40.ファミレス

――― 前書き ―――


本日は、朝の8時に、39話を投稿しています。まだ、読んでいなければ、そちらから読むことをオススメします(*'ω'*)


――― 本編 ―――



「詩季くん、この問題は、どう?」

「その問題の答えは――」


 テスト範囲が発表されてから数日が経ち、中間テストの1週間前に入った、最初の土曜日。


 僕は、陽葵さんと2人でテスト勉強をしている。


 場所は、僕のお家の、僕の部屋で行っている。


 既に、2人とも提出しないといけない課題類は、終わらせている。


 9時からテスト勉強を開始して、最初は、お互いが、お互いの勉強をしていたが、1時間もすれば飽きてくるという物だ。


 最初は、僕が、勉強机を使い、陽葵さんが、床に置いてあるテーブルを使って勉強をしていた。


 今は、僕のベットに2人で座って、暗記科目に切り替えてお互いがお互いに問題を出し合う形式で勉強をしている。


 こう言う勉強方法は、初めてしたが、お友達との勉強は、内容を声に出したりするので、頭に残りやすい。


 コン♪コン♪コン♪


「詩季、そろそろ、お昼にしたらどうだい?」


 静ばぁに、言われて時計を確認すると、時計の針が13時を指そうとしていた。


 どうやら、熱中し過ぎたようだ。


 一旦、勉強を切り上げてリビングに移動すると、お昼ご飯が用意されていた。


「全く、何回、呼んでも反応無いんだから。料理が冷めてしまったよ」

「あはは、すみません――」


 食卓に座り、お昼ご飯を食べ始める。


「あ、朝、聞こうと思って忘れてたんですけど――」

「どうしたんですか?」

「今日の夕ご飯、家族で、食べに行くんだけど、良かったら一緒にどうですか?場所は、駅前のファミレスなんですけど」


 陽葵さんの家族は、テスト1週間前の土曜には、テスト勉強の息抜きを兼ねて外食するようだ。


 その外食に、誘われたのだ。


「詩季、行きたいなら行ってきな。お金は、渡すから」

「あっ、静子さん。お母さんから、お2人もどうですかとの事です。家の車、8人乗れるので」


 祖父母もお誘いを受けたようだ。


「私達もいいのかい?」

「はい、両親もお2人に、会いたがってました」

「――陽葵さんの口調が、丁寧すぎます。明日は、大雨――いや、大雪が降るかもですね」

「ねぇ、詩季くん。それ、どう言う意味かなぁ?」


 どうしてだろうか、丁寧に話している陽葵さんを見ると、どうしてもイジりたくなってしまう。


 反応が、面白いから?


 表情が、豊かになるから?


 理由は、よく分からないが、楽しい事は、事実だ。


「静ばぁ・健じぃ。一緒に、行きましょう」


 陽葵さんの追及を躱しながら、祖父母を後押しする。

 僕だって、祖父母と一緒にご飯を食べに行きたいのだ。


「うふふ、2人は、本当に仲がいいのねぇ〜〜」

「静ばぁ、関係なく無いですか?」

「ごめんね。では、私達もご一緒させてもらうね」


 祖父母の返事を聞くと、陽葵さんは、メッセージを送っていた。


 すると、すぐに返事が、返ってきたようだ。陽葵さんは、少し、頬を引き攣らせていた。


「どうしたんですか?」

「あはは、返事が遅いって怒られた♪夕方の5時に、迎えに来てくれるみたいです」

「では、時間までは、お勉強ですね」

「「ご馳走様でした!!」」






 16時30分に、2人のテスト勉強を終えた。


 リビングに移動して、夕食を食べに行く準備をする。


 17時を過ぎたタイミングで、西原さん一家が、到着したようで、車に移動する。


「詩季にぃちゃん!」


 車に乗り込むと、陽菜ちゃんが、自分の隣の席をポンポンと叩くので、そこに座る。

 そして、その隣に陽葵さんが座った。祖父母は、後方の座席に座る事にした。


「今日は、すみません。急に、お邪魔する事になって」

「いぇいぇ、私達も会いたかったので」


 家族間交流は、良好なようだ。


 車で走ること、15分程で、ショッピングモールの駐車場に車を停めて、目的のファミレスに向かう。


 陽葵さんと陽翔くんが、中間テストの際に、毎回利用するお店だそうだ。


 陽菜ちゃんは、陽翔くんと手を繋いで、僕の前を歩いている。


「陽菜、詩季くんに、また会いたいって、ずっと、言ってたんだよ」

「それは、嬉しいですね」


 陽菜ちゃんに、懐いてもらえたのは、本当に嬉しい。そして、相変わらず、可愛い。


 これも、陽菜ちゃんの妹パワーが、凄いのだ。


 あまり、陽菜ちゃんにデレていると、本家の妹である羽衣に怒られかねない。


「すみません、8人ですけどいけますか?」

「8名様ですねぇ、お席作りますので、少々、お待ちください!」


 ピークの少し前に、お店に入った事で、待たずに店内に入れるようだ。店員さんが、8人用の席を作ってくれている間は、邪魔にならない所で待つ。

 僕と祖父母は、待合席の椅子に腰かける。


「あれ、健三さんに、静子さんですか?」

「――――」


 声を掛けて来た人物を見た瞬間に、祖父母は、険しい表情になった。


「――――詩季」


 僕に、話しかけてきたのは、高梨さんだった。


 僕は、クラスメイトに、たまたま会ったという感覚だったので一礼だけしておいた。


 ペア学習が終ってからは、僕からも向こうからも話すことは無かったので、気にはしていなかった。まぁ、僕が、まとめたレポートで、高評価を貰えたのだから良い思いをしただろう。


 高梨さんの後ろには、彼女の両親。父親の高梨誠たかなしまことと母親の高梨葉月たかなしはつきが、立っていた。


 葉月さんには、中等部時代に、昼食を作って貰っていたりもしていたので、一礼しておく。次に、高梨誠さんに、目を合わせようとしたが、相手から目を逸らされた。


「8名様でお待ちの西原様~~」


 店員さんに、呼ばれたので、高梨一家と、別れていくのだった。



――― 後書き ―――


明日は、41話・42話を投稿します。


41話 朝の8時。42話は、夕方17時


に投稿します!

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