第2話 小悪魔カティアちゃん視点(1)




「頑張れー、レックス負けるなー」



「うわぁぁぁぁーーーっ」




必死な形相をして幼馴染のレックスが必死にガルシア中隊長に食いついてる。


適当なとこで手を抜いたらいいのに。。。







私の名前はカティア。最近になって第2中隊第3小隊2分隊に遊撃兵として転属になった。


今日の訓練は私は絶好調。


苦手だったボウガンの扱いにも慣れて、10Mの距離のゴブリン大の的に横に動きながら10発中5発も命中させることが出来たの。



それで目の前でガルシア中隊長に扱かれてるのが、同期入隊で幼馴染のヘタレのレックス。


レックスは話し方は吃っちゃってキモいしモブっぽいけど、一応顔立ちも整ってるし黙って横にいる分には苦にならないのよね。



ちゃんとご褒美あげてたら我儘だって素直に聞いてくれるし、とってもとっても便利君。


ちなみに男の子へのご褒美っていったらやっぱりちょっとエッチな感じのやつよ。



私は釣った魚には餌をちゃんと与えるタイプのいい女。


故郷の村の井戸端で近所の姉さん達が集まってそんな女がいい女だって話をして盛り上がってたから、私もそんな感じのいい女を目指す事にしたのよ。








暑い夏の日に故郷の川で一緒に洗濯をしてた時に、


とっても可愛い私のお気に入りのパンツを洗ってるとこを見せてあげたりとかね。


あの時はすごい勢いでガン見してくるから流石の私もドン引きだったんだけど。。。



姉さん達が洗濯と陶芸はいい女を引き立てるってすごい真剣な顔して言ってたけど、全部本当の事だったのね。


それを考えると姉さん達の情報はすごく頼りになるわね。



それにしても男の子ってエッチなのが好きね・・・本当に困っちゃうわ。


まあ、パンツ洗ってるだけで食いついちゃうころが童貞臭いから、すごくキモいんだけどね。








それからレックスは剣兵に応募したときも黙って喜んで付いて来てくれたの。


剣兵を選んだ理由はやっぱりかっこいいから。


細めの剣を華麗に振り回すってなんとなくスタイリッシュじゃない?



槍は・・・無いわぁーーー。。。槍は・・・やっぱり無いわぁーーー。。。特に鉄の槍。。。


後輩のタミコちゃんも鉄の槍はサマリッシュ?って言ってたし。。。



そういえば剣兵連隊への入隊が決まった時はレックスも珍しく吃らずによく話してたっけ。。。


興奮したら吃らなくなるのかしら?



それなのに入隊した時に別々の部隊になったのよね。


すぐに転属願い出してたんだけど、結局転属まで1年もかかっちゃったわ。


やっぱり便利君は近くにいてこその便利君よねぇ。(井戸端情報)







ちなみに私はレックスの気持ちには気がついてるけど応えてあげるつもりはないわ。


だって全然タイプじゃないんだもん。



わたしのタイプはパパみたいな感じの落ち着いた男性よ。(井戸端情報を精査した結果)


最近はヨシュア大隊長がいいなって思ってるけど、あとは医務官のローランド先生とか。


でも、あの人達ってば既婚者なのよねぇ。



流石の私も既婚者には手は出さないわよ。


姉さん達もそれだけはダメだって言ってたし。(井戸端情報は超重要)


どこかに苦みばしって枯れた感じで甘やかしてくれるいい人いないかしら?






そういえばレックスってキモいから、絶対に彼女とか出来ないタイプよね。


もしも30になるまでレックスに彼女が出来なかったら、仕方ないからご褒美として1回くらい私が一緒に寝てあげないと可愛そうね。


その時は私も結婚してるでしょうけど、1回だけならきっと大丈夫よね。



成人したら男女は簡単に一緒に寝てはいけませんって学校の先生は言ってたけど、結局なんでいけないか知らないのよね。


だって小さい時にもレックスとは一緒に寝たことあるし。。。







なんか学校の授業でやったみたいだけど、私はその日に運悪く熱を出して授業休んじゃったから全く聞いてないのよ。



友達に聞いても何故か恥ずかしがって教えてくれなかったし、先生に聞いても後で親御さんに聞けばいいよって言われるし・・・


家に帰ってパパに聞いても、結局目をシロクロさせて教えてくれなかったのよね。。。無言で倒れちゃうし。。。



その後ママに聞こうと思っても倒れたパパの介抱してたから、結局聞けずじまいでうやむやになっちゃってたのよ。


普段はこういったお話で頼りになる井戸端の姉さん達に聞いても「あらあら~」しか言わないし。。。



姉さん達は男の子には絶対に聞かないほうがいいって言われてたけど、仕方ないから今度レックスにでも聞いてみようかしら?


でもね~。。。レックスに聞いてもレックスが吃っちゃって結局何が言いたいか分からない可能性が大きいのよねぇ。。。


いったいどうしたものかしら。。。






そんなことを考えてるとレックスがうまい具合に中隊長の懐に飛び込んだ。




「やっちゃえ、レックスー」



「おうよ!!2回斬りっ!!」




うわぁ・・・・・・


あそこでスキル出したら絶対やばいじゃん。


スキル打つなら相手を仕留めれる範囲か、相手がスキル打った後じゃないと大技で反撃されちゃうじゃん!?



しかもガルシア中隊長が本気顔になっちゃってるじゃん!?


訓練だから一本取ったら終わりだったのにレックスってば何やっちゃってるのよ!!




「集中防御!!」




咄嗟にレックスが防御体勢になって思考加速する。


時間がゆっくり流れる感じになるらしいんだけど、私あれ苦手なのよね。。。




「秘剣 兜割り」




そう叫んでガルシア中隊長が大上段から剣戟を振り下ろす。


刹那に剣での迎撃を選んだレックスが訓練剣を振り上げる。



バッキン!!



あっ、剣折れちゃったって思ったら何故かレックスは中隊長に頭突きをかましにいってた。


すぐに問答無用で吹っ飛ばされちゃったけど。。。




「キャー、レックスー!!」



とりあえず私はレックスに駆け寄った。


いやいやいやいや、剣戟に頭突きっで対抗って・・・・・・


レックスってば馬鹿なの?死ぬの??



「おーい!!誰か担架持って来い!!」



遠くで誰かが叫んでる。


急いでレックスの近くに駆け寄ると、半目を開けたレックスが「2回斬りが完全に入ったのに・・・」と言って気絶したので、


案外大丈夫そうねって思った私は、



「レックスよ、倒れてしまうとは情けない。。。」



と言ってとりあえず合わせてあげる事にした。




うーん・・・私ってばやっぱり優しい。。。




ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○


更新のモチベに繋がりますのでもしよろしければ評価お願いします!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る