也を指さし、周りの生徒に尋ねる。
「ああ、真也くん?」
「なになに、麗華ちゃんもしかしてタイプ?」
女子の一人が茶化すように笑う。
「止めた方がいいよ、彼……結構乱暴者な所あるから。」
「確か、入学式の時、男子グループと喧嘩して全員泣かせてたって……」
「ふーん。」
麗華は真也を見つめていた。
「……」
そんな視線に気付いているのか、真也も麗華の方をチラッと一瞥する。
一方その頃別のクラスにて、先程女の子を虐めて真也に追い払われた男子グループが集まって話をしていた。
「くそー、あいつらマジでムカつくな。」
男子グループの一人は真也と香奈の事を思い出して頭にきている様子だった、因みに入学式で真也に泣かされた男子グループとは彼らの事である。
「なんとか一泡吹かせてやりたいなぁ……」
男子グループが真也への仕返しの方法を考えていると、同じクラスの女子の噂話が聞こえて来た。
「ねえ知ってる? 旧校舎の噂。」
女子が旧校舎について話し始める、実は今真也と香奈が通っているこの学校、現在の校舎とは違う場所に過去に使われていた古い校舎があるのだ。
「知ってる知ってる、お化けがウヨウヨいるって噂でしょ?」
「なんか……ふーすい?……だっけ、場所自体が縁起良くなかったって話だよね……」
「だから出入口もお化けが出てこないように封鎖されてるって……」
「……そうだ、良い事思いついたぜ。」
女子の噂話に聞き耳を立てていた男子グループの一人が、何かを思いついたようだ。
「なんだ?」
「何を思いついたんだ?」
「いいから耳貸せ、まずは……」
男子グループは耳を寄せ合い、ヒソヒソと話し始める。
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